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不法侵入(住居侵入罪)の公訴時効はいつまで?3年で終わるとは限らない理由も解説

不法侵入(住居侵入罪)の公訴時効はいつまで?3年で終わるとは限らない理由も解説

過去に軽い気持ちで他人の家や敷地に立ち入ってしまい、あとから「不法侵入にあたるのではないか」と不安になった方もいるのではないでしょうか。

不法侵入は刑法上の犯罪として定められており、状況によっては警察に逮捕される可能性もあります。

一方で、犯罪には「時効」と呼ばれる制度があり、一定期間が経過すれば原則として刑事責任を問われることはありません。

この記事では、不法侵入罪に関する時効の基本的な年数やカウントの始まり、時効が止まるケース、ほかの犯罪との関係で時効が変わる場合、さらに時効が成立していない場合の対処法についてわかりやすく解説します。

今、不安を抱えている方が冷静に状況を把握し、安心して次の一歩を踏み出せるよう丁寧に説明していくので、ぜひ参考にしてください。

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不法侵入(住居侵入罪)の公訴時効は3年間

住居侵入罪の公訴時効は3年です。

これは、検察官が起訴できる期間を意味し、3年が経過すると原則として起訴されることはなくなります。

つまり、犯罪として処罰されることがなくなるということです。

ただし、実際に時効が完成しているかどうかは、侵入の状況や捜査状況などにより変わるため、一概に「3年経てば大丈夫」とは言い切れません

時効のカウントの始まりや、時効が停止するケースもあるため、慎重な判断が必要です。

不法侵入をした場合の民事上の時効も3年間となっている

不法侵入は刑事事件として処理されるだけでなく、被害者から損害賠償請求を受けるおそれもある行為です。

たとえば、無断で敷地に入り込んだことで精神的苦痛を与えた場合、慰謝料請求の対象となる可能性があります。

このような民事上の請求についても「時効」が存在します。

民法上の不法行為による損害賠償請求権は、被害者が損害および加害者を知った日から原則3年で消滅します。

また、損害賠償の請求権そのものが時効によって消滅するのは、損害発生の有無にかかわらず、不法行為があった日から20年を経過した時です。

不法侵入の公訴時効のカウント方法|起算点や停止について

不法侵入の公訴時効は3年間ですが、「いつからカウントが始まり、どういう条件で止まるのか」を正しく理解しておかなければ意味がありません。

時効の起算点や進行の停止には法的なルールがあるため、形式的に年数だけで判断するのは危険です。

以下でそれぞれのポイントを確認しておきましょう。

1.敷地外に出たときから時効のカウントがスタートする

公訴時効は、原則として犯罪が終了した時点から進行します。

不法侵入における、「侵入が終了した時点」とは、建物や敷地から退去した瞬間です。

たとえば、侵入者が私有地や建物から立ち去った時が、その行為の終わりとなり、そこから3年間がカウントされることになります。

侵入状態が継続している間は、時効の進行も始まりません。

2.逃亡しているなどの事情があるとカウントがストップする

公訴時効の進行が一時的に止まるケースもあります。

代表的なのが、「犯人が逃亡して所在不明になった場合」や「国外に滞在している場合」です。

これらの場合、時効のカウントは一時的に中断され、本人が発見されたり帰国したりするまで進行しません。

刑事訴訟法ではこのような事態を「時効の停止」と呼び、該当期間は時効計算から除外されます。

また、共犯者がいる事件で一部の者が起訴された場合、その裁判が終わるまでほかの共犯者についても時効が進行しないことがあります。

このように、「3年経ったかどうか」を表面的に数えるだけでは、実際の時効完成とはならないこともあるため、慎重な判断が必要です。

不法侵入以外の犯罪がある場合は時効期間が変わる

不法侵入は単独で成立する犯罪ですが、実際には「盗みのために侵入した」「暴行目的で立ち入った」といったように、ほかの犯罪とあわせておこなわれるケースも少なくありません。

このように複数の犯罪が関係する場合には、もっとも重い罪に応じて公訴時効の年数が決まります

以下では、代表的な例を紹介します。

1.空き巣(窃盗罪)の場合|公訴時効は7年

不法侵入の目的が「盗み」である場合は、窃盗罪が成立します。

窃盗罪の公訴時効は7年です。

そのため、空き巣や窃盗を伴う不法侵入では、3年ではなく7年間が公訴時効として適用されます。

2.盗撮目的(撮影罪)の場合|公訴時効は3年

不法侵入の目的が盗撮だった場合は、迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反といった法律に触れる可能性があります。

しかし、これらの犯罪は不法侵入罪と同程度の軽微な法定刑にとどまるため、いずれも公訴時効は3年です。

したがって、盗撮目的で侵入したケースでは、不法侵入単体と同じく3年の時効が適用されます。

3.強盗目的(強盗罪)の場合|公訴時効は10年

不法侵入の目的が強盗であった場合は、非常に重い罪と見なされます。

強盗罪の公訴時効は10年です。

仮に金品を奪わなくても、強盗目的で住居に侵入したと認められれば、不法侵入罪ではなく強盗罪に基づく時効が適用されることになります。

4.性的暴行目的(不同意性交等罪)の場合|公訴時効は15年

不法侵入の目的が性的な暴行であった場合は、不同意性交等罪などの性犯罪が適用されます。

この場合の公訴時効は15年です。

近年の法改正により、性犯罪の法定刑が引き上げられたことで、時効期間が延長されています。

不法侵入の時効が気になるなら弁護士に相談するのがおすすめ

「時効はまだ成立していないかもしれない」「本当に自分の行為が犯罪にあたるのかわからない」など、不法侵入に関して不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そうした場合には、刑事事件に詳しい弁護士に早めに相談するのがおすすめです。

以下では、弁護士に相談することで得られる主なメリットを紹介します。

1.そもそも住居侵入罪が成立しているか判断してもらえる

自分の行為が本当に住居侵入罪にあたるのかどうかは、法律の専門家でなければ正確に判断することが難しい問題です。

住居侵入罪は、「正当な理由なく他人の住居または人が看守する建造物などに立ち入った場合」に成立する犯罪です。

つまり、立ち入った場所が「人の住居」や「管理された施設」に該当しない場合や、立ち入った目的や事情に正当な理由が認められる場合には、罪が成立しない可能性もあります。

弁護士に相談すれば、状況を整理したうえで、住居侵入罪が成立するかどうかを法的に判断してもらえるでしょう。

2.複数の犯罪がある場合に時効時期を判断してくれる

不法侵入だけでなく、ほかの犯罪が同時に成立している場合は、時効の年数が変わります

たとえば、窃盗や強盗、性的な目的が含まれていた場合などは、不法侵入単体とは異なる長期の公訴時効が適用されるため、自分で判断するのは困難です。

その点、弁護士に相談すれば、関係する可能性のある罪名を整理し、それぞれの時効期間を的確に説明してもらえます。

3.今後の見通しや対応などのアドバイスが受けられる

住居侵入について、今後警察に発覚する可能性があるのか、逮捕や起訴に至るリスクがどれほどあるのか、あるいは示談や自首を検討すべきかなど、今後の行動をどうすべきか迷っている方もいるでしょう。

そのような場合でも、弁護士であれば、これまでの対応事例や法律の観点から冷静なアドバイスを提供してくれます。

仮に警察から連絡があった際にも、事前に相談しておくことでスムーズに対応しやすくなります。

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さいごに|犯罪が不法侵入だけなら3年経てば公訴時効が完成する

不法侵入は比較的軽微な犯罪とされており、刑法上の公訴時効は3年に設定されています。

そのため、不法侵入のみをおこなった場合で、発覚やほかの犯罪の関与もなく、3年間が経過したのであれば、原則として起訴されることはありません。

ただし、実際には「時効の起算点がいつか」「時効が停止していた期間があるか」「ほかの犯罪が同時に成立していないか」など、さまざまな事情によって判断が変わることがあります。

一見して単純な行為に思えても、法的には複雑な判断を要するケースも多いため、不安を抱えたまま過ごすのではなく、早めに弁護士に相談しておくとよいでしょう。

「自分の行為は処罰されるのだろうか」「時効はいつ完成するのか」と悩んでいる方は、ぜひ一度、法律の専門家に相談してみてください

お一人で悩まず、早めの一歩を踏み出すことをおすすめします。

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この記事の監修者
磯田 直也 (兵庫県弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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