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公開日:2019.12.24  更新日:2020.2.26

タクシーで暴行をしてしまったら逮捕?|弁護士の必要性と問われる罪

東京スタートアップ法律事務所
中川 浩秀 弁護士
監修記事
Taxi

タクシーを利用するとき、運転手に暴行を振るってしまう人がいます。特に多いのは、酒に酔った状態での暴行でしょう。タクシー運転手の言動や態度、受け答えが不愉快で、カッとなってしまったケースもあるかもしれません。

 

しかしタクシー運転手に暴行を振るうと、暴行罪などの容疑で逮捕される可能性があります。

 

この記事ではタクシーで暴行を振るってしまい、逮捕されたときに成立しえる犯罪や、加害者の受ける不利益を最小限にとどめる方法をご紹介します。

 

タクシーで暴行をすると問われる可能性がある罪

タクシーで暴行を振るってしまったとき、問われる可能性がある罪は以下のとおりです。

 

手を出した時点で成立する暴行罪

タクシー運転手に暴行を振るうと、その時点で暴行罪が成立し得ます。

 

殴る蹴るといった行為はもちろんですが、怒鳴りつけたり胸ぐらをつかんだり、あるいは髪の毛や衣服を引っ張ったりした場合も成立するのです。

 

ただし暴行罪が成立するのは、運転手が「けがをしない場合」に限ります。

 

暴行罪の刑罰は2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料です。

 

タクシーの運転手が怪我を負ったら傷害罪

暴行によりタクシー運転手が負傷してしまったら、前項の暴行罪では済みません。

 

相手が怪我をしてしまうと、「傷害罪」という犯罪が成立します。

 

刑罰は暴行罪よりも重く、15年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑です。

 

暴行でタクシー業務を妨害すると威力業務妨害罪

タクシー運転手は、営業行為としてタクシー業務を行っています。

 

暴行によってその営業を妨害する結果となるので、「威力業務妨害罪」が成立する可能性があります。

 

刑罰は3年以下の懲役または50万円以下の罰金刑です。

 

暴行で物が壊れたら器物損壊罪

暴行によってタクシー内の物を壊したり、タクシーそのものを毀損したりすると「器物損壊罪」が成立します。

 

刑罰は3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料です。

 

口にした言葉によっては脅迫罪

タクシー運転手に対し、「殺すぞ」、「ぼこぼこにする」、「住所を教えろ」、「後で乗り込んでやる」、「家族を傷つけるぞ」などと告げて脅した場合、「脅迫罪」が成立する可能性があります。

 

刑罰は2年以下の懲役または30万円以下の罰金刑です。

 

支払いを免れようとしたら恐喝罪

料金を請求されたがタクシー運転手に暴行を加え、無理矢理支払いを免れた場合、恐喝罪が成立する可能性があります。恐喝罪は、相手からお金をとった場合だけでなく、支払うべきものを支払わなかった場合にも成立するのです。

 

恐喝罪には罰金刑が定められておらず、刑罰は10年以下の懲役刑のみです。

 

【関連記事】

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威力業務妨害とは|業務妨害に関する罪と刑法での罰則や例

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逮捕されたかに関わらず弁護士の必要性がある

タクシー運転手相手に暴行を振るってしまったとき、必ずしも逮捕されるとは限りません。

 

しかしいずれの場合であっても、弁護士の必要性は非常に高いといえます。

 

逮捕された場合|刑事手続上のサポート

逮捕された場合には、弁護士による刑事手続上のサポートが極めて重要です。

 

早期釈放を目指した弁護活動

逮捕されたら、なるべく早期に身柄を解放してもらうべきでしょう。身柄拘束期間が長くなるほど、被る不利益が大きくなるからです。

 

弁護人を選任したら、勾留されないように検察官に働きかけるなど、早期釈放を目指す弁護活動をしてもらえます。

 

不利・不当な取り調べの防止

逮捕されると、捜査機関による取調べを受けることとなります。このとき弁護人がついていれば、捜査機関は不当な取調べをしにくくなるでしょう。

 

実際、不当な取調べがあった場合、弁護士が捜査機関側に抗議します。

 

また弁護士から逮捕されてしまった被疑者本人へ、取調べに対する適切な対処方法もアドバイスしてもらえるでしょう。

 

示談を含めた被疑者の有利になる証拠収集

弁護人がつけば、弁護人を介して被害者との示談交渉を進められます。その他にも被疑者にとって、有利になる証拠の収集も可能となります。

 

たとえば、「日常では真面目な性格だが、その日は仕事のトラブルにより一時的にむしゃくしゃしていただけである」といった事情を、書面等で検察官や裁判官に説明できます。

 

また再犯防止のため家族が監督してくれることを主張したり、カウンセリングを受ける約束をしたことを説明したり、さまざまな提案・情状説明をしてくれるかもしれません。

 

逮捕されない場合|立件前の事件解決

逮捕されなかった場合には、弁護士に以下のようなサポートをしてもらえます。

 

弁護士同伴での謝罪

タクシー運転手に暴行を振るった場合、逮捕されなくても謝罪が必要です。

 

ただし被疑者本人がタクシー運転手に連絡しても、拒否されるケースが考えられるでしょう。

 

弁護士に同伴してもらえれば、相手も安心して謝罪を受けやすくなるかもしれません。

 

賠償を含めた今後の方針のとりまとめ

タクシー運転手に暴行を振るったら、態様により慰謝料や治療費の支払いが必要です。

 

しかし自分でタクシー運転手に連絡を入れて、これらの賠償金の支払い交渉を行うのは困難といえるでしょう。

 

被害者も暴行をした犯人からの連絡は、受け入れにくいものです。しつこく連絡をすると、「証人威迫」、「脅迫行為」などと受け止められてしまう可能性もあります。

 

弁護士に依頼すれば、よりスムーズに被害者との協議・示談を進めてもらえることを期待できるでしょう。被害者も弁護士からの連絡であれば、安心して受け入れられるかもしれません。

 

示談金の金額を決定する際にも、法的な専門知識・経験をもつ弁護士であれば、適正な金額を定められるでしょう。

 

弁護士を介して示談を成立させられたら、きちんと賠償金を払って民事トラブルを解決できます。

 

このように民事賠償問題が解決されれば、一般的に被害者は被害届を提出しませんし、刑事告訴もしないはずです。

 

捜査が開始することはなく、逮捕・前科のリスクも限りなく低くなるでしょう。

 

早期に弁護士へ相談できなかった場合のリスク

もしも早期に弁護士に相談しなければ、以下のようなリスクが発生するので要注意です。

 

タクシーでの暴行事件直後|被害届・告訴により逮捕される

タクシー運転手に暴行を振るった直後、何もせずにいた場合、被害者が被害届を提出する可能性が高くなります。場合によっては、刑事告訴されてしまう可能性もあるでしょう。

 

告訴を受理した警察は、捜査を進めて加害者の犯罪行為を突き止め、逮捕に踏み切る可能性があります。

 

すぐに弁護士に相談をして、タクシー運転手に謝罪の連絡と示談の申入れをしていれば、逮捕を避けられたかも知れません。上記のように対応が遅れれば、逮捕にいたる可能性があるのです。

 

逮捕・勾留|出勤・通学ができずに生活に悪影響

タクシー運転手への暴行事件で逮捕されると、日常生活や仕事に多大な影響が及びます。

 

逮捕後すぐに釈放に向けた弁護活動をしないと、「勾留」されてしまう可能性が高くなるでしょう。勾留は最大で20日(逮捕後23日)間、身柄拘束が続く可能性あります。

 

万が一起訴されてしまえば、保釈が認められない限り、勾留状態がさらに続きます。

 

長期拘束により会社員が被るリスク

長期にわたって会社への出勤ができなくなるでしょう。会社へ弁解をする必要がありますが、「インフルエンザにかかった」、「身内に不幸があった」などを説明しても限度があります。

 

20日もの間、弁解し続けるのは困難ですが、きちんと事情を説明できなければ「無断欠勤」となって解雇の危険も考えられるでしょう。

 

長期拘束により学生が被るリスク

学生の場合には、学校に出席できなくなれば留年の可能性が高まりますし、逮捕や暴行事件が判明すれば退学になる可能性も発生します。

 

早期段階で弁護士に相談して生活を守る

仕事や学籍を失ってしまえば、身柄が開放されたとしても「職がない」、「学校に行けない」状態となります。

 

元の生活に戻ることは、極めて困難になるでしょう。当然、家族には多大な迷惑と心配をかけてしまうかもしれません。

 

勾留前の段階で対応することが理想

なるべく不利益を小さくしたいのであれば、勾留前の段階で弁護活動をしてもらい、在宅捜査にしてもらうべきでしょう。

 

在宅捜査であれば、取調べには協力しなければなりませんが、出勤や通学は可能です。

 

国選弁護人には弁護活動の限界がある

逮捕後に勾留が決定されれば、一定の条件を満たすことで国選弁護人を選任できます。ただ勾留されてからでは、既に遅い可能性があるのです。

 

また、国選弁護人は報酬が安く、弁護活動に充てられる費用が限られています。そのため十分な弁護活動を受けられないケースがあるのです。

 

それらのリスクを考えれば、国選弁護人に期待するよりも、逮捕直後に自分で弁護士を選任する方が良いかもしれません。

 

相談すべき弁護士の特徴

タクシー運転手への暴行事件に限らず、刑事事件において相談すべき弁護士を選ぶとき、以下を参考にしてみてください。

 

親身に話を聞いてくれる弁護士

被疑者やご家族の話を、親身になって聞いてくれる弁護士であるかが重要です。

 

刑事弁護では被疑者と弁護人の信頼関係が、非常に重要といえます。相性が合わない、話していて気分の良くない弁護士に弁護してもらっても、安心感を得られません。

 

相談したときに依頼者の悩みや言葉に耳を傾けてくれて、質問しやすいかどうかを意識してみてください。

 

刑事事件・暴行事件に力を入れている弁護士

暴行事件の弁護を依頼するなら、刑事事件に力を入れている弁護士を探すべきです。

 

弁護士の業務は多岐にわたり、刑事弁護に注力していない弁護士も存在します。そういった弁護士に依頼しても、弁護経験が乏しく成果を期待できない可能性があります。

 

刑事弁護にもいろいろな分野があるので、できれば暴行や傷害などの粗暴犯関連の実績がある弁護士を探してみてください。

 

近隣(同県内)に事務所がある弁護士

刑事事件の対応を依頼するとき、意外と重要なのが「地理的要素」です。特に逮捕・勾留中は、何度も被疑者への面会(接見)を要する場合があります。

 

事務所が留置場所(警察署)と離れていたら、接見の機会が限られているため充分な弁護活動をしてもらえない可能性が高まります。

 

同一都道府県内、可能であれば1時間以内に留置場所まで通える弁護士を選ぶと良いでしょう。

 

まとめ

タクシー運転手に暴行を振るってしまったなら、いつ逮捕されるかわからない状況といえます。早めに弁護士に相談をして、被害者への謝罪と示談の申し入れをするのが得策でしょう。

 

実際に被害届を提出され、警察から連絡が来ているケースでは、なおさら急ぐべきです。

 

自分でタクシー運転手に連絡するのが困難でも、弁護士がついていれば、適切な方法で被害者に謝罪と示談の連絡を入れてもらえます。

 

被疑者本人が何もしなくても、弁護士に任せていれば賠償問題を解決できる可能性が高いのです。

 

暴行事件を起こしたとき、最悪なのは放置することでしょう。まずは刑事事件や暴行事件などに強みをもつ弁護士を探しましょう。

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この記事の監修者
東京スタートアップ法律事務所
中川 浩秀 弁護士 (東京弁護士会)
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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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