万引き事件を起こし検察から呼び出しを受けている方へ
万引きで検察から呼び出しを受けている方の多数は、在宅事件になっているでしょう。
逮捕・勾留されない在宅事件のため、事の重大さについての評価を誤ってはいませんか。
たとえ在宅事件でも、起訴され有罪となれば前科がついてしまいます。
在宅事件の場合であっても、弁護士に依頼することがおすすめです。不起訴処分を獲得する可能性を高めるのは、被害者への謝罪・弁済・示談です
弁護士に依頼すれば、被害者の感情に配慮しつつ、適切な示談内容になるよう尽力してくれます。
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万引きをして検察から呼び出しを受けている方は、「呼び出しを受けて何をされるのか?」「今後罰則を受けるのか?」など、心配になりますよね。
身柄拘束されずに呼び出しを受けているという状況でも、捜査の結果、起訴されて刑罰(多くが罰金刑)を受ける可能性があると考えられます。
こちらの記事では、主に以下の内容について詳しく解説します。
- 検察から呼び出しを受けている状況とは?
- 検察庁に行く際の準備(服装や持ち物)と注意点
- 検察官への対応
- 不起訴になるためにできること
一通り読んでいただくことで、今後どうなるのか?どのような対応ができるのか?などがわかってきますので、実際に検察庁に行く前に参考にしてみてください。
万引きで検察から呼び出しが…これって具体的にどんな状況?
まずは、万引きをして検察から呼び出しを受けているご自身の状況について整理してみましょう。
在宅事件になっていることがほとんど
身柄拘束されずに、後日検察から呼び出しを受けているということは、在宅事件で捜査が進められている状況であることが多いと言えるでしょう。
在宅事件とは、被疑者の身柄は拘束されずに捜査が進められる刑事事件のことです。
逮捕・勾留のように被疑者の身柄は拘束されずとも、捜査の一環として被疑者から話を聞く必要性も出てくるため、後日検察から呼び出しを受けて取調べを受けるのです。
捜査中であることに変わりはなく、検察の判断によってその後起訴されることもあります。
微罪処分後でも呼び出しを受けることがある
微罪処分とは、逮捕されても罪が軽いと警察に判断された場合に注意や書類上の手続のみで対応を完了させる処分のことで、初犯で被害額が低い万引きでは、微罪処分を受けることもあり得ます。
稀に微罪処分を受けた後に警察や検察から呼び出しを受けることがあります。例えば、その後に余罪が発覚し、余罪についての捜査を受けるような場合などです。
呼び出しを受けたからといってすぐに逮捕される可能性は低い
検察から呼び出しを受けて、検察庁に行くことで「逮捕されるのでは?」と心配されている方がいるかもしれませんが、素直に応じて対応すれば、その場で逮捕される可能性は低いのでご安心ください。
ただし、検察からの呼び出しに応じないなど捜査に非協力的であれば、逮捕される可能性を高めてしまいます。
後日起訴される可能性もある
上でもお伝えしたように、在宅事件で捜査を受けている以上、起訴される可能性は残っています。
起訴される場合、略式起訴になる可能性も高く、この場合書面で起訴されて罰則(罰金刑)が言い渡されます。
なお、検察から呼び出しを受けている状況でも、後述するような示談や再犯防止をすることで不起訴の可能性を高めることもできます。
万引きで在宅捜査を受けている場合の罰則の傾向
検察からの呼び出しを受けるような万引きの在宅事件では、起訴された場合、罰金刑になることがほとんどだと考えられます。窃盗罪での罰金額の相場は10~30万円程度であることが多いようです。
ただ、実際は被害額や被害者に対する弁済や示談の有無、被疑者の犯罪歴などによっても変わってきます。できることは、起訴されるまでにできる限りの対処を取っておくことです。
検察庁に行く際の知識|服装・持ち物は?
人生の中で検察から呼び出しを受けることなど、そう何度もあることではありませんね。初めての呼び出しでは、何をどうすればよいのかわからないことばかりでしょう。
こちらでは、検察庁に行くときの服装や持ち物などについて解説します。
服装|自由だがきれいめが好ましい
検察庁に行くときの服装についての決まりはありません。ただし、多少なりとも見た目が印象に関わるので、あまり砕け過ぎずにスマートカジュアル程度にしておくと良いでしょう。
持ち物|必須なものは特にない
持ち物に関しても、特に必須なものはありません。もし必要な物があれば、呼び出しを受ける際に指示がありますので、それに従えば問題ないでしょう。
携帯電話の持ち込みについても、制限されることはあまりありません。
疑問点や不明点は電話で教えてくれる
検察からの呼び出しでわからないことがあるときは、電話で質問すれば教えてもらえることもあります。
- 検察庁には何時に行けばよいのか
- どこの部屋に行けばよいのか
- どこの駅で降りてどうやって行くと交通の便がよいのか
- 担当検察官の名前 など
一方、当日何を聞かれるのか、事件で自分に疑いがかかっているのか、どのくらい証拠が揃っているのか、起訴される予定なのかなどの事件に関わる部分については、電話では回答してもらえないでしょう。
検察から呼び出しを受けた日は都合が悪い場合は?
検察から呼び出しを受けても、仕事などでなかなか都合がつかないという方も少なくないでしょう。どうしても呼び出しを受けた日に検察庁に行くことができない場合、日にちを変更してもらうこともできます。
基本的には検察の呼び出しには素直に従うこと
検察から呼び出しを受けたとき、出頭は基本的に任意ですので、拒否することは可能です。拒否しても、直ちに無理矢理身柄を拘束されることは基本的にはありません。
ただし、万引き容疑で呼び出しを受けているのに出頭を拒否し続けていることで、『逃亡のおそれ』『証拠隠滅の恐れ』があると判断され、逮捕状を請求される可能性があります。
呼び出しを受けたなら、拒否するだけの正当な事由がない限りは素直に応じたほうがよいでしょう。
都合が悪い場合は日時の変更が可能
拒否したいわけではなく、どうしても検察庁に行けない場合は、必ず事前に連絡を入れて別の日時に変更してもらうなどの対応をしましょう。
通常は電話で連絡すれば対応してもらえますが、検察官が日にちの変更に応じてくれるかどうかはケースバイケースです。
仕事があったり、あらかじめ遠方に行く予定があったりする場合には、日にちを変更してもらえるかもしれませんが、理由が曖昧な場合には「それでも来て下さい」と言われる可能性もあります。
検察から万引きの取調べを受けるときの注意点
万引きの被疑者として呼び出され、検察から取調べを受ける場合には、以下の点に注意してください。取調べの内容次第では、後の起訴・不起訴の判断や刑事罰の判断に大きく影響する場合があります。
取調べにかかる時間はケースバイケース
検察から呼び出しを受けて取調べを受ける時間は、1時間以内で終わるケースもあれば、半日程度かかってしまう場合もあります。
具体的な事件の内容にもよりますが、自白事件だと短く終了し、否認があると長引く傾向にあります。
示談書や診断書があれば持参する
もし万引き被害者と示談ができているようであれば、検察庁に行くときに一緒に示談書を持っていくようにしましょう。不起訴に近づくために非常に有力な証拠になります。
また、後述しますが、万引きを繰り返してしまう人は『クレプトマニア』と言って、依存症であることも考えられます。医師からカウンセリングや診断を受けていることがわかる書類があれば、『再犯防止に努めている』と判断できる材料になります。
検察官は、示談が成立している点も含めて起訴するか否かを判断します。
被害者との間で示談が進められるのであれば、早急に示談を行っておくことで、後の処分にも大きな影響が出てくるでしょう。
黙秘権を行使する場合は先のことも考える
黙秘権という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
任意取調べでも黙秘権を行使し、答えたくないことは答えなくてもかまいません。
ただ、黙秘権を行使することで取調べが長引いたり、その後身柄拘束の必要ありと判断され逮捕されたりする可能性もゼロではありません。
もし、話したくない不都合な内容があるようでしたら、あらかじめどのような対応をするのかシミュレーションしておきましょう。
検察から呼び出しを受けて、実際に検察庁に行くまでに日数があるでしょうから、それまでに一度弁護士に相談してアドバイスを受けておくことをおすすめします。
供述調書の内容は必ず確認する
取調べでのやり取りについては供述調書を作成されますが、供述調書の内容は必ず確認し、間違いがないことを確かめてから署名押印すべきです。
間違いとは言えなくても、ニュアンスが違っていたり、実際よりも余罪が多数にされている調書が作成されたりすると、裁判の際に不利に使われてしまう恐れがあります。
そのまま署名押印せずに訂正を求めましょう。納得できないなら署名押印は拒否すべきです。
万引きで起訴されるまでにできる対処法
警察から逮捕されて捜査が進められる場合、身柄拘束に期限があるため、逮捕から最大23日で起訴・不起訴の判断が下されます。しかし、身柄拘束されていない在宅事件では、起訴までの時間的制約はなく、捜査開始から起訴されるまでに数ヶ月程度かかる場合もあります。
上でも簡単に触れましたが、示談成立などの事実があれば、実際に万引きをしたとしても不起訴処分を受ける可能性が高くなります。
こちらでは、万引きで起訴されるまでにできる対処法について解説します。
在宅事件でもまずは弁護士に相談する
在宅事件の場合、逮捕・勾留されて捜査を進められる身柄事件よりも、事の重大さについての評価を誤る人が多いです。しかし、実際に万引きしたのであれば、犯罪を行ったことには変わりありません。
どんなに軽微な事件であっても、起訴され有罪となれば前科がついてしまいます。
在宅事件だからと軽く考えず、必ず弁護士に相談して、今できることを1つでも多くやっておいてください。後述する示談交渉は、不起訴獲得のために特にやっておくべき対処法の1つです。
被害者への謝罪・弁済・示談をする
万引きで捜査を受けている場合、検察から呼び出しを受けている日を迎える前に、盗んだ物の弁済を行い、示談成立させることを目指しましょう。万引きの被害者は、店舗の店長などです。
個人規模のお店であれば、店長の方針によっては示談に応じてくれる場合もありますが、チェーン店などの会社規模になると、そもそも示談に応じてくれない場合も出てきます。
当事者同士で示談を進めようとしても、話がまとまらない可能性が高いと思いますので、まずは弁護士に相談して、必要に応じて示談交渉を代理してもらうことを検討しましょう。
窃盗罪での示談金相場は、被害額+数万円~数十万程度ですが、弁護士がその状況に応じた適切な示談金額で交渉してくれます。
再犯防止のために治療を受ける
万引きするときのスリルを求めて、必要でもない物を盗んでしまうクレプトマニア(窃盗癖)の人がいます。クレプトマニアは依存症のため、たとえ刑事罰を与えても再び窃盗してしまうおそれがあります。
今回起こした罪を反省することも大切ですが、今後も罪を重ねないために、医師から診断を受けるなどして、再犯防止の努力をすることも大切です。
他にも、同居する家族から監督してもらうなどの対処法が考えられます。
まとめ
在宅事件で万引きの捜査を受けている場合、検察から呼び出しを受けることがあります。
呼び出しを拒否することもできますが、拒否し続けることで逮捕されてしまう可能性を高めてしまいます。したがって、大事な予定がある場合以外は、基本的には呼び出しに応じた方が良いと思われます。どうしても日程に都合が付かない場合には、日にちを変更してもらうように問合せしてみましょう。
検察庁に行くまでに期間がある場合には、被害者との示談など、不起訴に近づけるためにできることをやっておきましょう。
初めての取調べや示談などで不安な方も多いでしょうから、弁護士に相談して適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
万引き事件を起こし検察から呼び出しを受けている方へ
万引きで検察から呼び出しを受けている方の多数は、在宅事件になっているでしょう。
逮捕・勾留されない在宅事件のため、事の重大さについての評価を誤ってはいませんか。
たとえ在宅事件でも、起訴され有罪となれば前科がついてしまいます。
在宅事件の場合であっても、弁護士に依頼することがおすすめです。不起訴処分を獲得する可能性を高めるのは、被害者への謝罪・弁済・示談です
弁護士に依頼すれば、被害者の感情に配慮しつつ、適切な示談内容になるよう尽力してくれます。
ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)では、窃盗事件が得意な弁護士を掲載しています。
初回相談が無料なところもありますので、まずはお気軽にご相談ください。
※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条
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