身柄拘束が長引くと、会社や学校に知られてしまうなど日常生活に影響が出る場合があります。
早期釈放を目指すなら、逮捕後72時間以内の対応が重要です。
家族が逮捕された方は、刑事事件が得意な弁護士に相談しましょう。
※一部初回面談無料の事務所もあり
「ついカッとなって、ものを壊してしまった」「悪ふざけで破損させてしまった」というとき、逮捕されるのではと不安になりますよね。
故意に他人のものを壊せば、器物損壊罪に問われます。
酔っていた、記憶がないといった言い訳も通用せず、「損壊」が該当する範囲は広く設定されています。
当記事では、器物損壊罪に該当する具体的な行為や罰則、時効などを幅広く解説。
逮捕後の流れや前科回避のポイントも説明するので、ぜひ参考にしてください。
身柄拘束が長引くと、会社や学校に知られてしまうなど日常生活に影響が出る場合があります。
早期釈放を目指すなら、逮捕後72時間以内の対応が重要です。
家族が逮捕された方は、刑事事件が得意な弁護士に相談しましょう。
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器物損壊罪は「他人のものを損壊または傷害した」場合に成立する犯罪です。
第二百六十一条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。引用元:第261条
具体的には、壁への落書きや他人の衣服を破る行為、パソコンのデータを消去するなど、そのものを壊したり使えなくした行為が「損壊」にあたります。
「器物破損(はそん)」と「器物損壊(そんかい)」は基本的に同じ意味で使われますが、法律上の正式名称は「器物損壊罪」です。
一般的に「破損」の方が馴染みがあるため、ニュース記事で「器物破損の疑いで逮捕」と報じられても、法的には「器物損壊罪」の容疑を指しています。
どちらの表現を使っても同一の犯罪を指していることに変わりはなく、法的な効果や意味に差はありません。
「損壊」とは物理的な破壊だけでなく、そのものの本来の価値や効用を失わせる行為、ものの効用を心理的に害する行為全般を指します。
具体的には、以下は全て「損壊」です。
「食器に放尿する」と、その食器はもう使いたくないのが通常の心理。
また、女性のスカートやかばんに体液をかけるといったわいせつな行為でも器物損壊罪の対象になります。
さらに、動物は法律上「もの」として扱われるため、他人のペットを傷付けるのも器物損壊罪に問われる行為です。
器物損壊罪が成立するには、ものを壊すことに対する「故意」が必要です。
たとえ酒に酔っていて記憶がなかったとしても、壊そうという意思があったとして罪に問われます。
「覚えていない」「酔っていた」は免責事由にはならないことを理解しておきましょう。
一方、過失(うっかり)の場合は器物損壊罪には問われません。
たとえば、車を運転していて他人の家の壁を壊してしまった場合などです。
ただし、器物損壊罪にならない場合でも、民事上の損害賠償責任は別途発生する可能性があります。
器物損壊罪の公訴時効は3年です。
公訴時効は、刑事事件として起訴できる期間。
つまりものを壊してから3年が経過すると、検察官は犯人を起訴できなくなります。
ただし刑事事件の時効が成立しても、民事上の責任は残る場合があるため注意が必要です。
民事の損害賠償請求権の時効は、「損害および加害者を知った時から3年」または「不法行為の時から20年」です。
器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」です。
第二百六十一条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。引用元:第261条
初犯で被害が軽微かつ示談が成立している場合は、不起訴処分や略式命令による罰金となることが多いでしょう。
しかし、被害額が大きい、もしくは悪質である場合には、検察官が正式な裁判を求める「公判請求」がなされ、結果として懲役刑が科される可能性が十分にあります。
「警察は器物損壊では動かない、逮捕されない」というのは誤解です。
被害届の提出、証拠の明確さ、事件の悪質性などがあれば捜査は開始されます。
たとえば、被害者が加害者の処罰を強く望んで被害届を出し、防犯カメラに犯行の様子がはっきりと映っているようなケースでは、捜査が進められる可能性が高いでしょう。
ただし、被害がごく軽微で被害届が出されなかったり犯人の特定が難しかったりする場合には、捜査が進みにくいのが実情です。
「令和6年版犯罪白書」によると、器物損壊罪の検挙率は14.7%と、ほかの犯罪種別に比べて低い水準にとどまっています。
器物損壊罪は親告罪のため、被害者からの告訴がなければ検察官は起訴できません。
たとえ捜査が進んでいても、被害者が告訴の取下げなどをすれば、起訴されず捜査終了となります。
逮捕を阻止するには、告訴される前に被害者と示談を成立させるのが重要です。
なお、告訴ができる期間は、被害者が犯人を知った日から6か月以内と定められています。
期間内に告訴がなければ、器物損壊罪として罪に問われることはありません。
器物損壊罪で逮捕される場合は、現行犯逮捕、通常逮捕(後日逮捕)もしくは自首の3パターンが考えられます。
どのパターンであっても、冷静な対応と適切な法的助言を受けることが重要です。
器物損壊の現場や犯行直後に、警察官や一般人によって身柄を拘束されるのが現行犯逮捕です。
たとえば、「店のものを壊して店員に取り押さえられるケース」や「他人の車のミラーを壊し、駆けつけた警察官に逮捕されるケース」などがあります。
現行犯逮捕の場合は犯行の証拠が明確なため、その後の捜査でも不利な状況に置かれることが多く、早期の適切な対応が求められます。
犯行後に一度逃走しても、防犯カメラの映像や目撃証言などをもとに捜査がおこなわれた結果、後日逮捕状に基づいて逮捕されることがあります。
逮捕状が発付されるのは、主に被疑者が逃亡や証拠隠滅をするおそれが認められる場合です。
ある日突然、警察官が逮捕状を持って自宅を訪れ逮捕される場合や、警察から「話を聞きたい」と電話があり、事情聴取を経て逮捕されるといったケースが考えられます。
通常逮捕の場合は犯行から逮捕までに時間的余裕があるため、「やってしまった」と心当たりがある場合は、弁護士に対応を相談するのがおすすめです。
警察に自ら出頭し犯行を認めた場合でも、必ずしも逮捕を免れるものではありません。
事件の重大性や被疑者の状況によっては、一旦逮捕されて捜査が進められることがあります。
しかし、情状酌量され、逮捕されずに在宅捜査となったり、最終的な処分が軽くなったりする可能性は高まります。
自首をせずに通常逮捕にいたるよりも、良い結果になりやすいでしょう。
逮捕されると、刑事訴訟法に定められた手続きに従って捜査が進められます。
大まかな流れは以下のとおりです。
弁護士がついていれば、勾留を阻止したり早期釈放を求めたりできますが、認められない場合は起訴・不起訴の決定まで最大23日間も拘束されます。
その期間は仕事や学校を休まざるを得なくなり、社会生活に深刻な影響を与えるでしょう。
器物損壊での逮捕は、長期間の身柄拘束や社会的信用の失墜などのデメリットにより、次のようなさまざまなリスクを伴います。
まず、逮捕や勾留によって長期間拘束されると、仕事や学業に影響がでます。
さらに、逮捕の事実や事件の内容が知られると、就業規則や校則に基づいて懲戒解雇や退学処分を受けるリスクもあるでしょう。
特に有罪判決で「前科」がついた場合、特定の職業に就けなくなったり海外への渡航に制限が出たりするなど将来に影響が出ることも深刻な問題です。
逮捕や前科を避けるためには、早期の弁護士相談と迅速な示談交渉が必要不可欠です。
弁護士による適切な法的アドバイスと代理交渉は、前科回避の可能性を高めます。
器物損壊事件を起こしてしまった、または関与を疑われている場合は、できる限り早く弁護士に相談してください。
弁護士は法律の専門家として状況を客観的に分析し、今後の事件の見通し、警察の取り調べにどのように対応すべきか、被害者との示談交渉をどのように進めるべきかなど具体的かつ的確なアドバイスをしてくれます。
逮捕前であれば、必要に応じて自首を勧めてくれる場合も多いでしょう。
弁護士へ相談することにより、不必要に不利な状況に陥るのを避けられるだけでなく、精神的な負担も大きく軽減されるはずです。
器物損壊罪で前科を避けるには、被害者との示談成立がなによりも重要です。
器物損壊罪は親告罪のため、示談が成立して被害者が告訴を取り下げれば起訴されません。
しかし、示談交渉は被害者の感情に配慮しながら進める必要があり、素人が直接おこなうのは困難。
専門家である弁護士に依頼するのが賢明です。
弁護士を介して被害者に連絡を取り、真摯に謝罪の意を伝えたうえで、壊したものの修理費用に慰謝料を加えた示談金を支払うことで和解を目指します。
無事に示談がまとまれば、「これ以上処罰を求めません(告訴しません)」あるいは「すでにした告訴を取り下げます」といった内容を盛り込んだ示談書を作成し、取り交わすことになります。
器物損壊の示談金は通常、数万円から数十万円程度。
ただし示談金の額は損害額、被害の内容・程度、被害者の処罰感情、犯行動機などさまざまな要素を考慮して決まるため、ケースによっては数百万円単位となることもあるでしょう。
たとえば酔った勢いで駅舎の壁に穴をあけてしまった事例では、鉄道会社との間で示談金約20万円で解決し、刑事処分も不起訴処分を獲得しています。
このように、弁護士が介入することにより適切な示談交渉がおこなわれ、事件の早期解決が図れます。
器物損壊してしまったら、「ベンナビ刑事事件」でできるだけ早く器物損壊事件に強い弁護士に依頼しましょう。
「ベンナビ刑事事件」は加害者弁護が得意な弁護士や法律事務所を探せるポータルサイト。
逮捕回避や示談交渉の実績を多く積んだ弁護士を探せます。
「初回相談無料」「自首同行可能」などで絞り込むこともできるので、複数の事務所を比較し、本当に信頼できる弁護士に依頼しましょう。
器物損壊罪は、他人のものを故意に壊す・汚すなどして効用を損なう行為を罰する犯罪。
決して、逮捕されないということはなく、被害届が提出されれば捜査がされます。
ただし、親告罪のため、被害者との示談が成立すれば起訴や前科を回避できる可能性が高いです。
「他人のものを壊してしまった」と思ったら、まずは早期に弁護士へ相談し、的確なアドバイスと対応を受けることが重要。
示談交渉が得意で経験を多く積んだ弁護士に依頼し、円滑に示談交渉を進めましょう。
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