テレグラムでのやり取りは警察にバレる?過去の復元事例とあわせて解説
テレグラムは暗号化機能をもつ秘匿性の高いメッセージアプリとして知られていますが、実際のところ警察の捜査によってやり取りの内容が明らかになるケースも存在します。
特に犯罪に関わるやり取りをしていた場合、その履歴がどこまで追跡可能なのか、正確な情報を知っておくことは重要です。
この記事では、通常チャット、シークレットチャット、自己破壊タイマーなどのテレグラムの各機能ごとに警察による解析の可能性を詳しく解説します。
実際にテレグラムでのやり取りが警察によって復元された事例も紹介するので、もし「警察にバレるのでは...」と不安な方は、ぜひ参考にしてください。
テレグラムでのやり取りは警察にバレる?
テレグラムでのやり取りが警察にバレるかどうかは、使用している機能によって大きく異なります。
テレグラムには複数のチャット機能があり、それぞれのセキュリティレベルが違うため、警察による解析の可能性も変わってきます。
実際に2023年10月には、指示役「ルフィ」らによる強盗事件で、警視庁がテレグラムのメッセージの一部復元に成功したとの報道もありました。
このような事例を踏まえ、各機能の特徴と警察による解析の可能性について詳しく解説します。
通常チャット(クラウドチャット)|バレる可能性が高い
テレグラムの通常チャット(クラウドチャット)は、警察にバレる可能性が比較的高い機能です。
クラウドチャットでは、やり取りのデータがテレグラムのサーバー上に保存されるため、適切な手続きを経れば警察がデータにアクセスできる可能性があります。
仮に警察が正当な理由でデータ開示を申請した場合、サーバーに残されたメッセージが解析される可能性は十分にあるでしょう。
シークレットチャット|基本的にはバレない
シークレットチャットは、テレグラムの中でも特に高いセキュリティを誇る機能です。
エンドツーエンド暗号化技術により、送信者と受信者のデバイスのみにデータが暗号化されて保存されます。
この機能の最大の特徴は、メッセージがサーバーに保存されない点です。
データは通信の両端にあるデバイスでのみ暗号化・復号化されるため、警察はもちろんテレグラム運営会社でさえメッセージの内容を解読することは困難とされています。
ただし、デバイス自体が押収された場合、警察が中身を確認することは可能です。
自己破壊タイマー|解析される可能性はある
自己破壊タイマーは、設定した時間が経過すると自動的にメッセージやファイルを削除する機能です。
1秒から1週間まで表示時間を選択でき、決められた時間でデータを削除することでプライバシーを保護することを目的としています。
しかし、近年は警察のデジタル解析技術が向上したことで、表面上は消去されたデータでも一部復元される可能性があります。
2023年の「ルフィ」事件では、警視庁が最新のデジタル技術を使ってテレグラムのメッセージを一部復元することに成功しており、自己破壊タイマーで消去されたデータでも解析されないとは言い切れない状況です。
メタデータは暗号化されていないので、警察にて解析が可能
メタデータとは、通信日時、送信者と受信者の情報、通信頻度などの通信に関する基本情報のことです。
メッセージの内容とは異なり、メタデータは暗号化されていないため、警察による解析が技術的に容易です。
メタデータが分析されると通信パターンや人間関係、不審な時間帯での活動などを把握できる可能性があります。
メッセージの具体的な内容はわからなくても、誰といつ連絡を取っていたかという情報は重要な捜査の手がかりとなるでしょう。
テレグラムでのやり取りが警察に復元された事例
高い秘匿性を誇る通信アプリ「テレグラム」ですが、近年ではそのセキュリティを上回る形で、警察によるデータ復元が成功した事例も報告されています。
その代表的な例として知られるのが、2023年に発生した広域強盗事件、いわゆる「ルフィ」事件です。
本件は、SNSや闇バイトサイトなどを通じて集められた実行犯に、海外から指示を出していた人物「ルフィ」が関与していたとされる一連の広域強盗事件です。
本件において、警察は押収された複数のスマートフォンやタブレット端末を解析し、テレグラム上で交わされたメッセージの一部を復元することに成功しました。
復元されたメッセージには、各地の強盗事件に関与する実行犯との具体的なやり取りが含まれており、事件の指示系統や計画性を裏付ける証拠として極めて重要な役割を果たしています。
また、実行犯の中には、テレグラムでの指示内容をスマートフォンのスクリーンショットとして保存していた者もおり、これらの画像データも解析に活用されました。
こうした多角的な捜査により、警視庁は事件の全容解明に至っています。
警察はデータ解析の体制を強化している
「ルフィ」事件は、警察のデジタル解析能力が従来よりも格段に進化していることを示した象徴的な事例です。
かつては復元が難しいとされたテレグラムの通信履歴も、最新技術によって解析が可能になりつつあります。
実際、事件では暗号化された一部のやり取りが復元され、証拠として活用されました。
この背景には、警察内部の体制強化があります。
警視庁では「捜査支援分析センター(SSBC)」に専任の技官を配置し、年間数千台にのぼるスマートフォンや端末の解析を実施。
刑事部に限らず、生活安全部や交通部の捜査にも協力しています。
さらに、捜査員は民間の講習に参加したり、メーカーとの情報連携をおこなったりするなど、技術習得にも積極的に取り組んでいます。
以上を踏まえると、警察は今後も秘匿性の高い通信アプリの悪用に対抗するため、解析技術と人材の両面で体制を強化していくと考えられるでしょう。
テレグラムの秘匿性に関してよくある質問
ここからはテレグラムの秘匿性について、多くの方が疑問に思うポイントについて説明します。
テレグラムのユーザー情報が開示されることはある?
テレグラムのユーザー情報は、開示される可能性があります。
以前のテレグラムは情報開示に応じることはほとんどありませんでしたが、2024年9月の規約変更により状況が大きく変わりました。
現在は重大犯罪の容疑がある場合、IPアドレスや電話番号などのユーザー情報が司法当局に開示される可能性があります。
この変更は欧州デジタルサービス法の影響を受けたもので、違法コンテンツの排除措置や人命を脅かす犯罪情報の通報義務などが背景にあります。
特に児童虐待、薬物取引、銃器売買、偽造文書などの重大犯罪については、テレグラム側の対応が厳格化されています。
テレグラムの創設者ドゥーロフ氏もテレグラムが犯罪者に悪用されてきたことを認めており、AIを活用したコンテンツ・モデレーションの強化とともに規約変更を実施したと説明しています。
つまり、「テレグラムなら絶対にバレない」という考えは、もはや通用しないということです。
アカウントを消せば過去のやり取りも削除される?
自分のアカウントを削除しても、相手側には履歴が残ってしまうのが現実です。
テレグラムのアカウントを削除すると、あなたのサーバー上のデータは削除されますが、やり取りした相手のチャット履歴には、あなたが送信したメッセージがそのまま残り続けます。
特にグループチャットや公開チャンネルに投稿したメッセージは、アカウント削除後もほかの参加者に見える状態で残ります。
つまり、「アカウントを消せば証拠隠滅できる」という考えは間違いです。
捜査当局が共犯者の端末を押収すれば、あなたとのやり取りは簡単に復元されてしまいます。
テレグラムの利用自体が、今後違法となる可能性はある?
日本でテレグラムが禁止される可能性は極めて低いと考えられます。
テレグラムなどの暗号化アプリは「表現の自由を守り、安全な通信を確保する」という理念で開発されており、独裁国家では個人の安全を守る重要な役割を果たしています。
中国やイランなどでは利用制限がありますが、これらは国際的に「国民の権利を蹂躙している」と批判されています。
日本のような民主主義国家では、犯罪対策を理由にアプリを禁止することは、憲法で保障された通信の自由を侵害する行為として問題視されるでしょう。
さいごに|テレグラムを利用した犯罪に関する疑問や不安は弁護士に相談を!
テレグラムでのやり取りが警察にバレる可能性は、使用した機能や捜査の状況によって大きく異なります。
通常チャットは復元される可能性が高く、シークレットチャットでも完全に安全とはいえません。
特に2024年9月の規約変更により、テレグラムは重大犯罪の容疑がある場合にユーザー情報を司法当局に開示する可能性があります。
また、警察のデータ解析技術は日々向上しており、秘匿性が高いと思われていた通信手段も解析される事例が増えています。
もしテレグラムを使った犯罪行為に関わってしまった場合は、すぐに弁護士へ相談し今後の対策・見通しについてアドバイスをもらいましょう。
刑事事件に詳しい弁護士であれば、捜査の流れや証拠保全の方法、今後取るべき行動について具体的なアドバイスを受けられるはずです。
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