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公開日:2017.11.1  更新日:2021.2.12

DVで逮捕される基準とは|犯罪に該当行為と罰則・その後の流れを解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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DVで逮捕されるケースは、暴行や傷害の程度が重大で、かつ、被害者が十分な証拠を持っている、被害届が出されている場合が考えられます。

DVは、被害者にケガを負わせれば、傷害罪。暴力行為は暴行罪が成立します。逮捕されれば、被害者のケガの程度によっては、重い刑事処分を受ける可能性があります。

また、暴力行為を続ければ、場合によっては被害者を死に至らしめないとも限りません。被害者だけでなく、あなた自身も苦しむ結果となるでしょう。

この記事では以下の4点について解説します。

  1. DVで成立する罪と罰則
  2. DVの逮捕事例
  3. DVで逮捕されそう、逮捕された後の流れと対処法
  4. 被害者の対応

身内がDVで逮捕されたら、すぐにご相談を

DVで逮捕された場合、次のようなリスクがあります。

 

  1. 長期間の身柄拘束される
  2. 傷害罪が認められると、15年以下の懲役または50万円以下の罰金
  3. 前科がつく可能性がある

 

逮捕から起訴までの期間は最長で23日間です。

この間に適切な弁護活動を受けられたかどうかが、今後の命運を左右します。

 

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DVで逮捕される基準とその罪名

DVで逮捕されるかどうか(逮捕状を請求するかどうか)は、一次的には警察が判断しますので、被害者側では警察に通報して被害届を出すまでを取り敢えず行うことになります。

DVは暴力の一種です。したがって、もし逮捕されるとしたら傷害罪、もしくは暴行罪などが適用されます。

暴力を受けてケガを負わせれば傷害罪

人を殴るなどしてケガを負わせた場合は傷害罪に処される可能性があります。DVの場合、アザの写真や診断書等が被害を立証する際の証拠になります。傷害罪の罰則は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑法204条)です。

【関連記事】

▶『傷害罪の定義と傷害罪で逮捕された後の流れと弁護方法

ケガを負わせなくても暴力を振るえば暴行罪

ケガを負わせた場合に適用される傷害罪に対し、暴力を振るったがケガを負わせなかった場合に適用されるのが暴行罪です。罰則は2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料刑法208条)となります。

【関連記事】

▶『暴行罪とは|成立する構成要件と傷害罪との違い

DVで逮捕された事例

DV関係で逮捕された事例をご紹介します。

DVから殺人に発展した事例

群馬県警太田署は9日、妻の両腕をつかんで倒したなどとして、暴行の疑いで群馬県太田市成塚町、トラック運転手、篠原裕也容疑者(34)を逮捕した。妻の葵さん(35)は8日、搬送先の病院で死亡し、署は暴行との関係を調べる。

 逮捕容疑は6日午後9時~7日午前1時、自宅で葵さんの両腕をつかんで倒すなどの暴行を加えた疑い。

引用元:産経ニュース|妻にDV疑いでトラック運転手の夫を逮捕 妻は搬送先の病院で死亡 

暴力を振るうだけであれば暴行罪や傷害罪などが適用されますが、殺意を持って殺してしまうと殺人罪が適用され、死刑又は無期もしくは5年以上の懲役に処されます(刑法199条)。また、殺意がなくとも被害者が死亡すれば傷害致死罪が適用され、3年以上の有期懲役に処されます(刑法205条)。

暴力を振るっている時は頭に血が上っていて冷静に考えられないものですが、殴ったことが原因で相手が亡くなってしまえば、逮捕や起訴を免れたりするのは難しいでしょう。

傷害の事実の有無が争点となったケース

那覇署地域課に所属する男性巡査長が、元妻に対する傷害の容疑で浦添署に現行犯逮捕されていたことが、9日までに県警関係者への取材で分かった。巡査長は不当逮捕だとして無罪を主張している。巡査長の弁護に当たる金高望弁護士は取材に対し「そもそも傷害の事実がない。名誉回復のためにあらゆる手段を尽くす」と話した。

 捜査関係者によると逮捕容疑は今年5月前半、浦添市内の巡査長の自宅で元妻の顔に足を当て、軽傷を負わせた疑い。元妻が110番通報し、浦添署の警察官が傷害容疑で現行犯逮捕した。巡査長は那覇地検に送検された後に釈放された。地検によると現在は身柄不拘束で捜査を継続しているという。

 金高弁護士によると、巡査長と元妻は同居していた。発生当日、巡査長と元妻の間でトラブルが生じ、自宅を出て行こうとした巡査長に対して元妻が引っ張るなどしたため玄関付近で2人が倒れた。金高弁護士は「倒れた後、元妻の顔に巡査長の足が当たってしまったかもしれないが、故意に当ててはおらず傷害は成立しない」と話した。元妻は駆け付けた警察官に「連れて行かないで」と申し出たという。

引用元:琉球新報|DV容疑 警官逮捕 那覇署勤務、無罪を主張

傷害もしくは暴行の事実がなければDVで罪に問われない、もしくはDV自体が成立しない可能性があります。この例では、「顔に足が当たったのは故意ではない」という主張を弁護士がしています。

元妻も男性が警察に連行されている際に「連れてかないで」と言っています。DV被害者を敵に回さないこと、刑事弁護をしてもらうことが起訴を免れ、前科がつかないようにする上では重要になってきます。

DVで逮捕された後の流れ

では、上記の例のように逮捕をされてしまうとその後はどうなるのでしょうか?以下でお伝えします。

逮捕後の流れ

逮捕されると、まずは警察に身柄を拘束されます。48時間以内に釈放されるか、検察に身柄を引き渡すかが判断されます。この間は弁護士以外の人物との面会はできません。

検察に送検されたら、24時間以内に勾留するか否かの判断がされます。勾留された場合最大20日間身柄を拘束されます。

この間に事件性の有無が判断されるわけですが、証拠が揃うことで起訴される場合があります。

起訴された場合、日本においては99%有罪判決が下り、懲役刑であれば執行猶予か実刑判決が下ります。したがって、逮捕から起訴されるまでに、起訴されないように対策をしていかなければなりません。ただ、逮捕後は身柄を拘束されているため、本人が直接動く訳にはいきません。

具体的にどうすれば良いのかに関しては『DVで逮捕されてしまった場合の対処法』にて後述します。

【参考】

▶『逮捕に関する全て|逮捕の種類と逮捕後の流れと問題点

DVで逮捕されそう、もしくは逮捕されてしまった場合の対処法

ここでは、妻にDVを振るって逮捕されそうだったり、逮捕されてしまったりした人がどのような対処をできるのか、ということをお伝えします。

DVで逮捕されそうな場合の対処法

まず妻に謝り、今後暴力は振るわない

暴力を振るう理由があったのかもしれません。ただ、日本では暴力を振るうと暴行罪、怪我を負わせれば傷害罪が適用されます。どんな理由で暴力を振るったかはあまり関係ありません。逮逮捕されたくないのであれば、今後暴力を振るわないでください

DVで逮捕されてしまった場合の対処法

暴力をふるっていないなら罪を認めない

暴力をふるった事実があるのかないのかで対応は変わります。例えば「でっち上げDV」という可能性もあるので、冤罪で逮捕される人もいるでしょう。ただ、冤罪であっても厳しい取り調べをされる恐れはあります。やっていないことをやったと認める必要はありません。

DVをしたなら反省している姿勢を見せる

暴力をふるった事実があり、なおかつ証拠が揃っているのであれば、言い逃れできる可能性はかなり低いでしょう。この段階まで来てしまえば、ムダな抵抗をするよりも素直に事実を認めて、取り調べに協力した方が良いでしょう。

刑事弁護を依頼する

起訴されて有罪判決が下ったり、前科がついたりするのを避けるのであれば、弁護士に刑事弁護を依頼するべきでしょう。

逮捕される前であれば、奥さんに謝りもう暴力を振るわないよう約束するだけで許してもらえる場合もあるでしょう。ただ、逮捕された後であれば身柄を拘束され自由が効かないため、弁護士に刑事弁護をする以外に、釈放されたり不起訴になったりするために行動を起こす事はできません。

DVの被害者側の対応

旦那さんの暴力に耐えかねて警察に通報したら逮捕されてしまった、という場合もあるでしょう。旦那さんに前科がついてしまえば、会社をクビになったり、再就職が難しくなり家計が苦しくなったりするので、あなたにとっても本意ではないかもしれません。

被害届を出さないもしくは取り下げる

まだ逮捕がされていないのであれば、被害届は出さないでおきましょう。仮に出してしまった場合は取り下げることもできます。

被害届を出して旦那さんが起訴されれば、以前のような生活ができなくなるでしょう。被害届を出す際は、よく考えるようにしてください。

旦那さんが逮捕されるのが嫌だけどDVから逃れたいときは、民間シェルターや母子生活支援施設への一時避難などから検討すると良いでしょう。実家に避難するのでも構いません。

弁護士に相談する

とはいえ、被害届を取り下げたところで起訴されないとは限りません。というのも、暴行罪や傷害罪は親告罪ではないためです。

親告罪の場合であれば、被害者が告訴しない限り加害者が起訴される事はありません。しかし、暴行罪や傷害罪は非親告罪のため、起訴するかどうかの最終的判断は検察官に委ねられます。

被害届を取り下げたり、嘆願書を書き情状酌量を訴えたりするといった対策はできますが、不起訴になる確実性を高めたいのであれば、弁護士に刑事弁護の依頼をすることになります。

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まとめ

DVで逮捕される場合は、傷害罪や暴行罪などが適用されます。

逮捕されると長期間身柄を拘束されるので、刑を軽くしたり不起訴になるために働きかけたりするためには、弁護士に刑事弁護を依頼しましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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