不同意性交罪は未遂でも処罰される?加害者が知るべきリスクと弁護士に相談すべき理由
- 「性行為に至らなかった場合でも、何らかの罪に問われるの?」
- 「どの時点で未遂と判断されるの?」
性行為には至らなかったものの、異性に対して強引に性行為をおこなおうとしてしまい、このような不安を抱えていませんか?
実は、性行為を完遂していない場合でも、「不同意性交等罪の未遂」が成立する可能性があり、刑事処分を受けるリスクが生じます。
そのため、もしも同意を得ずに性行為に及ぼうとしてしまったことがある場合は、適切な対処を検討しなければなりません。
本記事では、不同意性交等罪の未遂が成立するケースや法定刑の決まり方、既遂と未遂の判断基準についてわかりやすく解説するとともに、弁護士に相談するメリットについても紹介します。
早期に弁護士に相談して、示談交渉や捜査機関への対応を依頼するなどの対応を取ってもらえば、刑事処分を受けるリスクは軽減できます。
ぜひ本記事を参考に、自分の身を守るための行動に移してください。
不同意性交等未遂罪とは?処罰の対象になる?
そもそも犯罪の「未遂」とは、犯罪の実行に着手したものの、結果が発生しなかった状態を指します。
刑法では、原則として既遂のみを処罰対象としていますが、各犯罪の条文で未遂罪に関する規定があれば、未遂も処罰対象です。
実際、不同意性交等罪については、刑法第180条に「〜未遂は、罰する。」と明記されているため、未遂行為も処罰対象となります。
(不同意性交等)
第百七十七条 前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
中略
(未遂罪)
第百八十条 第百七十六条、第百七十七条及び前条の罪の未遂は、罰する。
引用元:刑法 | e-Gov 法令検索
不同意性交等未遂罪で有罪になった場合の法定刑の決まり方
不同意性交等罪の未遂であっても、法定刑は既遂の場合と同じく「5年以上20年以下の有期拘禁刑」です。
ただし、未遂であることを理由に刑法第43条の「未遂減軽」が適用されたり、場合によっては刑罰が免除されたりする可能性があります。
未遂減軽が認められると、刑の長期・短期がそれぞれ2分の1に減じられます。
そのため、不同意性交等罪に未遂減軽が適用された場合の刑罰の範囲は「2年6ヵ月以上10年以下の有期拘禁刑」になり、この範囲内で裁判官が刑を決定します。
また、刑罰が免除されると処罰自体が科されません。
なお、未遂罪には「中止未遂」と「障害未遂」の2種類があり、どちらに該当するかで刑罰の決まり方が異なります。
以下、それぞれ詳しく解説します。
1.中止未遂の場合|基本的には減刑または免除される
中止未遂とは、犯罪の実行に着手したものの、加害者の意思や判断により犯罪を遂げなかった場合を指します。
たとえば、性交のために被害者に暴行をしたものの、加害者が途中で思いとどまり行為を中止したケースです。
中止未遂と認められれば、基本的に刑罰が減軽または免除されます。
2.障害未遂の場合|裁判官の裁量によって減刑される
障害未遂とは、犯罪の実行に着手したものの、外部的要因などにより犯罪を遂げられなかった場合を指します。
たとえば、性交のために被害者に暴行をしたものの、第三者に目撃されたので行為を中止したケースです。
障害未遂と認められれば、刑罰は裁判官の裁量によって減軽される可能性があります。
不同意性交等罪が未遂になるか既遂になるかの判断基準
不同意性交等が「未遂」と評価されるか「既遂」と評価されるかによって、その後の手続きや刑罰の重さが大きく変わります。
そこで、未遂と既遂との境界線について整理しておきましょう。
1.被害者を同意できない状態にさせた場合|未遂罪になる
未遂とは、犯罪の実行に着手したものの、最終的に目的を達成しなかった場合を指します。
不同意性交等罪では、「被害者を同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせたものの、性交等に至らなかった場合」に未遂と判断されます。
- 性行等をする意図で被害者を酔いつぶしてタクシーでホテルに連れ込んだが、被害者が途中で逃走した
- 被害者を脅迫して性交をしようとしたが、被害者が大声を出して周囲に助けを求めたので、犯人が逃走した
- 共犯者と協力して被害者を押さえつけたものの、被害者が隙をついて逃走した
2.被害者に対して性的行為をおこなった場合|既遂罪になる
既遂とは、犯罪の構成要件が全て満たされ、結果として犯罪が完成した状態をいいます。
不同意性交等罪では、性交の完遂までは不要で、「性交等が開始された時点」で既遂と判断されます。
- 泥酔して動けない女性に対して、性器の一部を挿入した
- 意識のない被害者に覆いかぶさり、強引に性交をおこなった
- 共犯者と協力して被害者を押さえつけ、抵抗できない状態にして性交をおこなった
不同意性交等未遂罪について弁護士に相談するメリット
不同意性交等未遂罪の容疑で逮捕され、勾留・起訴といった刑事手続きが進めば進むほど、社会的な不利益は大きくなってしまいます。
そのため、不同意性交等未遂罪に該当する行為をおこなってしまった場合には、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。
弁護士に相談することで得られるメリットは、主に以下の4つです。
- 被害者との示談交渉をしてくれる
- 捜査機関に対して働きかけをしてくれる
- 取り調べに関するサポートをしてくれる
- 未遂を証明できる証拠などを集めてくれる
ここから、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
1.被害者との示談交渉をしてくれる
弁護士に相談・依頼すると、加害者の代理人として円滑な示談成立を目指すことが可能です。
不同意性交等未遂罪に関わらず、検察官が事件を起訴するかどうか判断するにあたっては、被害者の処罰感情が大きな要素となります。
もし被害者が「処罰を望まない」という意思を示せば、逮捕や勾留が避けられたり、不起訴処分となったりする可能性が高まります。
その点、示談が成立していれば、被害者の被害感情が一定程度緩和されていると評価され、量刑や処分の判断にあたって有利に働く可能性があるのです。
ただし、被疑者本人や家族が被害者に直接連絡を取ると、脅迫や口止めと誤解される危険があり、逆効果となりかねません。
そのため、弁護士を通じて交渉を進めることが重要です。
弁護士は、捜査機関を通じて示談の意向を伝え、冷静かつ法的に妥当な方法で交渉をおこないながら、適切な示談内容を相手に提案してくれます。
2.捜査機関に対して働きかけをしてくれる
弁護士は、捜査機関に対して適切に働きかけ、身柄拘束の不利益を最小限に抑える役割も果たします。
不同意性交等未遂罪で逮捕されると、最長72時間の身体拘束を受けることになります。
そのあと、検察官による勾留請求が裁判所に認められるとさらに10日間、延長を含めればさらに10日間の拘束を受ける可能性もあります。
この間は学校や職場に行けないので、社会的信用を失うリスクが高まるでしょう。
その点、弁護士は示談の成立状況や被疑者の生活状況を示す資料を提出し、「被疑者を勾留する必要がない」と検察官に訴えるなどして、勾留を阻止するために尽力します。
万が一勾留された場合でも、「準抗告」や「勾留取消請求」といった法的手続きにより、早期の身柄解放を目指してくれるでしょう。
3.取り調べに関するサポートをしてくれる
弁護士は、取り調べで不利な供述をしないよう、具体的なアドバイスを提供することが可能です。
不同意性交等未遂罪で逮捕されると、警察や検察による取り調べが始まります。
取り調べでの供述は調書にまとめられ、裁判で証拠として使用されるため、発言内容が事件の行方に直結します。
しかし、不安や混乱の中で取り調べを受けると、事実と異なることを認めたり、不利な発言をしてしまうおそれがあるでしょう。
その点、弁護士は接見の際に「答える義務のない質問への対応方法」や「誤解を招かない表現」などを具体的にアドバイスしてくれます。
なお、逮捕直後に接見できるのは弁護士だけで、家族であっても面会できません。
そのため、弁護士がいることで大きな安心材料にもなるでしょう。
4.未遂を証明できる証拠などを集めてくれる
弁護士は、性交が完遂されなかったことを立証するために、未遂を裏付ける証拠を収集し、刑の軽減を目指すことが可能です。
不同意性交等罪の既遂であれば、基本的に5年以上の有期拘禁刑が科されますが、未遂である場合は減軽の余地があります。
そのため、弁護士は、不同意性交等罪の有無や程度を裏付けるために収集された以下のような客観的証拠をくまなく調査し、性交が完遂されなかったことを立証します。
- 防犯カメラやドライブレコーダーの映像記録
- ボイスレコーダーやスマートフォンアプリの録音データ
- DNA鑑定結果(精液、唾液、爪痕、血痕など)
- 医師の診断書
- 目撃者や知人の証言
- 被害者・加害者間のやりとり(メール、LINE、通話記録など)
どの証拠が有効かは事案ごとに異なりますが、弁護士であれば証拠を適切に整理して提出し、「性交は完遂されていなかった」という事実を効果的に立証してくれます。
さいごに|不同意性交等罪は未遂であっても処罰される可能性はある!
本記事では、不同意性交等罪の成立要件や法定刑の決まり方についてわかりやすく解説しました。
性交には至らなかったとしても、暴行や脅迫をおこなった時点で不同意性交等罪の未遂として処罰される可能性があります。
不同意性行等罪については文言が不明確なことも多く予測できない形での運用があるうえに、実態として美人局のようなパターンで利用されているケースもあるにもかかわらず、逮捕・勾留という身体拘束につながる、あるいは刑務所に行くという流れも生じうるので、一個人の対応では困難を極めます。
未遂であれば既遂よりも刑が軽くなることが多いものの、逮捕や勾留によって日常生活や社会的立場に大きな影響を及ぼすリスクは避けられません。
そのため、不同意性交等未遂の疑いをかけられた場合には、できるだけ早期に弁護士へ相談することが重要です。
弁護士は、示談交渉や捜査機関への働きかけ、取り調べへの対応に関するアドバイス、未遂を立証する証拠収集といった弁護活動をおこない、依頼者のために尽力してくれます。
もし不同意性交等罪の容疑をかけられてお困りであれば、刑事事件を得意とする弁護士が多数登録されている「ベンナビ刑事事件」を活用するのがおすすめです。
ベンナビ刑事事件を活用すれば、相談内容やお住まいの地域に応じて、自分に合った弁護士を探せます。
不安を抱え込まず、早めに弁護士へ相談して適切な対応を進めましょう。
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