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準強制わいせつ罪とは|不起訴処分を目指して弁護士に依頼すべき理由
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準強制わいせつ罪とは|不起訴処分を目指して弁護士に依頼すべき理由

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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準強制わいせつ罪(じゅんきょうせいわいせつざい)とは、他人が心神喪失・抗拒不能状態にあることに乗じたり、または、故意に心神喪失・抗拒不能状態にさせたりして、わいせつな行為をした際に問われる罪です。準強制わいせつ罪に問われたときには、6ヶ月以上10年以下の懲役刑に処される可能性があります。

(準強制わいせつ及び準強制性交等)

第百七十八条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。

2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

 引用:刑法178条

もし、自分やご家族が準強制わいせつの容疑で逮捕されてしまった場合、最長でも23日以内に起訴・不起訴が判断されます。日本の刑事司法では、起訴された被告人のうち99.9%が有罪判決を受け、前科付きとなっています。

 

そのため、実際に起訴された場合、たとえ罪を否定していても、無罪判決を回避することは至難です。もしも前科を避けたいという場合には、早急に弁護士を手配し、適切なサポートを受けることが必要でしょう。

 

この記事では、準強制わいせつ罪がどのような罪なのか、逮捕されたらどう対応するべきかなどについてご説明します。

 

 

準強制わいせつ罪とは

準強制わいせつ罪とは、他人が心神喪失・抗拒不能状態にあることに乗じたり、または、他人を故意に心神喪失・抗拒不能状態にさせたりして、わいせつな行為をした際に問われる罪です。

 

ここでは、準強制わいせつ罪がどのような罪なのか見ていきましょう。

『心神喪失』『抗拒不能』とは

裁判所では、心神喪失状態にある人を以下のように定義づけています。

 

精神病や薬物中毒などによる精神障害のために,自分のしていることが善いことか悪いことかを判断したり,その能力に従って行動する能力のない人

引用:裁判所

 

また、抗拒不能状態とは、泥酔している人や薬物の影響で意識がもうろうとしている状態を意味します。

 

このような心神喪失や抗拒不能の状態にある相手に対してわいせつ行為をすると、準強制わいせつ罪が成立します。

 

また、抗拒不能状態は過去の裁判では以下のように定義されています。

 

心神喪失以外の意味において社会一般の常識に照らし,当該具体的事情の下で身体的または心理的に反抗の不能または著しく困難と認められる状態

引用:法務省|準強姦罪・準強制わいせつ罪における抗拒不能に関する裁判例

 

抗拒不能状態での準強制わいせつ罪にあたる行為の例として、医師や看護師が麻酔中の患者にわいせつな行為をするような場合が挙げられます。患者が麻酔の影響で意識がなかったり、意識がもうろうとしている状態で、何かしらわいせつな行為に及んだような場合は、準強制わいせつ罪が成立します。
 

また、特殊なケースではありますが、医師が診察と称してわいせつな行為をするような場合でも、わいせつ行為を診察行為と誤信したことをもって抗拒不能状態と評価されて、準強制わいせつ罪が成立することもあります。

強制わいせつ罪、強制性交等罪、準強制性交等罪との違いは?

強制わいせつ罪との違い

強制わいせつ罪は、相手が心神喪失や抗拒不能状態にあるかどうかに関わらず、暴力や脅迫を用いて相手の反抗を困難にしてわいせつな行為をした際に問われる罪です。強制わいせつ罪で有罪判決を受けた場合、6ヶ月以上10年以下の懲役刑に処される可能性があります。

 

(強制わいせつ)

第百七十六条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

引用:刑法176条

 

強制わいせつ罪に該当する行為として、殴って押さえつけたり、「静かにしないと痛い目にあわすぞ」などと脅迫したりしながら、わいせつな行為に及ぶことがあげられます。

 

また、13歳未満の場合は、暴行や脅迫が要求されません。そのため、たとえ相手の合意があった上でわいせつな行為に及んだとしても、13歳未満については強制わいせつ罪に問われます。

 

【おすすめ記事】

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強制性交等罪との違い

強制性交等罪は、相手が心神喪失や抗拒不能状態にあるかどうかに関わらず、暴力や脅迫を用いて相手の反抗を困難にして性交・口腔性交・肛門性交をした際に問われる罪です。強制性交等罪で有罪判決を受けた場合、5年以上の有期懲役に処される可能性があります。

 

強制性交等罪も強制わいせつ罪と同様に、被害者が13歳未満の場合には暴行や脅迫が要求されませんので、たとえ相手の合意があったとしても罪に問われます。

 

(強制性交等)

第百七十七条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

引用:刑法177条

 

【おすすめ記事】

強制性交等罪とは|構成要件と強姦罪から改正されたポイント

 

準強制性交等罪とは?

準強制性交等罪とは、相手の心神喪失や抗拒不能状態に乗じるか、心神喪失や抗拒不能状態にさせた上で、性交・口腔性交・肛門性交に及んだ場合に問われる罪です。

 

(準強制わいせつ及び準強制性交等)

第百七十八条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。

2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による

(引用:総合政府の総合窓口 e-Gov)

 

準強制わいせつ罪でよくある疑問

合意があったのに、酔いが覚めた後に訴えられたら?

準強制わいせつ罪の難しいところは、相手がアルコールの作用で判断能力を欠いているかどうかわかりにくい場合があるという点です。例えば、わいせつ行為をしている時点で相手の合意があると思われたとしても、後日酔いが冷めたときに「合意などしていない」と主張される可能性があります。

 

このような場合、結局は、行為時に相手が抗拒不能の状態であったのかどうか、相手の真摯な同意があったのかどうかが問題となります。相手が抗拒不能であり同意できる状態でないということであれば、準強制わいせつ罪が成立しますし、相手が抗拒不能の状態ではなく同意があった可能性があるということであれば準強制わいせつ罪として起訴されない可能性もあります。

 

結局は、行為に至るまでの両者の関係や行為に至る経緯などを、証拠により認定しながら判断していくほかありません。そのため、例えば、被害者とのメッセージのやり取りから普段から好意を示しあっている関係にあったとか、行為後も特に嫌悪感を示していないなどの事情が読み取れれば、準強制わいせつ罪の成立を否定する証拠として有用かもしれません。

 

部下へのセクシャルハラスメントは準強制わいせつ罪になる?

上司・部下は単なる職場の人間関係に過ぎませんので、通常はセクシャルハラスメントが準強制わいせつ罪と評価される可能性は低いといえます。

 

しかし、部下が上司に対して絶対服従であるような極めて異常な状態に置かれているような場合であれば、部下による抵抗は心理的に不可能であったとしてセクシャルハラスメントについて準強制わいせつ罪として立件されることは、理論上はあり得ます。

 

ただ、あくまで理論上の問題であり、このようなケースは極めて特殊といえますので、一般的には考えにくいでしょう。

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準強制わいせつ罪の裁判例

1:飲酒で酩酊状態にし、わいせつ行為

判決:懲役1年8ヶ月、訴訟費用は被告人負担

<概要>

被告人が当時20歳のAさんを飲酒酩酊の抗拒不能状態にあることに乗じ、ホテルに連れていき、ショートパンツ及び下着を脱がせたうえ、陰部を舐め、膣内に手指を挿入した。

 

<詳細>

被告人は海上自衛官准海尉であり、Aさんは自衛官候補生である。

 

Aさんは被告人と居酒屋に来店していた。Aさんは夜に居酒屋で酔いながら、友達にLINEで友人のBさんに対して、「よいやばめ」などのメッセージを送り、迎えに来てほしい旨を送信していた。

 

その後、両者は居酒屋を出る。被告人が「少し休んでいかないか」とAに声をかけたところ、Aは頷き承諾。そして、両者はホテルに入ったものの、1時間程度経過したところでAがホテルから出ていく。その後を追いかけるように被告人もホテルから出現し、しばらく歩いた後、Aは被告人の連れ添いを拒否し、被告人はホテルに帰って行った。

 

裁判年月日 平成30年 8月28日 裁判所名 横浜地裁横須賀支部 裁判区分 判決

事件番号 平29(わ)112号

事件名 準強制わいせつ被告事件

(参考:文献番号 2018WLJPCA08286002)

 

2:医師の立場を利用し、わいせつ行為

判決:懲役2年、未決勾留日数中170日をその刑に算入する

 

被告人は精神科医で、Bさんはその患者である。

 

入院していたBさんは早期退院を望み、担当医である被告人にLINEを用いて、その旨を連絡。それに

対する被告人の返信は以下のようなものだった。

 

「今夜診察した方がよければ,それが早期退院につながるかもですね。」「今夜どうしても自分と会って,どんな診察になっても最短で退院になるのを望むしか無いでしょうね」「産婦人科の検査をやらないと退院できない。」

(一部抜粋)

 

Bさんは産婦人科の検査をすることやどんな診察になってもなどの表現に疑問を持ち、どんな検査をするのかを被告人に聞いた。しかし、被告人はBさんが理解できるような返信はしなかった。

 

結果、どうしてもその日中に退院したいBさんは被告人による診療を承諾し、午前0時20分ごろから診察を開始する。その診察にて、被告人は「ズボンを脱いで。」「パンツも脱いで。」などと言い、あたかも早期退院に必要な行為であるかのようにBさんに伝え、抗拒不能の状態に陥らせた。

 

そして、被告人はBさんの膣内に手指を挿入したり、乳房を舐めるなどして、Bさんの抗拒不能状態に乗じてわいせつな行為に及んだ。

 

裁判年月日 平成29年12月 4日 裁判所名 長野地裁 裁判区分 判決

事件番号 平28(わ)162号

事件名 準強制わいせつ被告事件

裁判結果 有罪(懲役2年(求刑 懲役3年)) 

(参考:文献番号 2017WLJPCA12046002)

 

準強制わいせつ罪で逮捕されたら早急に弁護士を呼ぶべき理由

逮捕されてから起訴されるまでの期間は、最大でも23日しかありません。

 

日本では起訴されると99.9%有罪になるといわれており、たとえ罪を否定していても起訴されてしまえば無罪判決を受けられるかどうかは非常に不透明です。そのため、確実に実刑や前科を回避するということであれば、逮捕後23日以内に不起訴処分を得るという方法を優先的に検討することになります。

 

以下では、弁護士に依頼するべき理由をお伝えします。

接見時に取り調べへの対応方法を教えてくれるから

取り調べを受ける際は、首尾一貫した供述が重要です。万が一、弁護士に取り調べへの対応方法を聞かずに臨んでしまうと、自分の意図するところと異なる供述調書を取られてしまうなどして、自分の立場を悪くしてしまうことがあります。

 

弁護士に相談しておけば、取り調べにおける心構えや、何をどう話せばよいかを教えてもらえます。不用意な供述が原因で、不起訴が起訴に変わったり、起訴内容が過剰に重くなったりすることを防げるでしょう。

被害者との示談を進めてくれるから

不起訴を得る上では、示談が成立していることが重要です。

 

弁護士に示談交渉の代理をしてもらうことで、限られた時間のなかで被害者感情に配慮しながら、示談を成立させられます。

 

示談を弁護士に相談するメリットについて詳しく知りたい方は、『刑事事件の示談を弁護士に依頼するメリット|選び方や費用相場も解説』もあわせてご覧ください。

 

まとめ

心神喪失もしくは抗拒不能な相手に対してわいせつ行為をすると、準強制わいせつ罪に問われる可能性があります。

 

起訴され有罪判決が下されれば、前科がつくことになります。

 

前科がつくとさまざまな社会的制約が生じます。「合意があったから性行為をしたのに…。」「今はすごく反省している…でも、してしまったから懲役は仕方ないのかな…。」このように、主張したいことがあったり、反省していたりするなら、その旨を弁護士に話してみてください。場合によっては、不起訴処分を目指すことも可能になるかもしれません。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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