もしもご家族や身近な方が逮捕されてしまったのであればすぐに弁護士に相談することをおすすめします。
刑事事件ではスピードが重要になってきます。【ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)】では、刑事事件が得意な弁護士を掲載。
初回面談無料の事務所も多いので、まずはお住いの地域から弁護士を探してみて相談してみることをおすすめします。
公務執行妨害(こうむしっこうぼうがい)は、公務員の職務を妨害することで成立する罪です。
イメージしやすい内容が警察官に対する暴行などでしょうが、今回は公務執行妨害で逮捕されてしまった場合のその後の流れや対処法について解説していきます。
刑事事件はスピードが命です!
もしもご家族や身近な方が逮捕されてしまったのであればすぐに弁護士に相談することをおすすめします。
刑事事件ではスピードが重要になってきます。【ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)】では、刑事事件が得意な弁護士を掲載。
初回面談無料の事務所も多いので、まずはお住いの地域から弁護士を探してみて相談してみることをおすすめします。
それでは、早速どのような場合に公務執行妨害として逮捕されてしまうのでしょうか。まずは、簡単に公務執行妨害の定義について知っておきましょう。
公務執行妨害罪とは、刑法95条の1項にこう記載されています。
公務員が職務を執行するに当たり,これに対して暴行又は脅迫を加えた者
と、あります。公務員とは、ご存知の通り役所の職員や警察官などですが、この公務員に対して暴行や脅迫などを用いて妨害した際に成立する犯罪です。具体的な例は以下をご覧ください。
端的いうと、公務員の業務を妨害する行為が公務執行妨害になります。
また、公務執行妨害には暴行や脅迫が用いられることで成立します。ですので、警察の捜査を邪魔してやろうと嘘の証言をしても、公務執行妨害にはならず偽証罪などに問われてくるでしょう。
例えば、相手が公務員であっても、公務員の休暇中に暴行や脅迫などを行なったのであれば、公務執行妨害にはならず、その公務員に対する暴行罪や脅迫罪などが問われてきます。
これらの職員が全てではありませんが、一般的に関わりのある公務員の種類としては以上の種類があります。公務執行妨害と言うと、警察官をイメージしますが、公務員の業務を妨害するような行為があれば、公務執行妨害が成立する可能性があります。
また、教員や保育士などは公務員ではなく民間企業で働く方もいますが、その場合は公務員ではないので公務執行妨害にはならず、暴行罪や傷害罪・脅迫罪など他の罪に該当してきます。
例えば、警察官Aを殴ったとして公務執行妨害が成立したとすると、被害者はこの警察官Aだと思う方が多いでしょう。しかし、公務執行妨害の場合、被害者は公務執行妨害で公務員の公務を侵害された「国」になってくるのです。
これが他の個別の被害者がいる犯罪とどのように違うかと言うと、「示談ができない」と言うことです。被害者が国であれば示談交渉はできませんね。一方で、相手が公務員であっても公務以外の時に暴行などを加えると、被害者はその公務員個人になり、公務執行妨害罪ではなく暴行罪となってきます。
公務執行妨害の罰則の重さは
【3年以下の懲役または禁錮/50万円以下の罰金】
となります。懲役刑もあるなかなか罪の重い犯罪とされています。実際に公務執行妨害で逮捕されてしまったら、どのような罰則を受ける傾向が多いのかは下記で詳しくご説明します。
公務執行妨害は観念的競合になりやすくなっています。観念的競合とは、簡単に言うと一つの行為で2つ以上の犯罪行為をすることです。公務執行妨害の場合、警察を殴る(暴行罪)などの行為で公務執行妨害(公務執行妨害罪)をする罪です。
観念的競合の場合、複数の犯罪の中で一番重い罰則のみを受けることになります。ですので、例えば、警察をケガさせて(傷害罪)、公務執行妨害(公務執行妨害罪)を行なったのであれば、傷害罪の方が罪が重いので、傷害容疑として捜査が進められていきます。
このように公務執行妨害罪では、他の犯罪が関連することが多いので、公務執行妨害に関わってきやすい犯罪とその量刑をご紹介します。上記の通り、観念的競合になることも多いので、公務執行妨害罪(3年以下の懲役または禁錮/50万円以下の罰金)より重いようでしたら、そちらの罪で捜査が進められていく可能性は高いでしょう。
ご存知の通り、相手を殴る蹴る突飛ばすなどの行為は暴行罪に該当します。暴行罪の罰則は【2年以下の懲役/30万円以下の罰金/拘留/科料】となり、公務執行妨害罪よりも刑罰は軽いです。
ですので、職務質問中に警察を突飛ばすなどの行為をしてしまえば、公務執行妨害罪として逮捕され、捜査が進められる可能性が高くなります。
暴行の末、相手にケガを負わせてしまうと、傷害罪に該当します。傷害罪の罰則は【15年以下の懲役/50万円以下の罰金】となっており、公務執行妨害罪よりも重い罰則が用意しています。
上記の例で、職務質問中に警察を突飛ばし、警察官がケガをしてしまったのであれば、公務執行妨害罪で逮捕されるかもしれませんが、傷害罪で捜査が進められ罰則を受けることになってくるでしょう。
器物損壊罪は他人の所有物を故意に損壊させることで成り立つ罪です。罰則は【3年以下の懲役/30万円以下の罰金/科料】となっています。公務執行妨害罪が罰金刑の重さが重いため、公務執行妨害に器物破損が関連していたら、公務執行妨害罪で逮捕される可能性が高いです。
例えば、「パトカーを蹴り飛ばして壊す」「役所に怒鳴り込んで来て備品を壊して帰る」など、考えられるパターンは様々です。器物破損の結果に公務員の公務が妨害されたのであれば、公務執行妨害罪です。
脅迫罪とは、相手を脅して恐怖を与える罪です。罰則は【2年以下の懲役/30万円の罰金】と、公務執行妨害罪よりも軽いものになります。脅迫罪と公務執行妨害が観念的競合だった場合、公務執行妨害罪で捜査が進められて行くでしょう。
公務執行妨害と脅迫罪の関連が考えられることは、「○○に爆弾を仕掛けた」などの脅迫電話・ネットへの書き込みです。この脅迫の結果、警察や消防隊が出動したのであれば、公務を妨害していることになりますので公務執行妨害罪も考えられてきます。
騒乱罪は群衆として集まり、暴行や脅迫などを行なう罪です。いわゆる過激なデモを言いますが、罪の重さは参加者(不和随行者)で【10万円以下の罰金】、首謀者【1年以上10年以下の懲役/禁錮】、指揮者等【6カ月以上7カ月以下の懲役/禁錮】となります。
単なる参加者はそこまで罪も重くないので、騒乱に参加したからと言って直ちに公務執行妨害罪で逮捕される可能性は低いでしょう。ただ、個別に警察官や自衛官に暴行や脅迫などをしてしまうと、公務執行妨害罪も考えられます。
証拠隠滅罪とは、刑事捜査に必要な証拠を隠したり壊したりする罪です。罰則は【2年以下の懲役/20万円以下の懲役】です。公務執行妨害罪の量刑よりも軽くなっています。
ただ、上記でお伝えしたように、公務執行妨害は暴行や脅迫を利用していることで成立しますので、ただ単に捜査の邪魔をしようと証拠を隠しただけでは公務執行妨害にはなりません。「公務員が持っている証拠を奪い取って壊した」ような場合、公務執行妨害罪も考えられてきます。
それでは、実際に公務執行妨害罪で逮捕されてしまったらどのような刑事手続きの流れになっていくのでしょうか。こちらでは公務執行妨害罪で逮捕されてしまった後の流れと、捜査の傾向について解説していきます。全体的な逮捕後の流れについては「刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応」をご覧ください。
公務執行妨害と言うと、「警察官と口論になり手を出してしまった」とういうよな、暴行によるものが多くなっています。そのように一時的に感情的になっての暴行であれば、本人がきちんと反省して、証拠隠滅・逃亡などの恐れもないようでしたら微罪処分として数日で身柄解放されることも多くなっています。
警察からの捜査の後は、検察に身柄を移されますが、被疑者に逃亡の恐れがあったり、捜査がさらに必要になってくると、被疑者は勾留されます。この勾留期間は最大23日間ですが、公務執行妨害では、勾留期間が短い傾向にあります。理由としては、上記でお伝えした被害者が国になり捜査もその分短く済むからです。
逮捕後最大23日以内に被疑者は、起訴・不起訴の処分を受けますが、公務執行妨害では起訴不起訴の割合はおおよそ半々です。被疑者に前科もなく、悪質でもなく、きちんと反省しているようでしたら、不起訴処分も多くなっています。
また、公務執行妨害では、起訴されると言っても略式起訴になることも多いです。略式起訴とは、罰則は受けますが(主に罰金刑)、身柄は解放されて書面にて処罰の命令を受けることです。
また、公務執行妨害で懲役刑を受けたとしても、直ちに刑務所に入所させられる実刑判決ではなくて、執行猶予処分になることが多くなっています。ただ、被告人の犯罪歴が多かったり、今回の事件内容が悪質であれば実刑判決もあり得ます。
もしも公務執行妨害で逮捕されてしまったら、いち早く弁護士に相談しましょう。相談料無料の事務所も多いので、以下のリンクから弁護士を探して相談してみましょう。 |
それでは、これらを踏まえてもし、公務執行妨害で逮捕されてしまったのであれば、どのような対処法を取っていくのかを解説していきます。
まず、前提として頭に置いていて欲しいことが、公務執行妨害では示談交渉が原則的にできません。理由として被害者は国になり、特定の被害者ではないからです。仮に他の罪名で被害者が公務員になったとしても、その公務員(特に警察官)が示談に応じる可能性は低いと言えます。
刑事事件での弁護活動は、真っ先に示談交渉が浮かぶかもしれませんが、このように公務執行妨害では示談ができません。
上記でもお伝えしたように、公務執行妨害でそこまで大きな問題でない限り(公務員がケガをしたり、凶器を利用するなど)、加害者本人がきちんと反省していて、前科が無いようでしたら早期釈放も十分に見込めます。
特に大事になってくることなのでこちらはきちんと覚えておきましょう。一方で、「相手が○○してきたから」「そんな事はやっていない」などと、言い逃れをしたり、罪を認めないようでしたら、逆に拘束期間も長引きますので、今後取り調べなどでどのような態度を取るべきかは弁護士に相談してみることが一番です。
そうはいっても、なかなか弁護士なんか敷居が高いと思っている方も多いでしょう。しかし、実は逮捕されたのであれば、一度は必ず弁護士に相談できる「当番弁護士制度」と言うものがあります。
呼び方は簡単ですし、どんな状況であれ1回目は費用も掛かりませんので、まずは「当番弁護士に相談する」と言うことも忘れないようにしておきましょう。当番弁護士については以下のコラムをご覧ください。
ただ、当番弁護士は一度の面会は無料ですが、それだけでは十分な効果が無いケースがあります。上記のように、前科があったり、犯行内容が悪質、被害が大きくて長期拘束懲役刑を受けてしまいそうな場合です。
その場合、費用は発生してしまいますが、十分な弁護活動が期待できる私選弁護士も考えてみて下さい。刑事事件が得意な私選弁護士に依頼することで、刑の軽減や早期釈放などの結果になってくる可能性が高まります。
刑事事件が得意な私選弁護士に依頼することで、刑の軽減や早期釈放などの結果になってくる可能性が高まります。以下のリンクから弁護士を探して相談することができます。 |
いかがでしょうか。公務執行妨害とは、公務員に対して公務を妨害する行為です。つい感情的になって罪を犯してしまうケースも多いのですが、そのあとにきちんと反省することが大事です。
あとは、適した人物に相談することで、今後の捜査の力にもなってくれるでしょうし、精神的支えにもなってくれます。公務執行妨害の逮捕でお困りでしたら、お近くの弁護士から相談してみて下さい。
【年間相談件数1000件以上】【24時間・365日予約対応可能】刑事事件の実績豊富な弁護士がサポート◆性犯罪(盗撮・不同意わいせつなど)で逮捕されたらすぐにお問い合わせを!【即日接見・オンライン対応可】
事務所詳細を見る【立川駅近く】不同意わいせつ・盗撮・暴行・窃盗・万引き等で警察の取り調べを受けた方・捜査されている方へ|元検事率いる刑事弁護チームが迅速サポート!今後の人生を守るため、すぐにご連絡を【バレずに解決】
事務所詳細を見る【性犯罪をしてしまった『加害者案件』のみお受けしております!】来所不要で依頼可能◎『家族が逮捕された』『在宅で捜査されている』方は、当事務所へお問い合わせを!弁護士がチームで対応◎【示談成立・早期釈放など実績豊富】
事務所詳細を見る罪を犯してしまったものの、証拠がないから大丈夫だろうと安心している方もいるかもしれません。本記事では、警察がどのような状況で動くのか、証拠の種類や重...
本記事では、YouTube違法アップロードに関する逮捕事例などを交えながら、問われる罪や視聴者側の対処法などを解説します。
いじめは犯罪だと聞いたことがあるかもしれません。自分の子どもが逮捕されてしまうのか、犯罪者になってしまうのか、と不安に感じる方もいるでしょう。本記事...
ついつい感情的になり、他人の物を壊してしまったあとで、防犯カメラに撮られていたのではないかと不安に感じている方もいるのではないでしょうか。本記事では...
給付金の不正受給をしてしまったら、返還方法を含めて弁護士に相談しましょう。無料相談できる窓口もたくさんあります。不正受給は発覚すれば詐欺罪に問われる...
脅迫事件を含む刑事事件では逮捕・勾留、起訴までの時間が限られているため、できる限り早く弁護士に相談するのが重要です。そこで、弁護士を選ぶ際のポイント...
迷惑防止条例違反の初犯の量刑はどのくらいなのでしょうか。不起訴?罰金?もしかして懲役?と不安に感じているのではないでしょうか。この記事では、迷惑防止...
一見軽微な犯罪と思われる器物損壊罪は弁護士に相談する必要がある?実は、損壊した部分や内容によっては別の犯罪に該当することも。この記事では、弁護士に相...
たとえ初犯であっても、恐喝で逮捕された場合は重い刑事罰が科せられる可能性があります。この記事では、恐喝の初犯で逮捕された場合、どれほどの量刑が科せら...
脅迫の初犯で逮捕された場合、どれほどの量刑が科せられるのでしょうか。場合によっては懲役刑となる可能性もあるため、家族や知人などは早期の対応が大切と言...
違法ダウンロード(いほうだうんろーど)とは、インターネット上に違法にアップロードされたコンテンツ(画像や動画等)をダウンロードする行為のことです。こ...
迷惑電話や執拗なクレームは、威力業務妨害に問われる危険があります。自分では正当な理由があると思っていても、刑罰が科せられる可能性があります。この記事...
脅迫罪とは被害者に害悪の告知をする犯罪で、【2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金】の法定刑が定められています。脅迫に聞こえるような脅し文句や言葉...
本記事では、名誉毀損が成立する条件、名誉毀損が成立する具体例、トラブルに発展した時の対処法について解説します。
映画や小説などのフィクションでよく見るサイコパスは、現実に存在します。この記事では、犯罪心理学者にサイコパスの特徴や、その基準を伺いました。イメージ...
住居侵入罪(いわゆる不要侵入)は、正当な理由もなく他人の住居に侵入した際に成立する犯罪です。この記事では、住居侵入罪で逮捕された場合の逮捕後の流れや...
死刑になる犯罪は全部で18種類あり、殺人罪などのイメージしやすいものから、海賊行為を規定したイメージしにくいものまで多くあります。裁判で死刑が下され...
公文書偽造(こうぶんしょぎぞう)とは、国や地方公共団体などの機関や公務員が作成する公文書を偽造・変造する犯罪です。【法定刑は1年以上10年以下】と意...
不法投棄(ふほうとうき)とは、法律(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に反して決められた処分場以外に、廃棄物を投棄することです。
護身目的でもナイフなどを携帯できないことをご存知ですか?この記事では銃刀法違反で逮捕されかねないケースと銃刀法違反の罰則、逮捕されてしまったときにと...
映画や小説などのフィクションでよく見るサイコパスは、現実に存在します。この記事では、犯罪心理学者にサイコパスの特徴や、その基準を伺いました。イメージ...
強要罪とは、暴行や脅迫を用いて、相手に義務のないことを行わせる(強要)犯罪です。なかなか馴染みのない罪名かもしれませんが、身近でも起こり得る犯罪で、...
不法投棄(ふほうとうき)とは、法律(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に反して決められた処分場以外に、廃棄物を投棄することです。
ハッキングは立派な犯罪行為です。ハッキングによる被害の代表例としては、機密情報の漏えいやWebサイトの改ざんなどが挙げられますが、最近では仮想通貨に...
不正アクセス禁止法とは、インターネット通信等における不正なアクセスとその助長行為を規制する法律です。実際に、何がこの違法行為に当たり、どのようなケー...
堕胎罪とは、自然の分娩(出産)より前に、人為的に胎児を母体から分離・排出する罪です。結果的に胎児が死亡したかどうかは無関係で、胎児を母体内で殺すこと...
不退去罪(ふたいきょざい)とは、住居などから出ていくように要求を受けたにもかかわらず、退去せずにそのまま居座り続けることで罪が成立する犯罪です。
金を密輸すると何の罪に問われるのでしょうか。この記事では、金の密輸をした場合の罰則と逮捕されてからの対処法を解説します。
客引き行為は風営法や各都道府県の迷惑防止条例で禁止されていて、違反して逮捕された場合にどのように対応すれば良いのか、また、起訴・前科を付けないために...
ついつい感情的になり、他人の物を壊してしまったあとで、防犯カメラに撮られていたのではないかと不安に感じている方もいるのではないでしょうか。本記事では...
同一人物が2つ以上の罪を犯し、確定裁判を経ていないものが併合罪ですが、一見しただけでは観念的競合・牽連犯などと判別が難しいケースも多々あります。この...
脅迫罪とは被害者に害悪の告知をする犯罪で、【2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金】の法定刑が定められています。脅迫に聞こえるような脅し文句や言葉...