在留期限切れになったらどうなる?知っておくべき罰則と対処法をわかりやすく解説
在留期限が切れてしまい、「このまま日本にいて大丈夫なのか」「仕事は続けられるのか」と不安に感じていませんか?
とくに技能実習や特定技能で働く方にとって、「在留期限切れ」という状態は今後の生活にも大きく影響します。
本記事では、在留期限が切れたらどうなるのか、発覚しやすいケース、万が一期限切れになった場合の対処法、更新を忘れないための予防策まで詳しく解説します。
今できる対処法を知り、適切な手続きをおこなうためにもぜひ参考にしてください。
在留期限切れになったらどうなる?どんな罰則がある?
在留期限切れになった場合、具体的にどのような影響があるのでしょうか。
以下では、在留期限が切れた場合に起こりうることについて詳しく解説します。
在留期限切れになったらオーバーステイ(不法滞在)の扱いになる
在留期間の満了日を1日でも過ぎてしまうと、その時点でオーバーステイ(不法滞在)として扱われます。
「数日だけなら大丈夫だろう」「うっかり忘れていただけ」という事情があっても、法律上は例外はありません。
また、オーバーステイの事実は、将来にも大きな影響を残します。
- 在留資格の更新や変更が不許可になりやすくなる
- 再入国が認められにくくなる
- 日本での就労・生活の継続が困難になる
短期間の超過であっても長期的な不利益につながるおそれがあるので注意しましょう。
このような事態を防ぐには、「たった数日だから大丈夫」と自己判断せず、期限が切れそう・切れてしまったと気づいた時点で、できるだけ早く専門家や入管に相談することが重要です。
発覚すれば刑事上・行政上の罰則を受ける
オーバーステイが発覚すると、出入国在留管理局(入管局)の行政手続きに加え、事情に応じて刑事手続きが進むことになります。
それぞれの手続きについて、以下で詳しく見ていきましょう。
行政上の罰則|日本から強制退去させられ日本に一定期間来られなくなる
オーバーステイが確認されると、入管による退去強制手続きの対象となります。
退去強制とは、その名のとおり日本からの退去を命じられる手続きのことで、一般的には「強制送還」などとも呼ばれます。
なお、強制退去となると、日本への再入国が制限される「上陸拒否期間」が発生する点に注意が必要です。
強制退去に伴う上陸拒否期間は、5年・10年の2種類があり、それぞれ以下のようなケースで適用されます。
| 上陸拒否期間 | 主なケースの例 |
|---|---|
| 5年 | 初めて退去強制処分となる場合 |
| 10年 | オーバーステイや違反行為を繰り返した場合 |
また、上陸拒否期間が終わっても、違反歴が審査に残るため、必ずしも再入国が認められるとは限りません。
なお、事情によっては出国命令制度が適用され、退去強制ではなく出国となるケースもあります。
適用可否や期間は個別事情で変わるため、早めに入管や専門家へ相談しましょう。
刑事上の罰則|拘禁刑や罰金
在留期限が切れた場合、状況によっては刑事手続きが進む可能性があります。
入管法第70条では、オーバーステイに対し次の刑罰が定められています。
第七十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
初めての違反であっても刑罰の対象になる可能性がありますが、期間が短く自主出頭している場合などは、不起訴や執行猶予付き判決となることもあります。
ただし、処分が軽くてもオーバーステイをしたという履歴は残り、再入国審査に影響することを覚えておきましょう。
在留期限切れが発覚するケースとは?
オーバーステイは、本人が気付かないまま起きてしまうこともあります。
しかし、期限を超えてしまった以上、いつまでも発覚しないということはありません。
入管法上の各種義務や社会保険・雇用管理の仕組みにより、どこかの段階で必ず発覚します。
代表的な発覚パターンは以下の3つです。
- 在留カードの提示を求められたとき
- 勤務先などから通報されたとき
- 自分で入管に出頭したとき
それぞれのケースについて、詳しく見ていきましょう。
在留カードの提示を求められ発覚する
外国人は在留カードを常時携帯し、入国審査官・入国警備官・警察官などから求められた場合には提示しなければなりません。
しかし、オーバーステイ状態になると、在留カードの有効期限が過ぎている、そもそも提示すべき在留カードを保持していないという状態になるため、その場で違反が判明します。
また、在留カードの提示拒否だけでも「1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金」が科される可能性があります。
これはオーバーステイの罰則とは別に発生する点に注意が必要です。
就労先などに通報される
日本の法律では、企業が不法滞在者を雇用することを禁止しており、雇用した場合は不法就労助長罪(5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金)の対象となります。
そのため、多くの企業では採用時や更新時に在留カードを確認しています。
そのため、以下のような状況では、採用や更新時にオーバーステイが発覚してしまうでしょう。
- 在留カードを提出できない
- 提出した在留カードの有効期限が切れている
- 在留期間に空白(期限切れ)がある
また、入管法には以下のような制度があり、企業側が通報する動機が強いことも特徴です。
| 制度名 | 内容 |
|---|---|
| 通報制度(入管法62条) | 不法滞在者を見つけた場合、誰でも通報できる |
| 報償金制度(入管法66条) | 通報により退去強制が実施された場合、5万円以下の報償金を受け取れる |
通報は義務ではありませんが、企業側のリスクを考えると、通報につながる可能性は十分あります。
在留期限が万が一切れてしまったらどうすればいい?
在留期限が切れてしまった場合は、そのまま放置すると不法滞在となり、状況が悪化します。
まずは落ち着いて、次の手順に沿って速やかに行動することが大切です。
最寄りの入管に相談する
在留期限の超過に気付いたら、ただちに最寄りの入管(地方出入国在留管理官署)へ電話し、現在の状況を正直に説明します。
担当官から、これからおこなうべき手続きや必要書類について案内を受けましょう。
本人が入管へ出頭する
指示に従い、本人が入管へ直接出頭します。
可能であれば日本人の職場関係者や家族が同行をお願いしましょう。
出頭の際は、以下の持ち物を準備してください。
- パスポート
- 在留カード
- 理由書(経緯書)
必要書類を準備し、再申請の手続きをおこなう
在留期限切れの場合、通常の更新より多くの資料が必要となることがあります。
期限超過の理由書、本人の身分確認書類、在留資格を示す書類など、担当官から指定された書類を準備します。
書類に不備があると審査が遅れるため、必ず指示を確認しながら進めましょう。
申請後は「申請受理証明書」を携帯する
再申請後は、入管から「申請受理証明書」が交付されます。
審査が終わるまで、この証明書が身分確認書類となるため、常に携帯しておく必要があります。
期限切れに気付いた時点で早く動くほど、処分が軽減される可能性があります。
まずは入管へ相談し、誠実な対応を心がけることが重要です。
在留期限切れを防ぐには?
在留期限切れを防ぐためには、日ごろから在留カードやパスポートの期限を確認し、余裕をもって更新の準備を始めることが大切です。
在留カードの更新申請は、有効期限の3ヵ月前からおこなえます。
例えば、期限が「2025年4月30日」であれば、「2025年2月1日」から更新申請が可能です。
更新に必要な書類の収集や、勤務先への証明書の依頼には意外と時間がかかるため、少なくとも2〜3ヵ月前には準備を始めるのが理想的です。
早めに申請しておけば、審査が長引いた場合でも期限切れのリスクを最小限にできます。
在留期限切れについてよくある質問
ここでは、在留期限切れについてよく寄せられる質問について解説します。
在留カード更新のハガキが来ない原因は?どうすればいい?
在留カード更新の案内ハガキは、在留期限の約2ヵ月前に送付されるのが通常ですが、必ず届くわけではありません。
届かない場合は、次のような理由が考えられます。
- 住民票の住所が古い/在留カード裏面の住所変更をしていない
登録住所と現住所が一致しないと、通知が届きません。 - 郵便トラブル・配達ミス
郵送の遅延や誤配達で受け取れないケースがあります。 - そもそも案内が届かない場合がある
通知は必ずしも発送されるとは限らず、個人で期限を管理する必要があります。
なお、案内ハガキが届かなくても更新義務は変わりません。
日ごろから期限を把握し、余裕をもって手続きを進めることが大切です。
更新手続き中・審査中に期限切れになったらどうなる?
在留期限直前に申請した場合、審査が間に合わず期限が切れたように見えることがあります。
しかし、在留期間更新を期限内に申請していれば、最大2ヵ月間の「特例期間」が認められ、引き続き同じ在留資格で日本に滞在できます。
この特例は、以下いずれか早い時点まで有効です。
- 審査結果が出るとき
- 従前の在留期間満了日から2ヵ月経過
在留カードの裏面には「更新手続中」のスタンプが押されるため、その間は合法的に滞在できます。
更新が遅れないよう、期限の3ヵ月前からの申請を心がけましょう。
出国中に在留期限が切れたらどうすればいい?
海外滞在中に在留期限が切れた場合、日本に再入国するためには在留資格の再取得(在留資格認定証明書交付申請)が必要となります。
以前と同じ在留資格を取得する場合は比較的早く許可されることが多いものの、長期間の出国や転職後の場合は審査が厳しくなることがあります。
緊急で日本に戻る必要がある場合は、滞在国の日本大使館・領事館に相談しましょう。
親族が重篤な状況など、人道的配慮が必要なケースでは、即日または翌日に査証(ビザ)が発給されるケースもあります。
さいごに|在留期限切れで不安な場合は専門家へ相談を!
在留期限切れは、放置すると不法滞在となり、退去強制や上陸拒否期間など、将来の在留に大きな影響を及ぼす可能性があります。
自分で対応できる部分もありますが、状況によっては刑事手続と行政手続が同時に進むこともあり、正しい判断が難しいケースも少なくありません。
もし「どうすればいいかわからない」「期限を過ぎてしまったかもしれない」と不安を感じたら、早めに外国人の在留トラブルに精通した弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談することで、現状の整理や今後とるべき手続き、出頭のタイミングなど、法的な視点から適切なアドバイスを受けられます。
不安を抱えたまま一人で悩む必要はありません。
弁護士に相談し、正しい対応を進めていけば、状況を改善できる可能性があります。
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