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映像送信要求罪とは?構成要件や該当する行為の具体例、刑罰などを解説

映像送信要求罪とは?構成要件や該当する行為の具体例、刑罰などを解説

性的な画像や動画を「送って」と要求する行為が、犯罪になる場合があることを知っていますか?

2023年7月に施行された改正刑法により、新たに「映像送信要求罪」が創設され、性的な画像の送信を求める行為も処罰の対象となりました。

たとえ実際に映像が送られなかったとしても、要求した時点で犯罪が成立する可能性があるため、軽い気持ちでおこなった行為が思わぬ刑事事件に発展することもあります。

本記事では、映像送信要求罪の定義・構成要件・該当する行為の具体例・刑罰の内容をわかりやすく解説します。

SNSやチャットアプリでのやり取りなど、身近な場面で違法となるケースも紹介するので、誤って加害者にならないためにもぜひ最後まで参考にしてください。

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映像送信要求罪とは?

映像送信要求罪とは、相手に対して性的な姿態を撮影した画像や動画を送るよう要求する行為を処罰する犯罪です。

2023年7月に施行された刑法改正により新設されたもので、性的同意のない行為やリベンジポルノ被害の予防を目的としています。

映像送信要求罪が設けられた背景には、SNSやチャットアプリを通じて「裸の写真を送って」などと迫る行為が社会問題化したことがあります。

これまでこうした要求行為自体は明確な処罰対象ではありませんでしたが、被害者が精神的苦痛を受けるケースが多発していたため、刑法に新たな規定が加えられました。

条文上は刑法第176条の2に定められており、「性的意図をもって他人に性的な画像・映像を送信するよう求める行為」が対象となります。

つまり、実際に映像が送られなかったとしても、要求しただけで犯罪が成立する可能性があるのです。

構成要件|16歳未満の相手に性的な写真や動画の撮影・送信を求めること

映像送信要求罪の構成要件は、 16歳未満の者に対して性的な姿態の映像送信を要求することです。

具体的には、性交・肛門性交・口腔性交をする姿態、または性的な部位を露出した姿態などの撮影・送信を求める行為が該当します。

重要なポイントは、相手が要求に応じなくても犯罪が成立することです。

実際に画像や動画が送信されなくても、要求した時点で処罰の対象となります。

なお、被害者が13歳以上16歳未満の場合は、行為者が5歳以上年長である場合に限って処罰されます。

刑罰|1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金

映像送信要求罪の刑罰は、 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。

実際に画像を受け取って保存した場合は、児童ポルノ単純所持罪(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)も成立する可能性があります。

公訴時効|犯罪行為が終了したときから3年

映像送信要求罪の公訴時効期間は3年です。

公訴時効期間は、犯罪行為が終了した時点からカウントされるため「画像や動画の送信を要求した」時点から、3年が経過すると時効が成立します。

ただし、被害者が18歳未満の場合は注意が必要です。

被害者が18歳未満の場合、時効のカウントは被害者が18歳になってからスタートするため、単に犯罪行為から3年が経過しただけでは時効は成立しません。

映像送信要求罪の刑法条文

映像送信要求罪は、刑法第182条の3第3項に規定されています。

3 十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為(第二号に掲げる行為については、当該行為をさせることがわいせつなものであるものに限る。)を要求した者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

一 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。

二 前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部(陰茎を除く。)又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下この号において同じ。)を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること。

引用元:刑法 | e-Gov 法令検索

映像送信要求罪が発覚するきっかけは?

映像送信要求罪が発覚する主なきっかけは、以下のとおりです。

  • 被害者や保護者からの通報
    被害に遭った児童が親や学校の先生などの大人に相談し、その結果、警察に被害届が提出されることで事件が発覚しやすいです。
  • 補導時の携帯電話調査
    被害児童が何らかの非行で補導された際、警察が携帯電話やスマートフォンの内容を調査することがあります。その過程で性的な写真や動画の要求に関するやりとりが発見され、相手方が特定されるケースがあります。
  • ほかの事件の余罪調査
    被害児童が複数の相手と同様の被害に遭っていた場合、他の加害者が検挙されたことをきっかけに芋づる式に発覚する可能性があります。

画像や動画を要求する行為は、思わぬきっかけで発覚することも多いので、「バレないから大丈夫」「相手に口止めしているからバレるわけない」と考えるのは禁物です。

未成年に性的な写真・動画を求める行為は映像送信要求罪以外の罪にも該当する可能性がある

16歳未満の者に性的な写真や動画を要求する行為は、映像送信要求罪にも以下のような犯罪に該当する可能性があります。

  • 児童ポルノ製造罪:3年以下の懲役または300万円以下の罰金
  • 性的姿態等撮影罪:3年以下の懲役または300万円以下の罰金
  • 性的姿態等影像送信罪:5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金または併科
  • 青少年保護育成条例違反:東京都の場合、30万円以下の罰金

さらに、実際に画像を受け取って保存した場合は児童ポルノ単純所持罪も成立し、児童と面会して性行為に及んだ場合は不同意性交罪も成立する可能性があります。

複数の犯罪が成立すれば、その分量刑も重くなる可能性があるため注意が必要です。

映像送信要求罪での逮捕・起訴を回避するためにできること

映像送信要求罪で逮捕や起訴を回避するためには、以下の対応を検討してください。

  • 被害者との示談を成立させる
  • 自首を検討する
  • なるべく早く弁護士に相談・依頼する

それぞれの方法について、詳しく解説します。

被害者との示談を成立させる

被害者との示談成立は、逮捕・起訴回避において最も重要な要素です。

なぜなら、示談が成立することで刑事事件化するのを防げたり、不起訴処分を獲得できたりする可能性が高まるからです。

なお、示談交渉では、被害児童の法定代理人(親御様)とおこないます。

ただし、被害者の連絡先は、警察や検察などに問い合わせても教えてくれません

そのため、連絡先の確認も含め、示談交渉には法的な知識を持つ弁護士の協力が不可欠です。

弁護士なら、被害者の感情に寄り添いつつ、加害者が不利にならないような示談成立を目指して尽力してくれます。

自首を検討する

性的な画像や動画を要求したことが発覚する前に自首することで、逮捕・起訴の回避につながる可能性があります。

自首は反省の意思を示す重要な情状酌量事由として認められ、検察官の不起訴判断や量刑において有利に働きます。

また、反省の態度を明確に示すことで、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断され、逮捕や勾留を回避できる可能性も高まります。

さらに、自ら出頭することで家族や職場に警察が突然訪れることを防げるほか、供述の信用性も高まり、最終的な処分の軽減につながる可能性があります。

なるべく早く弁護士に相談・依頼する

映像送信要求罪での逮捕・起訴を回避するためには、弁護士への早期相談が極めて重要です。

弁護士は、以下のような活動によって刑事事件化や起訴を防ぐために尽力します。

  • 被害者との示談交渉の代行
  • 検察官に対する意見書の提出
  • 自首への同行
  • 取り調べへの対応方法のアドバイス

逮捕後から起訴・不起訴が判断されるまでの期間は最大23日間と限られているため、できるだけ早い段階での相談が望ましいです。

また、取り調べで嘘をついたり供述を二転三転させると、証拠隠滅のおそれがあると判断され逮捕に至る可能性が高まります。

そのため、事前に弁護士からのアドバイスを受けることが重要です。

なお、逮捕前の段階では国選弁護人制度は利用できないため、私選弁護士への相談・依頼が必要です。

ベンナビでは、性犯罪事件を得意とする弁護士を多数掲載していますので、まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください

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映像送信要求罪に関してよくある質問

最後に、映像送信要求罪に関してのよくある質問とその回答を紹介します。

似たような疑問をお持ちの方は、ぜひここで解消しておきましょう。

映像送信要求罪が刑法に追加されたのはいつから?

映像送信要求罪は、2023年7月13日から施行されました。

そのため、2023年7月13日以降に映像送信要求罪に該当する行為をおこなった場合は処罰の対象となります。

一方、2023年7月12日までに同様の行為をおこなっていたとしても、映像送信要求罪としての処罰は受けません。

重要なのは、摘発された時点ではなく、実際に行為をおこなった時点が基準となる点です。

たとえば、2023年6月に16歳未満の者に対してわいせつな映像の送信を要求し、その件が2023年8月に発覚した場合でも、行為時点が施行日前であれば映像送信要求罪は成立しません。

相手が16歳未満だと知らなければ映像送信要求罪にならない?

相手が16歳未満と知らなかった場合でも、16歳以上と誤信したことについて過失があれば処罰される可能性があります。

過失の有無は、相手の年齢を確認する義務を尽くしたかどうかで判断されます。

具体的には、身分証や学生証を確認したかなどが考慮されるため、相手が年齢について嘘をついていたとしても、それだけで直ちに過失がないとは認められません。

また、「16歳未満かもしれないが、それでもかまわない」という未必の故意がある場合は故意犯として処罰対象となります。

たとえば、相手の容姿が明らかに幼く、通常であれば16歳未満ではないかと疑う状況があれば、未必の故意が認定される可能性が高くなるでしょう。

さいごに|映像送信要求罪を犯してしまったときは弁護士に相談を!

映像送信要求罪は2023年7月に新設された犯罪で、16歳未満の者への性的映像送信要求が処罰対象となります。

相手が要求に応じなくても犯罪が成立し、児童ポルノ製造罪などほかの重大な犯罪にも該当する可能性がある点に注意しましょう。

もしすでに映像送信要求罪に該当する行為をしてしまった場合は、早急に弁護士に相談することが重要です。

弁護士は被害者との示談交渉や自首への同行、検察官への意見書提出など、逮捕・起訴を回避するためのさまざまな活動をおこなうことができます。

とくに逮捕前の段階での相談が重要で、逮捕後は起訴・不起訴が判断されるまでの期間が最大23日間と限られているため、時間的な余裕がありません。

一人で悩んで時間を浪費するよりも、できるだけ早い段階で専門家である弁護士への相談をおすすめします

適切な対応により、人生への影響を最小限に抑えることが可能です。

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磯田 直也 (兵庫県弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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