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強制わいせつ罪は初犯でも実刑?執行猶予?解決のポイントや事例を解説

強制わいせつ罪は初犯でも実刑?執行猶予?解決のポイントや事例を解説

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強制わいせつ罪は、初犯の場合、執行猶予がつくケースが多いです。ただし、悪質と判断されれば、実刑判決が下される可能性もあります。

法定刑は、6ヶ月以上10年以下の懲役刑しか定められていません

また、執行猶予がついて懲役刑が執行されなくても、前科はつくことになります。

しかし、起訴を回避したり、執行猶予がついたりするポイントがあります。

もし、ご家族や身近な人が強制わいせつ罪で逮捕されてしまった場合は、早い段階で対策を講じることをおすすめします。

この記事では、以下の点について解説しますので、参考にしてみてください。

  1. 強制わいせつ罪の初犯の量刑の相場
  2. 強制わいせつ罪解決のポイント
  3. 強制わいせつ罪初犯の裁判例など
ご家族や自身が逮捕された方へ

被害者との示談が成立しているか否かが、今後の量刑判断に影響を与えることになります。

ただ強制わいせつ事件の被害者は、事件のことや加害者に対する恐怖感や嫌悪感を抱いています。

 

被害者に警戒を与えないためにも、加害者が交渉の場に立つべきではありません。

ご家族や自身が刑事事件の当事者になった場合、わいせつ事件に注力している弁護士に依頼するのをおすすめします。

弁護士に依頼するメリットは、下記の通りです。

 

  • 相手との示談交渉を任せることができる
  • 漏れのない示談所の作成が期待できる
  • 取り調べのアドバイスをもらうことができる など

 

弁護士ならば被害者感情を考慮しながら、示談交渉を進めることができるでしょう。

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※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条

強制わいせつ罪は初犯でも実刑になり得る

強制わいせつ罪は初犯でも実刑になり得る

強制わいせつ罪は、刑法第176条に規定されている性犯罪のひとつです。13歳以上の者に対して暴行・脅迫を用いてわいせつな行為をした場合、13歳未満の者に対して、わいせつな行為をした場合に成立します。

 

初犯の場合は、執行猶予がついたり不起訴処分が下されたりしやすくなりますが、犯行が悪質であれば初犯でも実刑判決が下されるおそれがあるので、注意が必要でしょう。

刑法第176条|強制わいせつ罪

強制わいせつ罪は、刑法第176条に規定されています。

第百七十六条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

引用元:刑法 第176条

条文を簡単な表現で要約すると、「嫌がる相手に暴力を加えたり、脅したりして、わいせつな行為を働くこと」で成立すると考えられるでしょう。ただし、これは相手が13歳以上の場合です。

 

13歳未満の相手にわいせつな行為をした場合、相手の同意が得られていたとしても強制わいせつ罪が成立します。

 

また、この罪で言う「暴行・脅迫」とは、殴る・蹴る・脅すといった具体的な行為だけにとどまりません。法律上の「暴行・脅迫」の程度として、「被害者の意思に反してわいせつな行為を行うに足りる程度」とする考えと、「反抗を抑圧するに足る程度」とする考えがあります。

 

たとえば、圧倒的に体格差があって抵抗できないケースや、周囲に多数の人がいて著しい羞恥心から助けを呼ぶこともできないケースなどが典型例です。

強制わいせつ罪の初犯で実刑判決が出た例

実際に起きた強制わいせつ事件のうち、初犯でも実刑判決が下された事例を紹介しましょう。

 

保育園に勤務する男性保育士が、保育園の児童に対してわいせつ行為を働いた事件では、被告人となった男性保育士に懲役1年4ヶ月の実刑判決が下されました。男性保育士は、前科前歴のない初犯でした。

 

児童の着衣の上から陰部に触れる、自己の性器を児童に握らせるなどの行為が強制わいせつ罪にあたり、次の3点が重く評価されました。

  • 抵抗できない幼児へのわいせつ行為が悪質・卑劣である点
  • 保育士という立場にありながら、自己の欲求を満たすために身勝手な犯行に及んだ点
  • 被害にあった児童のみならず、保護者にも大きな精神的苦痛を与えた点

 

男性保育士は深く反省を示し、今後は家族が行動を監督する約束をしたうえで、さらに保育士の仕事を解雇されるなど一定の責任を取った形になりましたが、それでも「実刑は免れない」という判断が下されたのです。

参考:宮崎地判 平成29年4月24日(Westlaw Japan 文献番号 2017WLJPCA04246003)

 

強制わいせつ罪でも初犯なら執行猶予や不起訴になる可能性はある

強制わいせつ罪でも初犯なら執行猶予や不起訴になる可能性はある

強制わいせつ罪は、懲役刑のみが規定されている重罪です。逮捕されて刑事裁判になれば厳しい処分が待っていることは間違いありませんが、初犯であれば執行猶予や不起訴処分が下される期待は高いでしょう。

 

また、初犯ではなくても、行為の悪質性が低ければ実刑判決が避けられることもあります。

 

起訴

不起訴

行為の程度

行為の程度が悪質

悪質性が低い

刑事裁判

裁判が行われる

裁判が行われない

処分

実刑

執行猶予

不起訴

法定刑内で量刑が決定

裁判後ただちに刑務所に収監

執行猶予期間は刑の執行が猶予される

前科

前科がつく

前科がつく

前科がつかない

示談が成立して執行猶予になった事例

犯行の態様が卑劣・悪質と判断された場合でも、被害者との示談が成立すれば執行猶予がつく場合もあります。実際の事例では、抵抗する児童に対して無理やりに複数回のキスをした被告人に、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の判決が下されました。

 

被害者の抵抗を排してわいせつ行為に及んでおり、被害者は精神的なショックから人に怯えて生活するようになってしまったという点からも「結果は重大」と判断されました。ただし、被告人に前科前歴がないこと、示談金250万円を支払って示談が成立していることが評価され、執行猶予が付されたのです。

参考:松江地判 平成30年2月26日(Westlaw Japan 文献番号 2018WLJPCA02266006)

不起訴も十分期待できる

初犯である場合や被害者との示談が成立したケースでは、検察官が起訴を見送って不起訴処分を下す可能性も十分に期待できます。検察統計によると、平成30年中に検察庁が扱った強制わいせつ事件の合計は3,746件でしたが、起訴された事件は1,288件、不起訴となった事件は2,458件で、起訴率は34.4%にとどまります。

 

窃盗罪の41.1%、詐欺罪の56.7%などと比較すると、決して高い数字ではありません。

参考:被疑事件の処理|令和元年版 犯罪白書

 

執行猶予が得られるかもしれない示談とは

執行猶予が得られるかもしれない示談とは

刑事事件における示談とは、加害者と被害者の当事者間で「和解した」という意味があります。また、示談金を支払うことで、わざわざ裁判で争わなくても「賠償した」という意味にもなり、刑事・民事の両面で当事者間の解決がなされたと評価されるのです。

 

それゆえに、警察・検察庁といった捜査機関は、示談が成立したという結果を慎重に受け止めることになります。

当事者間での和解の意味を持つ

示談が成立すると、被害者は「宥恕(ゆうじょ)意思」を示したことになります。宥恕とは「許す」という意味で、つまり「加害者を許す」という意思を示すことによって、両者が和解したと評価されます。

示談金による賠償の意味がある

示談交渉の中で協議が避けられないのが「示談金」です。示談金は、被害によって生じた精神的損害に対する慰謝料と、治療費や休業補償などの賠償金の両方の性格を併せ持っています。

捜査機関は示談の成立を慎重に受け止める

示談が成立すれば、被害者が「加害者を許す」ことで刑事事件として解決し、さらに示談金の支払いによっても民事的な責任について決着したことになります。刑事裁判や民事裁判を経ることなく、刑事・民事の両方が当事者間で解決しているという事実は、捜査機関にとっても非常に重大な意味をもたらすでしょう。

 

検察官が起訴に踏み切ったとしても、すでに被害者には「加害者を罰してほしい」という意思はありません。被害届や告訴が取り下げられたうえに、示談金の支払いによって民事的な責任も果たしていれば、もはや加害者を罰する意味も失われています。

 

捜査機関はこのような状況を無視できないため、起訴に慎重な姿勢を取らざるを得ません。起訴を見送って不起訴処分が下される可能性は非常に高まるでしょう。

示談には弁護士への相談が不可欠な理由

示談には弁護士への相談が不可欠な理由

強制わいせつ事件においては、加害者が独自に示談交渉を進めるのは難しいでしょう。そのため、弁護士への相談・依頼が必要不可欠とも言えます。

 

事件の性質上、被害者は加害者との接触を嫌う傾向があるだけでなく、そもそも逮捕され身柄を拘束された身では、示談交渉を進めることが物理的に不可能です。また、示談交渉を進めるにあたっての手続きや示談金の相場などのノウハウもありません。

強制わいせつ罪の性質上直接の交渉は難しい

強制わいせつ事件の被害者は、事件のことや加害者に対する恐怖感や嫌悪感を抱いています。犯行の動機が「つい出来心で」「ちょっと魔が差して」という特に重みのないものだったとしても、被害者のショックは強大なのです。

 

被害者に警戒を与えず、示談交渉に臨むためには、加害者が交渉の場に立つべきではありません。代理人として弁護士が対応するのがベストです。

逮捕・拘束されている場合は物理的に接触不能

強制わいせつ事件の加害者として逮捕された本人は、身柄を拘束されているため、自由な行動や連絡が制限されています。つまり、被害者と示談交渉を進めようにも物理的に接触が不能です。

 

身柄を拘束されている加害者にとって、被害者と示談交渉の場を持つためには代理人となる弁護士の存在が欠かせません。

示談における手続き・相場のノウハウがない

示談の効果を最大限に活かすためには、示談という手続きについての正しい知識が必要です。特に、示談交渉の場で決まった事項を漏れなく示談書に盛り込むというプロセスは欠かせません。

 

漏れのない示談書は、検察官や裁判官に示すことで加害者にとって有利な証拠となるでしょう。

 

また、強制わいせつ事件の被害者の中には、被害者という立場を強みに感じて巨額の示談金支払いを求める者も少なくありません。示談金の相場観を持たずに示談交渉に臨むと、巨額になった示談金の支払いに応じざるを得ないか、または支払いができないことになってしまうでしょう。

 

弁護士のサポートを得ることで、漏れのない示談書の作成が約束できるだけでなく、相場に従った示談金での決着によって、経済的な負担も軽減されます。

まとめ

強制わいせつ罪は懲役刑のみが規定されている重罪です。ただし、初犯である、被害者との示談が成立しているなどの有利な状況があれば、必ずしも実刑判決が下されるわけではなく、執行猶予や不起訴処分も期待できます。

 

強制わいせつ事件の特性や逮捕された場合の身柄措置を考えれば、弁護士のサポートがないと示談交渉を進めるのは困難です。容疑者として逮捕されてしまった場合は、ただちに弁護士に相談してサポートを求めましょう。

ご家族や自身が逮捕された方へ

被害者との示談が成立しているか否かが、今後の量刑判断に影響を与えることになります。

ただ強制わいせつ事件の被害者は、事件のことや加害者に対する恐怖感や嫌悪感を抱いています。

 

被害者に警戒を与えないためにも、加害者が交渉の場に立つべきではありません。

ご家族や自身が刑事事件の当事者になった場合、わいせつ事件に注力している弁護士に依頼するのをおすすめします。

弁護士に依頼するメリットは、下記の通りです。

 

  • 相手との示談交渉を任せることができる
  • 漏れのない示談所の作成が期待できる
  • 取り調べのアドバイスをもらうことができる など

 

弁護士ならば被害者感情を考慮しながら、示談交渉を進めることができるでしょう。

初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、まずはお気軽にご相談ください。

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中川 浩秀 弁護士 (東京弁護士会)
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