危険運転致死傷罪に当てはまるケースと逮捕された後の流れ
危険運転致死傷罪(きけんうんてんちししょうざい)とは、著しいスピード超過、飲酒運転、無免許運転など、自動車を制御できない状態で危険な運転をした結果、相手を死傷させた場合に適用される罪です。
法定刑は【被害者が負傷:15年以下の懲役】【被害者が死亡:1年以上の有期懲役】で、非常に重い罰則が設けられています。「令和3年版 犯罪白書」によると、自動車運転過失致死傷等での検挙人数は30万7,831人に対し、危険運転致死傷罪での検挙人数はわずか732人です。
しかし、検挙人数は少ないものの、重大な犯罪であることには変わりありません。この記事では、危険運転致死傷罪に問われるケースや危険運転致死傷罪で逮捕された後の流れ、実際の事例などについて解説します。
※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条 被害者の方は【交通事故弁護士ナビ】にご相談ください。 |
危険運転致死傷罪の罰則
自動車運転処罰法第2条では、危険運転致死傷罪の罰則を次のように定めています。
- 負傷した場合:15年以下の懲役
- 被害者が死亡した場合:1年以上の有期懲役
(危険運転致死傷)
第二条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
引用元:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条|e-Gov法令検索
有期懲役とは20年以下の懲役を意味するため、最長で15~20年の懲役となり、罰則としては重い部類に含まれます。
危険運転致死傷罪の制定など、自動車運転人身事故厳罰化の経緯
自動車運転中の人身事故は、以下のような背景と経緯によって厳罰化の流れが進み、2013年に自動車運転処罰法が制定されました。
危険運転致死傷罪の制定
2001年の法改正以前は、自動車運転による事故は業務上過失致死傷罪が適用され、被害者が死傷したとしても法定最高刑は懲役5年でした。
(業務上過失致死傷等)
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
飲酒運転や超過速度の運転など、明らかに危険を伴う運転であっても、過失によるもの、つまり「不注意だった」とみなされ、同様の処罰だったのです。1999年11月に東名高速道路で、トラックが乗用車に追突し、幼児2人が死亡する事故が発生しました。
加害者のトラック運転者は飲酒運転の常習者で、過去に何度も検挙されており、本事故の際も酩酊状態で運転するなど、極めて悪質な事案でした。
しかし、悪質な交通死亡事故を起こしたにもかかわらず、加害者には業務上過失致死罪が適用され、懲役4年の判決が確定しました。
この事故をきっかけに、悪質な交通死亡事故に対する量刑が軽すぎることが問題視されるようになり、全国で署名活動が起こりました。2001年、危険運転による死傷を暴行による死傷と同様の悪質な犯罪として、当時の刑法第208条「暴行罪」の2項に「危険運転致死傷罪」が新設されました。
法定刑は、負傷に対して10年以下の懲役、死亡に対して1年以上の有期懲役と、以前よりも重い量刑になったのです。ちなみに、当時の有期懲役は最長で15年で、2005年の刑法改正によって最長20年に引き上げられました。
ただし、本罪は過度の飲酒や薬物の影響で正常な運転ができない状態で起こした人身事故に限定されるなど、適用条件が厳格でした。
そのため、飲酒・無免許・居眠り運転などで悪質な人身事故を起こしても、従前と同様に業務上過失致死傷罪が適用されるケースが大半でした。
自動車運転過失致死傷罪の新設
自動車の運転は、他の業務行為よりも他人に危害を与える可能性が高い行為です。
そのため、自動車運転による人身事故の量刑を、通常の業務上過失より重くすることが検討され、2007年の刑法改正により、刑法第211条2項に「自動車運転過失致死傷罪」が制定されました。
本罪は、それまで人身事故に適用されていた刑法第211条「業務上過失致死傷罪」の類型で、従来「過失によるもの」とみなされていた自動車事故も重罰化されることとなりました。法定刑は7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金に引き上げられたのです。
自動車運転処罰法の成立
その後、2013年には「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(略称:自動車運転処罰法)」が成立し、「危険運転致死傷罪」と「自動車運転過失致死傷罪」は、刑法から同法に移管されました。
その後、2020年に改正され、現在では6つの危険運転に対して「危険運転致死傷罪」が適用されています。詳しくは次の章で解説します。
危険運転致死傷罪に該当する6つのケース
自動車運転処罰法第2条には、危険運転致死傷罪に該当するケースとして6つのものがあげられています。以下の図は、警察庁の統計表をもとに、2021年の危険運転致死傷罪の適用件数の割合をケース別に示したものです。
【参考記事】危険運転致死傷罪等の適用件数の推移(2021年)|e-Stat政府統計の総合窓口
以下で、それぞれ詳しく解説します。
①アルコールや薬物の影響で正常な運転ができない場合
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
以下の図は、警察庁が公表している飲酒運転による死亡事故件数の推移です。
引用元:飲酒運転による死亡事故件数の推移|警察庁
2000年をピークに減少してはいるものの、 2021年には152件の飲酒による死亡事故が発生しています。
また、昭和の時代と異なり、現在、飲酒運転に対する司法の目は極めて厳しいです。飲酒運転を理由に逮捕されることも十分あり得ます。「ちょっとくらい…」は通用しませんので、『飲んだら乗るな』を徹底してください。
②運転の制御が困難なほどの速度超過
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
運転の制御ができなくなるほどの速度超過(いわゆるスピード違反)も、危険運転致死傷罪に該当します。
以下は、警察庁が公表している「危険認知速度別交通事故件数(2020年)」です。これによると、死亡事故においては約半数近くの事故が時速40kmを超えた状態で発生しており、時速60km超ではほぼ全ての車両が制限速度を超過していることがわかります。
大幅なスピード違反は、事故が起きた場合に相手を死傷させる可能性が極めて高く、同時に自分や同乗者の命まで危険に晒してしまいます。また、80kmや100km超といった著しいスピード超過事案であれば、それのみで逮捕されることもあります。スピードの出し過ぎはくれぐれも控えましょう。
③運転の制御できる技能を持たないままの運転
三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
「進行を制御できる技能を有しない」とは、無免許運転や運転技術が極めて未熟なケースを指し、危険運転致死傷罪に該当するケースがあります。無免許とは、免許証を持っていない状態(免許不携帯)のことではなく、免許を取得していなかったり、取得していても取り消しや停止、期限切れにより、失効したりしている状態のことを意味します。
④妨害目的のあおり運転行為
四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
五 車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為
六 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第四十八条の四に規定する自動車専用道路をいう。)において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為
近年問題となっているあおり運転を念頭に置いた規定です。相手の通行を妨害するために、相手に急接近したり、割り込んだり、幅寄せしたり、前後からあおるような行為したりする場合を想定しています。
⑤信号無視など
七 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
信号を無視し、著しいスピード超過で運転して死傷事故を起こした場合も、危険運転致死傷罪に該当します。
⑥通行禁止道路の走行
八 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
通行禁止道路を危険な速度で走行して死傷事故を起こした場合、危険運転致死傷罪に該当する可能性があります。通行禁止道路としては、たとえば歩行者専用道路などがあげられます。
危険運転致死傷罪以外の交通事故に関する罪と罰則
危険運転致死傷罪以外にも自動車運転に関する犯罪は多くあります。前述したとおり、2021年の自動車運転過失致死傷等での検挙人数は30万7,831人、対して危険運転致死傷罪での検挙人数はわずか732人です。
裏を返せば、危険運転致死傷罪で刑事手続きを受けていても、「『○○罪』の方が適しているのではないか」という主張もできるのです。
過失運転致死傷罪
交通事故により被害者を死傷させた場合、まず過失運転致死傷罪に問われることが多いです。法定刑は【7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金】となっています。
過失運転致死傷罪の罰則は、危険運転致死傷罪に比べて軽いものに定められています。そのため、危険運転致死傷罪で逮捕された事例について、「○○の理由で過失運転致死傷罪の方が適切ではないか」という弁護活動がされることは、十分考えられます。
救護義務違反等
救護義務違反は、事故後に現場に留まらずに立ち去った場合の罰則です。交通事故を起こした当事者は、現場に留まって負傷者の救護や警察への通報をおこなう義務があります。この義務に違反すると、犯罪として立件される可能性があります。
たとえば、救護義務違反(いわゆる「ひき逃げ」)の法定刑は【10年以下の懲役または100万円以下の罰金】、報告義務違反の法定刑は【3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金】です。
酒酔い運転・酒気帯び運転
広く周知されていることですが、飲酒運転も犯罪です。飲酒による影響によって、適用される罰則が異なります。
酒酔い運転 |
呼気中アルコール濃度にかかわらず、飲酒によって正常な運転ができないおそれがある状態 |
5年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
---|---|---|
酒気帯び運転 |
呼気1リットル中に0.15mg以上または血液1ml中に0.3mg以上のアルコール濃度が検出された状態 |
3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
なお、運転者だけでなく、運転者が飲酒したことを知っていながら同乗した人にも罰則が科されます。
飲酒運転について、詳しくは以下のコラムもご覧ください。
無免許運転
免許を取得していない、または免許停止を受けている、もしくは期限切れの免許を更新せずに運転していた場合は、無免許運転とみなされ、道路交通法違反に該当します。法定刑は【3年以下の懲役または50万円以下の罰金】です。
ちなみに「免許証不携帯」の場合、こちらも道路交通法違反となり、反則金は3,000円です。免許提示の義務に違反して逮捕されると、罰則は5万円以下の罰金刑ですが、通常は刑事事件とならずに反則金で処理されることが多いです。
速度超過
厳密にいえば法定速度を時速1kmでもオーバーしたら速度超過として罰則の対象になりますが、1kmオーバーで検挙される可能性はほぼありません。
おおむね15~20km以上の速度超過が検挙対象となると予想されます。この場合でも行政上のペナルティを受けるに留まり、刑事事件となる可能性は低いでしょう。
仮に悪質な速度超過として刑事事件で立件された場合の法定刑は、【6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金】です。
なお、著しい速度超過によって死傷事故を引き起こした場合には、危険運転致死傷罪が適用される可能性があることは、すでに説明したとおりです。
※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条 被害者の方は【交通事故弁護士ナビ】にご相談ください。 |
危険運転致傷罪で逮捕された事例
それでは、実際に危険運転致傷罪で逮捕されたニュースをいくつか実例として見ていきましょう。
6人負傷の事故|危険運転致傷罪は無罪
2015年に登校中の小学生の列に乗用車が突っ込み、児童6人が重軽傷を負った事件です。危険運転致傷罪で捜査が進められていましたが、危険運転致傷罪は無罪判決、別件で罪に問われていた傷害罪が成立し、30万円の罰金が科されました。
検察は睡眠導入剤の検査反応が出たことが事故原因だと主張していましたが、「睡眠導入剤が原因とするには、合理的な疑いが排除できない」という判断が裁判長によってされました。
大阪・御堂筋の暴走事件|過失運転致傷罪で有罪
2014年に大阪・ミナミの御堂筋で、低血糖症の意識障害の危険性を知りながら自動車を運転し暴走、3人に重軽傷を負わせた事件です。こちらも危険運転致傷罪が問われていましたが、判決は過失運転致傷罪による禁錮1年6ヵ月、執行猶予3年でした。
危険運転致傷罪にならなかった理由は、被告に意識傷害に陥るまでの具体的な認識があったとは言えないからです。検察側は、被告が事故直前に血糖値を上げる効果があるどら焼きやジュースを口にしていたため、「認識があった」と主張していましたが、認められず過失運転致傷罪となりました。
このように、危険運転致死傷罪は裁判でも認められにくいものです。検察側は被告人の危険性の認識やアルコール・薬物などによる影響が大きいことを示す主張をして、弁護側と論争になることが多くあります。その結果、裁判がたびたび控訴審、上告審と長引く傾向にあるのです。
東名高速でのあおり運転で夫婦二人が死亡┃あおり運転に危険運転致死傷罪が適用された事件
2017年6月5日神奈川県の東名高速で追い越し車線で停車していた乗用車が、後方からトラックに追突され、夫婦2人が死亡し、子供2人が負傷する事故が発生しました。
警察の捜査によって判明したあおり運転
事故後の警察の捜査により、以下の事実が判明しました。
1.別の車が被害車両を強引に停車させていた
トラックが被害車両に追突する前に、別の男が運転する車が被害車両を追走し、高速道路上で強引に停車させていた。
2.男が被害車両を追走し被害者を暴行していた
被害者の車を強引に停車させた男は、事故前にパーキングエリアで被害者男性に駐車方法を非難されたことに立腹し、立ち去った被害車両を猛スピードで追走した。
男は、追い越し車線上で被害車両を強引に停車させ、車から降りてきた被害者夫婦に暴行を加えており、その最中にトラックが被害車両に追突した。
3.犯人は危険なあおり運転の常習者
犯人は今回の事故以外にも、日常的にあおり運転やドライバーへの暴力行為をおこなっていたことが判明した。
これら3つの事実を受け、停車していた被害車両に追突したトラック運転手は過失運転致死傷罪で送検されましたが、不起訴となりました。
一方で、被害車両を追走して強引に停車させた犯人は、悪質なあおり運転をおこない、死亡事故の原因を招いたとして危険運転致死傷罪で起訴されたのです。
検察は、犯人が危険運転の常習者であることを重視して加重刑を加算し、懲役23年を求刑しました。
一審判決では、危険運転致死傷罪で懲役18年が言い渡されましたが、控訴審で差し戻され、再度懲役18年の判決が出されました。
弁護側は判決を不服として再度控訴し、裁判は現在も審理中です。
あおり運転を厳罰化する妨害運転罪の新設
東名高速での事故をきっかけに、危険なあおり運転を厳罰化するために「妨害運転罪」が新設され、2020年6月30日に施行されました。
妨害運転罪の法定刑は、【3年以下の懲役または50万円以下の罰金】となっています。
また、あおり運転によって著しい交通の危険を生じさせた場合は、【5年以下の懲役または100万円以下の罰金】が科されます。
加えて、妨害運転の違反点数は25点となっており、運転免許は即時取消しとなります。
免許の欠格期間は2年で、前歴や累積点数がある場合や、著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大5年~10年に延長されます。
なお、悪質な妨害運転によって重大な死亡事故を起こした場合は、危険運転致死傷罪で起訴される可能性があります。
危険運転致死傷罪で逮捕された後の流れと傾向
この章では、危険運転致死傷罪で逮捕された後の刑事事件の流れと、その傾向について解説します。
危険運転致死傷罪で逮捕された後の流れ
危険運転致死傷罪で逮捕された後の刑事事件の流れは、他の犯罪で逮捕された場合と変わりません。基本的に、以下の流れで進められていきます。
また、危険運転致死傷罪は重い罪であるため、起訴後に保釈される可能性は一般的には低いでしょう。
危険運転致死傷罪は起訴率が非常に高い
下の図は、法務省が公表している「令和3年版 犯罪白書」から、交通事件の起訴の割合の図を引用したものです。
これによると、危険運転致死傷罪で処理する場合の公判請求、すなわち起訴の割合は、72.7%と高いことがわかります。
一方で、不起訴率は19.6%で、これは一般事件での不起訴率53.9%と比べても低い数値です。危険運転致死傷罪は極めて重い罪であるため、刑事手続きが進められると起訴される可能性が非常に高くなっています。
危険運転致死傷罪で逮捕された場合は弁護士にサポートしてもらうのがおすすめ
危険運転致死傷罪は非常に重い罪であり、被疑者・被告人となった場合には、今後の人生に大きな影響が生じる可能性があります。そのため、刑事事件の被疑者・被告人としてどのように対応するべきかは、弁護人と相談しながら慎重に決めていくべきでしょう。
被疑者・被告人の立場からサポートを求められる弁護人には、以下の3種類があります。
弁護士の種類 |
特徴 |
私選弁護人 |
依頼者が費用を払って選任。契約にもよるが、事件解決まで責任をもって注力してくれる。逮捕前でも依頼可能。 |
当番弁護士 |
逮捕後すぐに、警察官、検察官、または裁判官に依頼して呼ぶことが可能。初回の接見(面会)は無料。弁護士側が了承する場合は、費用を払って私選弁護人として選任したり、勾留後に国選弁護人への切替をしてもらったりできる。 |
国選弁護人 |
刑事事件において貧困等の理由から私選弁護人を選任できない場合でも、弁護人を付す制度。裁判所が弁護人を選任する。弁護士の基本的な活動範囲は私選弁護人と同じであるが、サービスの内容・質が異なる場合もある。 |
私選弁護人は、依頼者が自分で弁護士を探し、費用を払って依頼する弁護人で、逮捕前でも依頼できます。当サイトのようなポータルサイトなどで弁護士を探してみましょう。
逮捕前に弁護士に依頼していなくても、逮捕後に『当番弁護士』に無料で面会してもらう制度や、勾留後に『国選弁護人』として無料で弁護人を選任してもらえる制度があります。
繰り返しますが、危険運転致死傷罪は重大事件であるため、弁護人のサポートは必須です。弁護人のサポートは多種多様ですが、例えば以下のような弁護活動があり得ます。
危険運転致死傷罪に該当しないことを主張してもらう
危険運転致死傷罪は、法定の構成要件を全て満たす場合に限り成立します。つまり、弁護活動としては「同罪の構成要件を充足しないため、同罪が成立しない」という内容が考えられます。この場合は、法的な知識・経験をふまえた戦略が必要なので、弁護人のサポートは必須です。
被害者側との示談交渉をしてもらう
危険運転致死傷罪は被害者がいる事件であり、被害者側と示談交渉によって和解することもあり得ます。このような和解が成立している場合、当事者間では事件が解決しているとして、刑事事件の被疑者・被告人の処遇に影響することもあります。
危険運転致死傷罪の場合、被疑者・被告人は基本的に身柄を拘束されている上、被害者の身元がそもそもわからないことも多いです。そのため、同罪について示談交渉を進めたいという場合も、弁護人のサポートは必須でしょう。
まとめ
危険運転致死傷罪は検挙件数が少ない犯罪ですが、犯罪としては重い部類に入ります。他方、成立要件は厳格に定められており、同罪が成立するか微妙なケースも多々あります。
万が一、自身が危険運転致死傷罪の被疑者・被告人となったという場合は、弁護人のサポートを受けながら適切に対応するべきでしょう。
※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条 被害者の方は【交通事故弁護士ナビ】にご相談ください。 |
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