医師が逮捕!|その後や免許はどうなる?対処法や逮捕後の流れも解説
あなたや、あなたのご家族が逮捕されてしまったら、まずは弁護士に相談しましょう。
特に、逮捕された方が医師である場合、実名報道や、罰金刑以上の有罪判決で医師免許が取消される恐れがあります。この行政処分は、執行猶予がついた場合でも同様です。
また、日本の刑事裁判の有罪率は統計上99%です。これは、検察官は有罪立証確実である事件だけを起訴しているためだと言われています。
したがって、起訴された場合、有罪判決が下される可能性が高いでしょう。不起訴処分を獲得するのであれば、逮捕から起訴されるまでの最大23日間の弁護活動が非常に重要です。
ご家族が逮捕されてしまってどうすべきかわからないのであれば、まずは弁護士にご相談ください。
この記事では、医師が逮捕された場合の対処法から、逮捕された場合に考えられる影響、逮捕後の流れまで解説します。
逮捕から72時間以内の対応が 運命を左右します 医師が逮捕・起訴された場合、次のようなリスクがあります。
逮捕後72時間の対応が、今後の流れを左右します。 お近くの弁護士を検索し、ご相談ください。 |
医師が逮捕された場合の対処法
ここでは、逮捕されてしまった場合の対処法を解説します。
弁護士に相談する
もし、逮捕されてしまったら、まずは弁護士に相談してください。
医師が有罪判決を受けた場合、刑事罰だけでなく行政処分が下され、その後の医師免許再取得も非常に難しくなります。したがって、不起訴処分を獲得することが重要です。
弁護士に相談することで、以下のような弁護活動を行ってくれます。
- 取調べに関する助言・今後の流れの説明
- 警察に対して、公表を回避するよう意見書の提出
- 早期身柄解放のための弁護活動
- 被害者との示談交渉
- 不起訴処分・執行猶予の獲得・実刑の回避
医師の行政処分を行っているのは、厚生労働省の医道審議会です。逮捕された場合、医師法などに基づき、処分が下されます。
医師の場合、罰金刑以上の判決を受ければ、医業停止や免許の取消しといった厳しい処分が下されることになります。
法定刑に懲役刑しか定められていない『強制わいせつ罪』などは、執行猶予がついても処分対象です。
逮捕から起訴されるまでの時間は、最大23日しかありません。前科とならない不起訴処分を目指すのであれば、ただちに弁護士へ相談しましょう。
被害者と示談をする
もし、実際に罪を犯し、被害者がいるのであれば、被害者と示談することをおすすめします。
被害者との示談成立は、事件の解決を意味します。そのため、その後の刑事処分に有利な事情として働く可能性が高いです。
ただし、被害者との示談は、以下の理由で弁護士に依頼するケースが一般的です。
- 捜査機関は、被害者の連絡先を明かさないため直接連絡することは不可能
- 被害者の感情を害するため示談を拒否される
- 解決の相場が分からずに混乱が生じる
被害者の連絡先の入手はもちろん、被害者感情に十分配慮して交渉してもらうためには、弁護士に依頼した方がよいでしょう。
冤罪である場合には罪を認めない
もし、身に覚えのないことで逮捕されてしまった場合、決して犯罪行為を認めるべきではありません。
取調べの際に作成される供述調書は、裁判時に強力な証拠となります。また、後からこれを覆すのは困難だからです。弁護士が来るまでは、黙秘を貫いた方が賢明でしょう。
業務上過失致死罪などの場合は、早い段階で弁護士と協力して、反論できる証拠などをそろえましょう。いずれにしても、ただちに弁護士へ相談することをおすすめします。
医師が逮捕された場合のその後
医師が逮捕された場合、その後どうなるのか、どういった処分が下されるのかについて解説します。
実名報道される
医師が逮捕された場合、実名報道されることが考えられます。警察の発表や、報道機関には、どういった事件を報道するのか明確な基準はないそうです。
しかし、公共性・社会性・話題性・重大性を総合的に判断して、報道するようですので、報道される可能性は十分にあるでしょう。
弁護士に依頼することで、逮捕直後の報道を回避するよう意見書を提出してもらうことが可能です。もっとも、有罪判決後に下される行政処分は、厚生労働省から公表されます。
それをメディアが報じることで、インターネット上に記録が残ることになってしまうでしょう。
懲戒解雇される
勤務医の場合、医療法人との間で結ばれた雇用契約によって、懲戒解雇とされることが考えられます。
雇用契約の内容にもよりますので、どういった処分が下されるのかは、病院側と調整することになるでしょう。
行政処分が下される
医師の行政処分は、免許取消・医業停止(業務停止)・戒告の3つがあります。
処分内容の決定に関しては、厚生労働省が公表している『医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について』にまとめられています。
それによると、処分の決定は、以下を参考にするとしています。
- 刑事処分の量刑・執行猶予の有無・裁判結果などを参考
- 刑事事件に至らない医療過誤(医療ミス)でも、明確な注意義務違反に認められる場合は処分対象となるなど
上記の処分が下されたとしても、欠格期間などを経て、再教育研修を受けることで、復帰することができます。
免許取消
逮捕されたことだけを理由に、医師免許を取り消されるということはありません。起訴され、罰金刑・懲役刑・執行猶予含む判決が下された場合は、免許を取り消される可能性があります。
再交付されるには、欠格期間を経る・再教育研修を受ける必要があります。
医師免許欠格期間
罰金 |
刑の執行後、罰金以上の刑に処せられずに5年を経過するまで |
執行猶予 |
執行猶予期間満了まで |
実刑 |
刑の執行満了後、罰金以上の刑に処せられずに10年経過するまで |
ただし、再教育研修を受けたからといって、再交付されるとは限らないようです。
医業停止
医業停止の場合、3年以内を目安として医療行為に携わることが禁止されます。医師免許の停止ともいいます。停止期間後、再教育研修を受けることで復帰することは可能です。
医師が逮捕された後の流れ
逮捕後の流れはこちらです。
- 逮捕後48時間以内に取調べ、検察へ送致(送検)
- 検察で24時間以内に勾留の要否を判断し、裁判所へ勾留請求
- 裁判所が勾留決定
- 勾留10~20日
逮捕後から勾留決定までの72時間は、家族であっても接見(面会)が許されません。勾留後も、犯罪の内容によっては、接見禁止処分が下される場合があります。
逮捕直後から勾留決定までの接見、接見禁止処分の接見が可能なのは弁護士だけです。
逮捕直後から早い段階で弁護士に相談することで、不利な供述を回避できるよう、助言などを受けることができます。まずは弁護士に相談してください。早ければ早いほど、早期の身柄解放に繋がるでしょう。
まとめ
医師免許の取消しをされた場合、再交付を受けることが難しいといわれています。「早い段階で弁護士に相談していればよかった…」と後悔しないように、まずは相談してください。
また、逮捕された被疑者でも、警察にお願いして当番弁護士を呼ぶことが可能です。
あなたが私選弁護人に相談する際は、刑事事件を扱った実績のある弁護士、事件の内容によっては医療過誤を扱った実績のある弁護士を選びましょう。
刑事事件を熟知している弁護士であれば、おのずと素早い対応をしてくれることでしょう。
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