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贈賄(罪)とは?構成要件・時効やバレて逮捕される理由までわかりやすく解説

贈賄(罪)とは?構成要件・時効やバレて逮捕される理由までわかりやすく解説
  • 「贈賄(罪)とはどんな罪?」
  • 「公務員に賄賂を贈ってしまった。自分は贈賄罪に問われるの?」

贈賄(罪)とは何か、自分の行為が贈賄罪として問われる可能性があるか調べていませんか。

自分や自社の利益になるよう、公務員に職務行為の対価として報酬を支払った場合、贈賄罪に問われる可能性があります。

そのため、贈賄罪の概要や要件などを把握しておきたいところです。

本記事では贈賄(罪)とは何かといった概要や構成要件、よく比較される収賄罪との違い、贈賄罪が警察にバレて逮捕されてしまう理由を解説しています。

贈賄罪に問われる不安があるなら、まずこの罪についての知識を把握しておくべきです。

本記事を読めば贈賄罪に関する基本的な知識を理解し、自分が罪に問われる可能性があるかや今後どうするべきかを把握できます。

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贈賄(罪)とは?|公務員へ賄賂を贈る側を罰する罪

贈賄(罪)とは公務員に対して賄賂を贈ったり、その約束をしたりした場合に適用される罪です。

賄賂を受け取る公務員側でなく、贈る側が贈賄罪にて罰せられることになります。

刑法において賄賂とは、公務員の職務行為に対して支払われる金銭などの対価です。

たとえば自社が不正に利益を得る目的で、公務員の職権を行使してもらう代わりに何がしかの報酬を支払うと贈賄罪が成立します。

贈賄罪の刑法条文

贈賄罪は、刑法第198条に規定されています。

(贈賄)

第百九十八条 第百九十七条から第百九十七条の四までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は二百五十万円以下の罰金に処する。

参照元:刑法|e-Gov 法令検索

刑法では、公務員に対して賄賂を「渡した場合」だけでなく、「渡すことを申し込んだ場合」や「約束した場合」も処罰の対象としています。

ここでいう「第百九十七条から第百九十七条の四まで」は、後述する収賄罪に関する規定を指します。

贈賄罪の読み方

贈賄罪は、「ぞうわいざい」と読みます。

賄賂とは金銭に限られない

贈賄罪における「賄賂」とは、金銭だけを指すものではありません。

公務員の職務に関して、不正な影響を与える目的で提供される利益全般が賄賂に含まれます。

具体的には、現金や商品券のほか、物品の提供、飲食や接待、旅行への招待、債務の免除、就職のあっせんなども、職務との関連性が認められれば賄賂とみなされる可能性があります。

形式や名目にかかわらず、職務への見返りとしての性質があるかどうかが判断の基準です。

贈賄罪の法定刑

贈賄罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金です。

贈賄罪には複数の類型はなく、賄賂の内容や金額にかかわらず、刑法上の法定刑は一律に定められています。

実際の処分では、賄賂の額、動機、常習性の有無、反省の程度などが考慮され、起訴・不起訴や量刑が判断されます。

贈賄罪の構成要件

まず、贈賄罪の主体に制限はありません

公務員に職務行為の対価として賄賂を贈る者は、贈賄罪の対象となります。

次に、賄賂とは、公務員の職務に関連して、その職務行為に対する対価として供与される一切の利益を指します。

職務行為が違法であるか適法であるかは問いません。

公務員の職務と関係のない純粋に私的な交際上の金銭授受や、職務への影響力がまったく認められない場合には、原則として賄賂には該当せず、贈賄罪は成立しません。

重要なのは、その利益が職務に対する見返りとして評価できるかどうかです。

また、賄賂の供与などの相手は原則として公務員であることが必要ですが、法令により公務員とみなされる者(いわゆる「みなし公務員」)も含まれます。

たとえば、国や地方公共団体が強い監督権限を有する法人の役職員などについて、特別法により公務員とみなす規定が置かれている場合があります。

このようなみなし公務員に対する賄賂の供与なども、贈賄罪の対象となります。

さらに、将来公務員となる者に対し、その将来の職務に関して賄賂を供与などした場合には、事前贈賄として処罰される可能性があります。

贈賄罪は、賄賂を実際に渡した場合だけでなく、申込みや約束をした段階でも成立します。

収賄罪と贈賄罪の違いは賄賂を受け取る側か贈る側か

贈賄罪と収賄罪(しゅうわいざい)は、よく混同されたり比較されたりします。

これらの違いがわからないという方も多いでしょう。

収賄罪と贈賄罪の違いは、犯罪主体です。

収賄罪は賄賂を受け取る側である公務員のみが成立する身分犯であるのに対し、贈賄罪は賄賂を贈る側が対象であり、誰でも犯罪主体となりえます。

法定刑にも差があり、公務員としての職責の重さを反映して、収賄罪の方が贈賄罪より重い刑罰が科されます

収賄罪には複数の加重類型がありますが、贈賄罪にはこのような類型はありません。

両罪は対向犯の関係にあり、通常は同時に成立しますが、片方のみが成立する場合もあります。

たとえば、公務員が職務に関して賄賂を要求したものの相手が応じなかった場合でも、「要求」の時点で収賄罪は成立します。

一方で、相手方には賄賂の供与や申込みがないため贈賄罪は成立しません。

また、一般人が公務員に対して賄賂を申し込んだが公務員がこれを拒否した場合には、申込みの時点で贈賄罪が成立し収賄罪は成立しません。

また、両罪はいずれも故意犯であり、賄賂性と職務関連性の認識が必要です。

接待や贈答が賄賂に該当するかは、金額・慣行・関係性などの個別事情とともに、職務との対価関係が認められるか否かを基準に判断されます。

贈賄罪に時効はある?

贈賄罪にも公訴時効が定められており、時効期間は3年です。

これは、贈賄罪の法定刑が「3年以下の拘禁刑(または250万円以下の罰金)」とされていることを前提に、刑事訴訟法において法定刑の長期を基準として定められた公訴時効期間に対応しています。

一方、収賄罪の公訴時効は、贈賄罪よりも長く設定されています。

収賄罪にはいくつかの類型がありますが、たとえば通常の単純収賄罪(刑法197条1項)の法定刑は5年以下の拘禁刑とされており、公訴時効は5年です。

さらに、公務員が賄賂の見返りとして不正な職務行為を行った場合などに成立する加重収賄罪については、法定刑がより重く、1年以上の有期拘禁刑とされているため、公訴時効は10年となります。

贈賄罪が警察にバレて逮捕されてしまう主な理由

収賄や贈賄は当事者間で秘密裏におこなわれることが多いものの、実務上はさまざまなきっかけから発覚し、捜査の対象となっています。

代表的な発覚の端緒としては、国税局や税務署による税務調査、社員や元社員による内部通報、競合他社からの告発、定期的な外部監査、合弁相手や取引先による内部調査などが挙げられます。

なかでも、税務調査を契機として贈賄行為が疑われるケースは少なくありません。

税務当局は犯罪捜査機関ではありませんが、使途不明な支出や架空経費の計上、不自然な外注費・交際費などを調査する過程で、賄賂性が疑われる取引を把握することがあります。

たとえば売上や利益が短期間で大きく変動した企業や、不正入札などを背景に多額の利益を計上していると疑われる企業は、調査対象となる要因のひとつになり得ます。

その過程で贈賄の疑いが強まった場合、税務当局から検察などの捜査機関に情報提供や告発がなされ、刑事捜査へと発展することがあるのです。

必ずしも自社への税務調査が発端となるとは限らず、取引先への調査をきっかけに、関連企業へと調査が波及する、いわゆる芋づる式の発覚に至るケースもあります。

このように、税務調査や内部通報を契機として贈賄行為が把握され、捜査の結果、事案の内容や証拠関係、証拠隠滅や逃亡のおそれの有無などを踏まえて、逮捕や在宅捜査がおこなわれることになります。

時効が成立するまで逮捕される可能性はなくならない

贈賄罪には公訴時効が定められていますが、その時効が完成するまでは、逮捕される可能性が法的に完全になくなるわけではありません

過去の行為であっても、公訴時効期間内であれば、証拠や関係者の供述などに基づいて捜査がおこなわれ、事案の内容や証拠関係、逃亡や証拠隠滅のおそれの有無などを踏まえた上で、逮捕に至ることがあります。

とくに、帳簿や会計記録、電子データなどの客観的証拠が残っている場合や、内部通報や関係者の供述によって事実関係が明らかになった場合には、行為から一定期間が経過した後に問題となることもあります。

もっとも、公訴時効が完成した後は、贈賄罪について起訴や処罰はできず、逮捕されることもありません。

そのため、時効完成前と完成後とでは、法的な取り扱いが大きく異なります。

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贈賄罪での逮捕から刑事裁判までの流れ

贈賄罪の容疑で逮捕された場合、刑事手続きは法律で定められた時間制限のもと、段階的に進みます。

逮捕から起訴されるかどうかが判断されるまでの期間は比較的短く、特に初期段階での対応が、その後の処分や結果を大きく左右します。

【逮捕後48時間】警察による取り調べ~検察への送致

贈賄罪の被疑者として逮捕されると、警察署の留置場で身柄を拘束されたうえで、事件に関する取り調べを受けます

警察は、逮捕から48時間以内に、事件と身柄を検察官へ送致しなければなりません。

この段階では、家族や知人との面会は原則として制限され、接見交通権を有する弁護士のみが面会できます。

警察から検察への送致後も、検察官による取り調べがおこなわれます。

【送致後24時間】検察官が勾留(継続的な身柄拘束)をするか判断

検察官は、事件の送致を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放するか、または引き続き身柄を拘束するために勾留を請求するかを判断します。

勾留が必要と判断された場合、検察官は裁判官に対して勾留請求をおこないます。

勾留請求がなされると、裁判官は被疑者に対する勾留質問を実施し、罪を犯したと疑う相当な理由があるか、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるかなどを考慮したうえで、勾留の可否を決定します。

【最大20日間】勾留中に検察官が起訴するかを判断

勾留が認められた場合、勾留期間は原則として10日間とされ、さらに必要があるときは追加で10日間の延長が可能です。

そのため、勾留期間は最大で20日間に及びます。

この期間中も警察および検察による取り調べが続けられ、検察官は、被疑者を起訴するか、不起訴とするか、あるいは処分を保留するかについて判断します。

不起訴となった場合は釈放され、刑事裁判は開かれず、前科が付くこともありません。

一方で起訴された場合には、被疑者は被告人となり、刑事裁判を受けることになります。

【起訴後約1ヵ月】刑事裁判の開始

起訴されると刑事裁判が開かれ、贈賄罪が成立するかどうか、またどのような刑罰が科されるかについて審理がおこなわれます。

身柄事件の場合、保釈が認められない限り、裁判が終結するまで身体拘束が続くこともあり、仕事や日常生活に大きな影響を及ぼすおそれがあります。

日本では起訴され刑事裁判になれば有罪になる確率が極めて高いことから、前科を避けるためには、起訴される前の段階で不起訴処分を目指した適切な対応が重要です。

贈賄罪で弁護士に相談・依頼すべき理由

贈収賄事件の被疑者として逮捕された場合や、任意で取り調べを受けることになった場合には、速やかに弁護士へ相談し、法的サポートを受けることが強く推奨されます。

贈賄罪は、捜査初期の対応によって、勾留されるかどうか、不起訴となるか、それとも起訴されて前科が付くかといった結果が大きく左右される犯罪類型です。

とくに重要となるのが、贈賄の事実が存在するのか、その行為が法的に「賄賂」と評価されるのかという点です。

刑事責任が否定される可能性があるにもかかわらず、不用意な供述によって不利な状況を招いてしまうケースも少なくありません。

実際に賄賂の提供がなく、事実無根の容疑をかけられている場合には、容疑を否定するための一貫した供述方針を早期に確立し、帳簿、契約書、メール、送金記録などの客観的証拠を整理する必要があります。

一方で、日本の刑事手続では、原則として取り調べに弁護士が同席することはできません。

そのため、事前に弁護士と十分に打ち合わせをおこない、どの点を話すべきか、どの点については黙秘権を行使すべきかといった対応方針を明確にしておくことが不可欠です。

状況によっては、黙秘権の行使が被疑者にとって最善の選択となる場合もあります。

贈収賄事件を含む刑事事件の解決実績が豊富な弁護士に依頼することで、事件内容や証拠関係を精査したうえで、

  • 認めるべき事実と否認すべき事実の整理
  • 不利な供述調書が作成されることを防ぐための対策
  • 検察官に対する意見書の提出や説明

といった実践的な弁護活動を受けることができます。

また、弁護士は、勾留請求に対する意見提出や準抗告、身元引受人の調整などを通じて、早期釈放や在宅捜査への切り替えを目指す活動をおこなうことも可能です。

起訴前においては、不起訴処分や略式手続を目指した交渉をおこなうことも、弁護士に依頼する大きなメリットのひとつです。

さらに、贈収賄事件では、企業や団体が関与しているケースも多く、社内調査への対応、関係者への聴取方法、二次被害や行政処分・税務リスクへの対応など、刑事手続以外の問題も併発しがちです。

弁護士に早期に相談することで、これらのリスクを見据えた総合的な対応を取ることができます

このように、贈収賄事件において早期に弁護士へ依頼することは、単なる「相談先」を超え、逮捕・勾留・起訴といった重大な不利益を回避・軽減するための重要な手段となります。

さいごに|贈賄罪での逮捕・起訴が不安であれば弁護士に相談を!

贈賄罪は、成立要件や評価の仕方が複雑で、「どこからが犯罪にあたるのかわからない」と不安を感じる人も少なくありません。

金銭の授受がなくても、申込みや約束の段階で成立する場合があり、意図せず刑事責任を問われるおそれがあります。

また、発覚のきっかけは多様で、時効が成立するまで捜査や逮捕の可能性が完全になくなるわけではありません。

逮捕された場合には、短期間のうちに起訴・不起訴が判断されるため、初動対応が結果を大きく左右します。

贈賄罪に該当するか判断に迷っている場合や、すでに捜査の対象となっている場合には、刑事事件の実績がある弁護士にぜひ一度相談してください

早い段階で相談することで、自身の状況を整理できるだけでなく、逮捕や起訴を回避できる可能性が高まります。

不安を感じているのであれば、ひとりで抱え込まず、専門家のアドバイスを受けながら解決を図りましょう

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この記事の監修者
木村 洋平 (神奈川県弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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