被害届を出されたらどうなる?その後の流れや対処法を解説
被害届を出されたと知ったとき、「逮捕されるのか」「会社や家族に知られてしまうのか」と不安を感じるのは当然です。
ただし、被害届が出されたからといって、逮捕や周囲への発覚が避けられないわけではありません。
正しい知識を持って早めに対処すれば、不利益を回避できる可能性は十分にあります。
本記事では、被害届が出された後の流れ、逮捕されるケースとされないケースの違い、被害届を取り下げてもらう方法などを解説します。
今後の対応を知るための参考にしてください。
被害届を出されたらどうなる?その後の流れ
被害届を出されたあとは、おおよそ以下のような流れで手続きが進みます。
- 警察が被害届を受理する
- 事件性があると判断したら捜査を開始する
- 警察から連絡が来る/逮捕される
- 警察署で取り調べを受ける
- 起訴・不起訴が決定される
ここでは、それぞれの手続きを詳しく解説します。
1. 警察が被害届を受理する
被害者が警察に被害届を提出したあと、警察は内容を確認したうえで原則として受理します。
被害届は、犯罪被害の事実を警察に申告する書類です。
被害届の受理とは、被害の申告を警察が公式に受け付けたことを意味します。
警察は、原則として被害届を受理しなければなりません。
しかし、実際には以下のようなケースで受理されないことがあります。
| 被害届が受理されないケース | 理由 |
| 民事上の金銭トラブル | 警察が介入すべき刑事事件に該当しない |
| 被害が軽微 | ほかの重要事件の捜査が優先される |
| 事件発生から相当程度時間が経過している | 公訴時効が完成している、または証拠収集が困難と判断される |
| 明らかに事件性がない | 犯罪の構成要件を満たさない |
被害届が受理されなければ、逮捕や起訴に至る可能性は低くなります。
2. 事件性があると判断したら捜査を開始する
警察が被害届の内容を精査し、事件性があると判断すれば、正式な捜査が始まります。
捜査が始まると、現場検証・関係者への事情聴取・防犯カメラの解析といった捜査がおこなわれます。被疑者が特定された段階で、次のステップへ進みます。
この段階では、被害届を出された側に連絡が来るとは限りません。
水面下で捜査が進められるケースも多いです。
3. 警察から連絡が来る/逮捕される
捜査が進み関与が疑われる被疑者として特定されると、警察から連絡が来ます。
連絡が来るまでの期間は、事案によって大きく異なります。
すぐに犯人が特定できる事件では数日以内に連絡が来る場合もありますが、証拠収集に時間がかかる事件では数ヵ月後~数年後になることもあります。
連絡があった場合、任意出頭を要請されるのが一般的です。
ただし、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば、そのまま逮捕されるケースもあります。
逮捕の要件については、「被害届が出されても必ず逮捕されるわけではない」内で詳しく解説します。
4. 警察署で取り調べを受ける
警察から連絡が来た場合は、任意出頭によって警察署へ赴き取り調べを受けます。
逮捕された場合は、警察署に連行された後に取り調べを受けます。
取り調べでは、事件当日の行動・動機・状況などについて細かく確認され、その内容をまとめた「供述調書」が作成されます。
最後に署名・押印を求められますが、事実と異なる内容が記載されている場合は、サインを拒否する権利があります。
調書に一度サインしてしまうと、内容を訂正するのが難しくなります。
署名前に内容を慎重に確認してください。
5. 起訴・不起訴が決定される
警察の捜査が終わると、事件が検察官に送致されます。
その後、検察官が証拠や事件の内容を検討し、起訴するかどうか判断する流れです。
起訴されて有罪判決が確定すると、拘禁刑や罰金刑といった刑罰を受けるうえに前科がつきます。
前科がつくと、就職・資格取得・海外渡航といった日常生活のさまざまな場面に悪影響が及ぶおそれがあります。
一方、不起訴になれば刑事裁判はおこなわれず、前科もつきません。
被害届が出されても必ず逮捕されるわけではない
被害届が出され被疑者として特定されたからといって、必ず逮捕されるわけではありません。
逮捕されるには、以下の2つの要件を満たす必要があります。
- 被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある(刑事訴訟法199条1項)
- 逃亡または罪証隠滅(証拠隠滅)のおそれがある(刑事訴訟規則143条の3)
逮捕の要件を満たすかどうかや、罪の種類・証拠の状況・被疑者の態度によって、その後の展開は大きく以下の3つに分かれます。
- 逮捕される
- 在宅事件になる
- 逮捕も在宅事件化もされない
ここでは、それぞれの展開になりやすいケースを詳しく解説します。
逮捕されやすいケース
逮捕状が請求されるのは、警察が「逃亡のおそれ」または「証拠隠滅のおそれ」があると判断した場合です。
以下のようなケースでは、逮捕される可能性が高くなります。
- 住所不定・身元不明、または定まった住居や職業がなく、出頭の確保が困難なケース
- 被害者や関係者に接触し、口止めや証拠隠滅を図ったと疑われる事情があるケース
- 証拠を隠滅・改ざんするおそれが、客観的事情から認められるケース
逮捕を回避するには生活基盤を明確にし、逃亡や証拠隠滅を疑われるような行動は避けましょう。
そのうえで捜査に協力する姿勢をみせることが重要です。
逮捕されにくい(在宅事件となる)ケース
逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断された場合、逮捕されずに在宅事件として捜査が進みます。
具体的には以下のようなケースです。
- 万引きや痴漢など比較的軽微な犯罪の初犯であり、逃亡の恐れがなく被害者も厳罰を望んでいない
- 定まった住所があって家族と同居しており、身元がはっきりしている
- 証拠がすでに警察に確保されており、証拠隠滅のおそれがない
- 警察の呼び出しに素直に応じ、反省の態度を示している
注意が必要なのは、万引き・痴漢といった比較的軽微な犯罪だからといって、必ずしも在宅事件になるわけではない点です。
本人の反省や逃亡・証拠隠滅の恐れがないなど、ほかの条件にもあてはまる場合に在宅事件となる可能性が高くなります。
一方で殺人罪のような重大犯罪では身元がはっきりしていても、逃亡や証拠隠滅の恐れがあるとされ在宅事件になる可能性は極めて低いです。
在宅事件になれば、日常生活を続けながら警察の呼び出しに応じる形で捜査に協力します。
普段通りの生活を送れるので、会社や学校に発覚するリスクは下がります。
ただし、在宅事件でも起訴され有罪となれば前科がつくことは変わりません。
在宅事件について詳しくは以下記事を参照ください。
逮捕されることも在宅事件になることもないケース
被害届が提出されても、以下のようなケースでは逮捕されることも在宅事件になることもありません。
- 事件性がないと警察が判断した
- 捜査しても被疑者の特定ができなかった
- 証拠が不十分で立件が困難と判断された
- 被害が極めて軽微で微罪処分となった
微罪処分とは、犯罪が極めて軽微で、被害が回復済みなどの条件を満たした場合に、検察への送致をせず警察段階で事件を終了させる処分です。
微罪処分になった場合、警察から厳重注意を受ける程度で家に帰されます。
警察に検挙されても、微罪処分で済むケースは少なくありません。
「令和7年 犯罪白書」によれば、令和6年に検挙された全人員のうち25.0%は微罪処分だったとのことです。
微罪処分になれば起訴されないため、前科はつきません。
微罪処分について、詳しい情報は以下記事を参照ください。
被害届が出されたか確認するのは難しい?
被害届が出されたかどうかを、警察に検挙される前に確認する確実な方法はありません。
警察は、捜査の実効性や関係者の権利・名誉を守る必要から、捜査に関する情報を原則として外部に明らかにしないためです。
一方で弁護士を通じて警察に示談の申し入れをすることで、その際の警察の反応から捜査の進行状況をある程度推測できる場合があります。
ただし、弁護士を通じても被害届の有無を確実に確認できるわけではありません。
そのため、被害届が出されている可能性がある段階で、被害届の取り下げに向けて行動しておくのが安心です。
被害届を出されたまま放置するデメリット
被害届を出されたまま放置していると、さまざまなデメリットが生じる可能性があります。
ここでは、そのなかでも特に気を付けたい4つのデメリットをみていきましょう。
突然逮捕されるリスクがある
被害届が出された可能性があっても、放置していれば何の予兆もなく突然逮捕されるリスクがあります。
警察は被疑者に気づかれないよう、水面下で捜査を進めます。
「まだ大丈夫だろう」と思っていても、警察がある日突然自宅に来る事態も十分に起こりえます。
会社・学校・家族に事件が発覚する
逮捕されれば、会社・学校・家族に発覚するリスクが一気に高まります。
警察が被疑者の自宅に赴くと、事件を起こしたことが同居の家族に知られてしまいます。
自宅以外の場所で本人を逮捕したときでも、警察から家族に連絡が入るケースが多いです。
逮捕により身体を拘束されると出勤や通学ができなくなるため、会社や学校への連絡は避けられないでしょう。
逮捕されたことがバレると、懲戒解雇や退学処分を受けるおそれもあります。
長期間身柄を拘束される
逮捕されると、長期にわたる身柄拘束を受ける可能性があります。
まず警察署の留置施設に収容され、最長3日間拘束されます。
その後、事件が検察に送られ、勾留が認められるとさらに最長20日間の拘束が続きます。
つまり、起訴・不起訴が決定するまでの段階で最長23日間にわたって自由を奪われる可能性があるわけです。
起訴され拘禁刑になれば、言うまでもなくさらに長期間身柄を拘束されることになります。
拘束中は、家族との面会や外部への連絡も制限されます。
仮に不起訴となり釈放されたとしても、拘束期間の収入が途絶えるリスクがあります。
逮捕後の流れについて詳しくは、以下の記事も参照ください。
刑罰を受け、前科がつく
起訴された場合、ほぼ確実に有罪判決が下されます。
罰金刑や執行猶予で済むケースもありますが、実刑判決となれば刑務所に服役しなければなりません。服役期間は罪の重さによって異なりますが、重大な事案では数年以上になるケースもあります。
また、有罪判決が確定すると、前科がつきます。
前科がつけば、就職や転職活動に支障が生じたり、海外の国によっては渡航できなくなったりなどの影響は避けられません。
前科のデータは検察庁や警察に残るので、前科がない場合に比べ、今後何らかの罪で検挙された場合は罪が重くなる可能性が高まります。
このように、前科がつくデメリットは少なくないので注意しましょう。
以下記事では、前科が付くデメリットについて、より詳しく解説しているので興味があれば参照ください。
被害届を取り下げてもらう方法
放置によるデメリットを回避するためには、被害届を取り下げてもらう必要があります。
早い段階で、取り下げに向けた対応を開始しましょう。
以下、被害届を取り下げてもらうための主な方法を解説します。
真摯に謝罪し反省を伝える
まず、被害者に対して謝罪と反省の気持ちを伝えることは、問題解決に向けた第一歩となり得ます。
被害者が加害者に対して怒りや処罰感情を抱いている場合もあり、謝罪の伝え方次第では、対話の機会が限られてしまうことも考えられます。
そのため、相手の心情に十分配慮することが重要です。
誠意を伝える手段として、言葉選びに注意しながら謝罪文を作成し、被害者に届ける方法があります。その際、安易な言い訳や自己弁護を避け、自身の行為について真摯に向き合う姿勢を示すことが望ましいでしょう。
また、加害者本人が直接連絡を取ることについては、被害者にとって心理的な負担となる可能性も指摘されています。
状況によっては、弁護士などの第三者を通じて謝罪の意思を伝え、冷静かつ客観的な立場で調整をおこなうことも、ひとつの選択肢となります。
示談を成立させる
謝罪の意思を伝えたら、次は示談交渉に進みましょう。
示談交渉とは、加害者と被害者が事件の解決条件について話し合い、合意を目指す流れです。
主に、示談金の金額や支払い方法といった条件を協議します。
示談が成立し、被害者が加害者を許す(宥恕する)意思を示してくれれば、被害届を取り下げてくれる可能性が高まります。
警察に逮捕されたり在宅事件になったりしたあとであれば、示談の成立で不起訴処分も獲得しやすくなります。
時間が経つほど被害者の感情は固まり、交渉が難航するリスクが高まります。
できるだけ早く交渉の準備を始めましょう。
刑事事件における示談については、以下記事で詳しく解説しています。
興味があればあわせて参照ください。
被害届取り下げ書を作成・提出する
示談が成立したら、速やかに被害届の取り下げ書を作成・提出してもらいましょう。
被害者が「被害届取り下げ書」を作成し、被害届を提出した警察署へ提出すれば、取り下げの意思を警察に伝えられます。
取り下げ書に決まった書式はありませんが、被疑者や事件の内容を記載し、どの事件に関する書面かを特定したうえで、取り下げの意思を明記するのが一般的です。
取り下げ書の提出により、被害者が処罰を望んでいないという意向を捜査機関に明確に示せます。
被害届を取り下げてもらう際の注意点
早く被害届を取り下げてもらいたいという焦りから、誤った行動をとると、かえって状況を悪化させるおそれがあります。
そのため、被害届を取り下げてもらう際の注意点を理解しておきましょう。
主な注意点は、以下の4つです。
被害者に直接連絡しない
連絡先を知っていても、加害者本人が被害者に直接連絡するべきではありません。
被害者は加害者に対して強い恐怖心を抱いている場合があります。
謝罪のつもりで連絡しても、被害者の感情を悪化させてしまう可能性が高いです。
また被害者に直接連絡することで、警察に「証拠隠滅を試みた」と捉えられてしまうことも否定できません。
被害者に対して連絡を取る必要がある場合は、弁護士に任せるべきです。
知人に示談交渉を頼まない
直接連絡するのが危険だからといって、示談交渉の仲介を知人に頼むのも控えましょう。
加害者の知人からの連絡でも、被害者の感情を逆なでしてしまう可能性があります。
警察に「証拠隠滅をはかった」と疑われてしまうことも否定できません。
また法律のプロでなければ、ケースにあった適切な相場で示談金を決めるのは困難です。
知人に示談交渉を任せた場合、不利な条件で合意してしまうことも十分に考えられます。
示談交渉は、弁護士に任せるのが確実で安心です。
脅迫したり取り下げを強要したりしない
「被害届を取り下げないと危害を加える」などと、被害者を脅したり強要したりするのは絶対にNGです。
相手の恐怖心につけ込んで義務のない行為をさせたり、危害を加える旨を伝えたりすれば、脅迫罪・強要罪が成立する可能性があります。
示談書や取り下げ書を無理やり書かせた事実が発覚すれば、示談自体が無効になるリスクもあります。
金銭を要求されても安易に応じない
被害届を取り下げる条件として、被害者側から高額な金銭を要求されるケースがあります。
個人だけでは、要求された金額が妥当かどうかを判断するのは困難です。
また、一度でも支払ってしまうと、さらなる要求をされる口実を与えかねません。
追加請求が繰り返されるリスクもあります。
金額を提示されたら、示談金として適切かどうかを検討したうえで、書面による合意を取り交わす必要があります。
ただし自分だけで示談金額が適切か判断するのも難しいことから、被害者に金銭を要求されたら弁護士にアドバイスを求めるべきです。
被害届を出された際に弁護士に相談・依頼するメリット
ここまで解説した謝罪・示談・被害届の取り下げ依頼といった対応には、専門的な知識やノウハウが求められます。
個人だけで進めるのは現実的ではありません。
だからこそ、早い段階で刑事事件が得意な弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。
弁護士に相談・依頼すれば、ここまで紹介した対応を代理してもらえるだけでなく、以下のようなメリットも得られます。
逮捕や起訴を回避しやすくなる
弁護士は、「被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがない」と説明する意見書を警察・検察に提出するなど、逮捕を回避するための活動をしてくれます。
また、示談交渉を早期に成立するための活動などをすることで、起訴を回避できる可能性が高まる点も大きなメリットです。
逮捕のタイミングは予測できません。
被害届を出された可能性がある段階で弁護士に相談すれば、逮捕・起訴のリスクを減らせます。
被害者と示談交渉ができる
一般的に被害者は、加害者本人には連絡先を教えてくれません。
しかし示談交渉を目的として、弁護士が聞いてきた場合は、連絡先を開示してくれる可能性が高まります。
そして弁護士であれば、相場に基づいた示談金の提示や、宥恕文言・被害届の取り下げ条項を含んだ示談書の作成なども可能です。
不当な高額請求には毅然と対応しながら、適正な条件での合意を目指せるのも弁護士に依頼するメリットです。
事件のことが周囲にバレる可能性を軽減できる
弁護士が捜査機関との連絡窓口となり、自宅や職場への不必要な連絡を控えるよう働きかけてもらえます。
また、弁護士の活動によって逮捕や長期の身柄拘束を回避できれば、学校や会社を休まなければならなくなる期間も短くできます。
これらのことから、弁護士が介入することで、周囲に事件がバレてしまう可能性を軽減できるわけです。
被害届を出されたときのよくある質問
被害届を出されたときに多く寄せられる疑問に回答します。
被害届と告訴・告発の違いは?
被害届・告訴・告発はいずれも、捜査機関に犯罪事実を申告する点で共通していますが、それぞれの概要は、以下のとおり異なります。
- 被害届:被害者が犯罪被害があった事実を警察に知らせる届出
- 告訴:被害者などが犯人の処罰を求めて捜査機関におこなう申立て
- 告発:被害者以外の第三者が、犯罪事実と犯人の処罰を求めておこなう申立て。
ご覧のように、それぞれの概要は異なります。
そのほかの詳細な違いは、以下比較表をご覧ください。
| 項目 | 被害届 | 告訴 | 告発 |
| 主な目的 | 被害事実の申告 | 処罰の要求 | 処罰の要求 |
| 提出できる人 | 原則として被害者本人 | 被害者もしくは代理人 | 制限なし (被害者以外でも可能) |
| 犯人への処罰意思が含まれるか | 含まれない | 含まれる | 含まれる |
| 警察に捜査義務が生じるか | 生じない | 生じる | 生じる |
| 結果通知 | なし | あり | あり |
| 取り下げの可否 | いつでも可能 | 公訴提起前まで可能 | いつでも可能 |
| 期間制限 | なし | 原則なし ※親告罪は犯人を知った日から6ヵ月以内。 | なし ※親告罪は告発不可 |
被害者が告訴をおこなえば、被害届の提出と違い警察に捜査義務が生じます。
ただし告訴状は犯罪要件や法律知識に基づいて具体的に記載する必要があり、被害届に比べ作成の難易度が高いです。
被害届を出すと脅されたらどうすべき?
被害者が被害届の提出を示唆するだけであれば、原則として脅迫には該当しません。
ただし、「被害届を出されたくなければ100万円を支払え」などと不当な金銭を要求してきた場合は、恐喝罪(刑法249条)にあたる可能性があります。
脅されていると感じた場合は、必要に応じて警察などへ提出できるようにLINEのやり取りや会話の録音といった証拠を残しておきましょう。
対応に困った場合は、相手の脅しに応じるのでなく弁護士や警察に相談することが強く推奨されます。
被害届を出された後に連絡がこない場合は?
連絡がなくても捜査が水面下で進んでいる可能性があるため、油断して放置するのは危険です。
警察が防犯カメラの解析や関係者への聞き込みといった内偵捜査を進めている場合、連絡が来るまでに数ヵ月から半年以上、ケースによっては年単位で時間がかかるケースもあります。
証拠が揃った段階で、ある日突然逮捕に踏み切られることも十分に考えられます。
不安が続くようであれば、早めに弁護士に相談するのがおすすめです。
被害届の取り下げ時期に決まりはある?
被害届の取り下げに法律上の期限はありません。
ただし、取り下げのタイミングが早いほど有利に働きます。
| 取り下げのタイミング | 期待できる効果 |
| 捜査段階 | 軽微な事案であれば、捜査が打ち切られる可能性がある |
| 起訴・不起訴の決定まで | 不起訴処分となり、前科がつかない可能性が高まる |
| 判決が出るまで | 前科はつくが、執行猶予や刑期の短縮につながりやすくなる |
検察官の判断が下される前に取り下げてもらえるかどうかで、前科を回避できるかが変わります。
できるだけ早く示談交渉をスタートさせましょう。
まとめ|被害届を出されたら弁護士へ相談を
本記事では、被害届が出された後の捜査の流れ、逮捕されやすいケース、被害届を取り下げてもらう方法などをわかりやすく解説しました。
被害届が受理されると警察の捜査が始まり、任意出頭の要請や逮捕へと進む可能性があります。
逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されれば逮捕、そうでなければ在宅事件として捜査が進みます。
逮捕や起訴を回避するには、被害者への謝罪・示談の成立・被害届取り下げ書の提出といった対応を、できるだけ早く進めるのが重要です。
ただし、これらの対応を弁護士なしで進めるのは現実的ではありません。特に示談交渉は、弁護士なしでは被害者側が連絡先さえ教えてくれない可能性が高いです。
時間が経つほど対応の幅は狭まり、状況は不利になっていきます。
被害届を出された可能性がある時点で弁護士に相談し、示談交渉の準備を始めましょう。
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