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詐欺の受け子で逮捕されたら初犯でも実刑?刑期や逮捕事例を紹介

詐欺の受け子で逮捕されたら初犯でも実刑?刑期や逮捕事例を紹介

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詐欺の受け子をして逮捕された場合、たとえ初犯であっても実刑判決が下されることも珍しくありません

未成年者であっても、14歳以上であれば逮捕されます。

以下は特殊詐欺事件の統計ですが、被害額は2014年(約566億円)をピークに減少しているものの認知件数は増加傾向にあり、2019年には約1万7,000件も発生しています。

引用元:特殊詐欺認知・検挙状況等について

特にオレオレ詐欺のような特殊詐欺については、犯罪組織の資金源になるなど社会的な影響が大きいことなどもあり、厳罰化が進んでいる犯罪の一つです。

この記事では、詐欺の受け子をして逮捕された場合の罰則や逮捕後の流れ、逮捕された場合の対処法などを解説します。

ご家族が詐欺の受け子として逮捕された方へ

詐欺罪で逮捕されて実行判決を受けた場合、10年以下の懲役刑が科されます。

特殊詐欺については社会的な影響が大きく、犯罪組織の資金源になっているケースもあるため、厳しい対応になることが予想されます。

 

少しでも状況の改善を目指している方は、弁護士への依頼がおすすめです。

詐欺事件の場合、弁護士は以下のようなことができます。

 

  • 取調べの助言
  • 被害者との示談・被害の弁済
  • 保釈の請求
  • 具体的な再犯防止策の提案
  • 犯罪組織との関係断絶 など

 

初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、まずはお気軽にご相談ください。

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※弁護士には守秘義務があるので、相談内容が第3者に開示されることはありません。安心してご相談いただけます。詳細:弁護士職務基本規程第23条

詐欺の受け子をして逮捕された事例

詐欺の受け子については、被害者からお金を受け取る際に張り込んでいた警察に逮捕されるというケースが多いようです。

ほかにも共謀していた被疑者の供述から発覚したり、「声をかけたら逃げ出した」「現金を大量に持っていた」「未成年者なのにスーツを着ていて不審な動きをしていた」など、職務質問がきっかけとなったりすることもあります。

まずは、詐欺の受け子をして逮捕された事例を紹介します。

オレオレ詐欺で現金を騙し取ったケース

20代の男性が孫になりすまし、80代の女性に「アルバイト先のお金で借金を支払ってしまったので現金を用意してほしい」と電話で伝えて、現金500万円を騙し取ったという事件です。

男性は容疑を否認しているものの、警察は男性が特殊詐欺グループで受け子を担当していたとみて捜査を続けています。

警察官と偽って通帳を騙し取ったケース

20代の男性が警察官になりすまし、80代の女性に「銀行の口座が勝手に使われている」などと電話で伝えたのち、女性宅を訪れて通帳を盗み現金50万円を引き出したという事件です。

警察は、男性が特殊詐欺グループで受け子を担当していたとみて関連について捜査しています。

全国銀行協会の職員と偽ってキャッシュカードを騙し取ったケース

10代の少年が全国銀行協会の職員になりすまし、70代の女性に「キャッシュカードが不正利用されています」「職員がカードを取りに行きます」などと電話で伝えたのち、女性宅を訪れてキャッシュカードを騙し取って現金200万円を引き出したという事件です。

警察は、少年が特殊詐欺グループで受け子を担当していたとみて詳しい捜査を続けています。

参考
詐欺グループの受け子か…16歳逮捕 高齢女性からキャッシュカード詐取の疑い 200万円引き出される

詐欺の受け子をして逮捕された場合の罰則

ここでは、詐欺の受け子をして逮捕された場合の罰則について解説します。

詐欺罪の内容

受け子は詐欺罪にあたり、10年以下の懲役刑が科されます(刑法 第246条)。

なお罰金刑はありません

詐欺は未遂であっても罰則対象となり、せいぜい裁判官の判断で刑が軽減される程度です。

特殊詐欺については社会的な影響が大きく、犯罪組織の資金源になっているケースもあるため、甘く見てもらえることはないと考えた方が良いでしょう。

執行猶予がつくケース

執行猶予については要件が定められており、以下に該当すれば執行猶予がつく可能性があります(刑法第25条1項)。

  • 判決が懲役3年以下
  • これまで禁錮刑以上の刑に処されたことがない
  • 刑の終了から5年以内に禁錮刑以上の刑を受けていない
  • ※過去に禁錮刑以上の刑に処されている場合

ただし、これはあくまでも「執行猶予をつけることができる」という意味であり、必ずしも執行猶予がつくわけではありません。

10年以上の懲役刑が科されるケース

場合によっては、詐欺の受け子をして逮捕されたのち、10年以上の懲役刑が科されることもあり得ます。

たとえば「複数の詐欺事件に関与して同時に裁判を受けている」というケースでは、刑が加重されて刑期の上限が1.5倍(15年)になります。

また「以前にも懲役刑を受けており、出所後5年以内に罪を犯した」というケースでは、刑期の上限がもとの罪の長期の2倍以下(20年以下)となります。

ただし有罪判決を受けたすべての詐欺が一律で15年・20年以下とされるわけではなく、被害額や内容なども考慮したうえで、上記の間で決定されます。

詐欺の受け子をして逮捕されたら初犯でも実刑になる?

詐欺罪は罰金刑のない比較的厳しい刑罰であり、たとえ初犯であっても実刑判決が下る可能性もあります。

ただし実際には被害額の大きさや犯行の悪質さなどを考慮したうえで判断されるため、執行猶予がつく可能性もゼロではありません

このあたりはケースによって大きく異なりますので、詳しくは弁護士と相談することをおすすめします。

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詐欺の受け子をして逮捕された後の流れ

詐欺の受け子をして逮捕された場合、以下の流れで手続きが進められます。

ここでは逮捕後の流れについて解説します。

刑事事件の流れ

なお14歳以上の未成年者の場合には、逮捕・勾留後に家庭裁判所へ送致されたのち、どのような処遇にするのか鑑別所で調査が行われます。

そして家庭裁判所が成人と同様に刑事裁判で処罰するとすれば、再度検察へ送られます。

また少年審判が妥当と判断されれば、少年審判が行われて少年院送致などの判断が下されます。

未成年者の処遇については以下の記事をご覧ください。

取調べが行われる

逮捕後は捜査機関による取調べが行われます。

組織的な犯罪の場合、受け子は組織から逮捕後の対応などを事前に指示されていることがあります(「黙秘しておけば数日で釈放される」「知らないと言い切れば無罪」「後で弁護士を派遣する」など)。

しかし組織の指示通りに対応して反抗的な態度を取る場合、証拠隠滅の恐れなどから接見禁止処分が解除されにくくなったり、保釈が認められにくくなったりする可能性が高まります。

もちろん捜査機関も虚偽の供述などがあれば簡単に見抜くため、結果的には自分で自分の首を絞めることになるでしょう。

いずれにしても、取調べにあたっては弁護士から適切な助言を受けた方が安心です。

勾留の判断が下される

取調べが行われて「勾留の必要がある」と判断された場合には、10~20日間勾留されることになります。

勾留の判断が下された後は、逮捕段階から接見できなかった家族でも接見が可能です。

しかし組織的な犯罪の場合には、共犯者との共謀による証拠隠滅を防止するために、家族であっても接見が許されない接見禁止処分が下される可能性が高いでしょう。

その場合、最長20日間、家族や友人とも接見できずに1人で厳しい取調べを受けることになります。

なお接見禁止処分が下されても弁護士であれば接見可能であるため、弁護士との連携が特に重要になるでしょう。

起訴・不起訴の判断が下される

勾留期間が満期になるまでに起訴・不起訴が判断されます。

不起訴となれば身柄を解放され、前科もつきません。

一方、起訴された場合には、さらに勾留される可能性があります。

起訴後の勾留は2ヶ月とされていますが、延長が可能で制限もありません。

この場合、保釈金を裁判所へ納めて、裁判時に必ず出廷することを約束すれば保釈が認められることもあります。

有罪・無罪の判決が下される

起訴された後は、刑事裁判にて有罪または無罪の判決が下されます。

ただし刑事裁判の場合、有罪率は99.9%以上です。

したがって詐欺罪で逮捕されると、ほとんどのケースで実刑または執行猶予つき判決が下されることになります。

詐欺の受け子をして逮捕された場合の対処法

詐欺の受け子をして逮捕されると、解雇・退学・離婚などさまざまなリスクが生じることになります。

「できることはやっておきたい」と考えているのであれば、以下の対応を検討しましょう。

弁護士を呼ぶ

詐欺の受け子をして逮捕された場合は、ただちに弁護士を呼ぶことをおすすめします。

なぜなら詐欺の受け子は、初犯であっても実刑判決が下される可能性があるからです。

執行猶予をつけるためにも、逮捕から起訴までの最長23日の間に被害者との示談など、できる限りの弁護活動を行う必要があります。

逮捕された場合はすぐに弁護士を呼び、取調べについて助言を受けましょう。

詐欺事件で弁護士ができること

詐欺事件では、弁護士は以下のようなサポートを行います。

いきなり逮捕されてしまってパニックになっている方でも、弁護士の手厚いサポートを受けることで精神的な安定も得られるでしょう。

  • 取調べについての助言
  • 被害者との示談・被害の弁済
  • 保釈の請求
  • 接見(面会)禁止処分に対する不服申立・差し入れ
  • 余罪に関して証拠不十分であることを訴え、起訴件数を減らす
  • 具体的な再犯防止策の提案
  • 犯罪組織との関係断絶 など

弁護士の選び方

弁護士にはそれぞれ得意分野があるため、スムーズに対応してもらうには詐欺事件の解決に力を入れている弁護士に依頼しましょう。

特に詐欺事件の場合、厳しい処分になる可能性も高いため、取調べについての助言など、初動からの弁護活動が重要となります。

なお当サイト『ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)』では、詐欺事件に注力する弁護士を地域検索できますので、初めての方でもおすすめです。

「19時以降相談可」「土日祝の相談可」など依頼状況に合わせた弁護士選びも可能で、まずはお気軽にご利用ください。

被害者と示談する

詐欺によって被害が出ていれば、被害金を弁済するなどして被害者との示談成立を目指すことも検討しましょう。

被害金額や被害件数によっては難しいこともあるかもしれませんが、可能であれば全額弁済することです。

被害者との示談成立は「当事者間での問題解決」として判断されるため、不起訴処分や執行猶予の獲得・保釈申請の許可など、その後の刑事処分に有利に働く可能性があります。

ただし被害者は、加害者に対する処罰感情が強かったり報復を恐れていたりして直接接触するのが困難なケースも多く、弁護士を介して行うのが一般的です。

弁護士であれば、『今後は被害者に近づかない』などの誓約を明記した示談書を作成するなどして、被害者の感情に配慮した交渉を進めてもらえます。

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まとめ

詐欺の受け子をして逮捕された場合、「組織から指示された供述をしてしまう」「被害金が大きく被害弁済しきれない」「余罪が多数ある」など、あらゆる面で窮地に陥る可能性があります。

少しでも状況の改善を望むのであれば、できるだけ早い段階で弁護士のサポートを受けるのが有効です。

『ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)』であれば、数ある弁護士の中から刑事事件に注力する弁護士をスピーディに探せます。

ぜひご利用ください。

ご家族が詐欺の受け子として逮捕された方へ

詐欺罪で逮捕されて実行判決を受けた場合、10年以下の懲役刑が科されます。

特殊詐欺については社会的な影響が大きく、犯罪組織の資金源になっているケースもあるため、厳しい対応になることが予想されます。

 

少しでも状況の改善を目指している方は、弁護士への依頼がおすすめです。

詐欺事件の場合、弁護士は以下のようなことができます。

 

  • 取調べの助言
  • 被害者との示談・被害の弁済
  • 保釈の請求
  • 具体的な再犯防止策の提案
  • 犯罪組織との関係断絶 など

 

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この記事の監修者
上田孝明 弁護士 (東京弁護士会)
依頼者を第一に考え、適切な手続と結果にする為の刑事弁護に注力。厳しい立場に置かれているクライアントの力になり、不当な取り調べや失職などの不利益から守るために、逮捕前から裁判終了まで幅広く対応している。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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