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冤罪で逮捕されたら弁護士に相談!メリット・弁護士の選び方を解説

冤罪で逮捕されたら弁護士に相談!メリット・弁護士の選び方を解説

警察に逮捕されるのは、実際に罪を犯した場合だけにかぎりません。

ときには、やってもいない事件の疑いをかけられて「冤罪」で逮捕されてしまうケースもあります。

もし冤罪で逮捕されたら、すぐにでも弁護士に接見に来てもらって適切な対応を取るべきです。

本記事では、冤罪事件で弁護士に相談するメリットや弁護士の選び方などを解説します。

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冤罪で逮捕された場合の刑事手続きの流れ

冤罪で逮捕された場合、刑事手続きは以下のような流れで進められます

冤罪で逮捕された場合の刑事手続きの流れ

詳しくは「冤罪事件を相談できる弁護士の種類・呼び方」で後述しますが、刑事事件を担当する弁護士は当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人の3種類に分類されます。

それぞれ呼べるタイミングが異なり、当番弁護士は逮捕後、国選弁護人は勾留後・起訴後、私選弁護人はいつでも呼ぶことができます

長期の身柄拘束や有罪判決を回避するためにも速やかに弁護活動を受けることをおすすめしますが、国選弁護人は呼べるタイミングが遅く、当番弁護士については1度しか利用できません。

継続して的確な弁護活動を受けたいのであれば、自分で探して依頼する「私選弁護人」を選択しましょう

冤罪で弁護士に相談する5つのメリット

冤罪で弁護士に相談するべき5つの理由

ここでは、冤罪事件で弁護士がどのようなサポートをしてくれるのかを解説します。

取り調べで不利な供述をせずに済む

冤罪で逮捕された被疑者の立場としては、絶対に虚偽の自白をしてはなりません

虚偽の自白をした場合、この自白を証拠に起訴されて有罪判決となる可能性が十分にあります。

ただし、犯行を否認すると、捜査機関は取り調べで非常に厳しく追及してきます。

弁護士に依頼すれば、取り調べでの受け答えについて効果的なアドバイスが望めるほか、励ましてくれたりして精神面でのサポートも受けることができ、気持ちを強く持って否認を貫く力が得られます

違法な捜査がおこなわれた場合は抗議してもらえる

犯行を否認していると、警察や検察から高圧的な取り調べがされることもあります。

そのような場合、被疑者1人が抗議しても聞いてもらえず、闇に葬られることも多々あります。

弁護士がついていればすぐに報告でき、弁護士の方から警察や検察に対して抗議してもらうことができます

その結果、捜査機関側の対応が是正される可能性があります。

早期の身柄解放が期待できる

冤罪で逮捕された被疑者が犯行を否認し続けている場合、身柄の拘束が長期化しやすい傾向にあります

なぜなら、「証拠隠滅や逃亡のおそれがある」と判断されやすいためです。

このような長期にわたる身柄拘束は、日常生活に多大な影響を及ぼします。

弁護士の的確な弁護活動を受けることで、必要以上に身柄が拘束されることを回避できる可能性があります

高額な示談金の支払いを防止できる

冤罪事件では、被害者と主張する人から多額の賠償金を求められるケースもあります

たとえば、痴漢冤罪のでっちあげのようなケースでは、被害者と主張する側から不当に高額な示談金を要求されることが容易に考えられます。

そのような場合でも、弁護士に依頼すれば代理人として毅然とした態度で対応してくれて、法律知識や交渉ノウハウなどを活かして高額な示談金の支払いを防止できます

実名報道を回避できる可能性がある

たとえ冤罪でも、逮捕された場合は実名報道されることもあります

実名報道された場合、顔や名前などが全国に知られてしまって社会復帰が困難になるおそれがあります。

弁護士に依頼すれば、実名報道を控えるように意見書を提出してくれて、顔や名前が知られずに済む可能性があります

冤罪で弁護士が来るまでに注意するべき4つのポイント

冤罪で弁護士が来るまでに注意するべき4つのポイント

冤罪で逮捕されてから弁護士に来てもらうまでには、一定の時間がかかります。

その間は、以下の4つのことに注意しましょう。

自白と取られるような発言は避ける

特に重要なのは、自白と受け止められるような発言をしないことです。

自分では自白しているつもりがなくても、捜査機関の誘導に乗ってあれこれ喋っていると、自白とも取れるような発言をしてしまうケースもあります。

理詰めで説得されたり誘導されたりしても乗らずに、やっていないことはやっていないと言い続けましょう

「あれこれ話すと不利になるかもしれない」と心配な場合は、弁護士が来るまで黙秘権を行使して一切話をしないという方法も有効です。

一貫して無実を主張する

次に、一貫して無実を主張し続けることも重要です。

気持ちが揺れて言うことがコロコロ変わると、信用性がなくなって「やはりやったに違いない」と思われてしまうおそれがあります。

誤った内容の供述調書には署名押印しない

取り調べがおこなわれると、その内容を「供述調書」に残します

供述調書は、あとで裁判になった場合には証拠としても採用されます。

ただし、供述者本人が署名押印(指印)しないと調書は完成しません

そこで、取り調べを受けたあとに供述調書への署名押印を求められたら、まずはその内容をしっかり確かめることが重要です。

取調官は「供述調書ができあがったら被疑者に読み聞かせをしなければならない」と定められているため、しっかり説明してもらいましょう。

もし間違っているところや納得できないところがあれば訂正を求めて、納得できる内容になるまで署名押印を拒絶し続けるべきです。

自己判断で黙秘権を行使するのは避ける

被疑者が逮捕されたり取り調べを受けたりするとき、黙秘権の告知があります

冤罪事件の場合、「延々と黙秘権を行使し続ければ供述を取られずに済んで証拠化されないのでは?」と考える方もいます。

これはある意味正しいですが、「有罪の立証は自白がなければ不可能」というものでもありません。

ほかに犯罪事実を証明できる証拠が揃っていれば、たとえ黙秘していても有罪となります。

黙秘権を効果的に行使するためにも、弁護士のアドバイスのもとでおこないましょう。

黙秘権は自己判断でやみくもに行使するよりも、弁護士と相談しながら行使したほうが有効です。

まずは、弁護士が来るまでの間にかぎり、とりあえず黙秘するのがよいでしょう

そして、弁護士と今後の方針について相談し、黙秘を続けるのか、積極的に反論するのかを選択しましょう。

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冤罪事件を相談できる弁護士の種類・呼び方

刑事事件を担当する弁護士は、当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人の3種類に分類されます。

ここでは、それぞれどのような違いがあるのかを解説します。

当番弁護士

当番弁護士とは「逮捕された際に無料で1回だけ呼べる弁護士」を指します。

被疑者本人だけでなく家族などが呼ぶこともでき、相談料や交通費などは一切かかりません。

しかし、利用できるのは1回のみで継続的な弁護活動は依頼できないうえ、弁護士会の名簿の中からランダムに選任されるため冤罪事件が得意ではない弁護士が担当になることもあります。

国選弁護人

国選弁護人とは「勾留・起訴された際に国が選任してくれる弁護士」を指します。

被疑者・被告人本人しか呼ぶことができないうえに財産状況などの利用条件が定められていますが、条件を満たしていれば原則として国が弁護士費用を負担してくれます。

しかし、当番弁護士よりも呼べるタイミングが遅く、登録名簿の中からランダムに選任されるため冤罪事件が得意ではない弁護士が担当になることもあります

なお、有罪判決を受けた場合には国選弁護人の費用を負担することを求められる場合があるため、国選弁護人=完全に無料というのは誤りです。

私選弁護人

私選弁護人とは「被疑者や家族などが自分で探して依頼する弁護士」を指します。

当番弁護士や国選弁護人とは違って呼ぶタイミングに制限はないため、逮捕前の段階からでもサポートしてもらえるうえ、冤罪事件が得意な弁護士を自分で選ぶこともできます。

実際問題として、逮捕された場合に逮捕されてからご自身で私選弁護人を探す、ということはできません

逮捕前にご自身でご相談をされておくか、ご家族に事情を説明して万が一の際には動いてもらうようにお願いしておいていただく必要があります。

冤罪事件での弁護士の選び方

冤罪事件における弁護士の選び方

冤罪事件の弁護を依頼するなら、刑事弁護に注力している弁護士を選ぶ必要があります

以下では、冤罪事件の弁護を依頼する弁護士の選び方のポイントを紹介します。

冤罪事件・否認事件の弁護経験が豊富である

まずは、これまでの経験や解決実績などを確認しましょう。

これまでに冤罪事件・否認事件を取り扱ったことがあり、対応に慣れている弁護士を選びましょう。

無罪判決を勝ち取ったことのある弁護士なら、なおさら良いでしょう。

対応がスピーディである

冤罪事件の場合、現場検証に行ってもらったり、目撃者を探してもらったり、関係者に連絡を取ってもらったりなど、さまざまな対応が必要です。

フットワークが軽くスピーディな対応ができないと、満足のいく結果が得られないおそれがあります。

相談後にすぐに動いてくれる弁護士を探して依頼しましょう。

相談者に寄り添って対応してくれる

刑事事件では、否認する被疑者に対して「認めて示談したほうがよい」と勧める弁護士も多くいます。

なぜなら、「否認して身柄拘束が続いて有罪になったりするよりも、速やかに認めて示談して不起訴処分を獲得したほうが傷が浅く済む」と考えるからです。

しかし、逮捕された本人としては「とことん争って無実を証明したい」というケースも多いものです。

そのような場合は、無理に認めて示談することを勧めずに、最後まで被疑者側に寄り添って戦ってくれる弁護士を選びたいものです

費用体系が明確である

刑事弁護の中でも、否認事件は弁護士費用が高額になりやすい傾向にあります。

無実を主張する場合、裁判も長くなってさまざまな対応が必要となりますし、そもそもこのようなケースでは不起訴処分や無罪判決を獲得するのは難しいからです。

対応が難しいケースでは高額な費用がかかるというのは仕方ありませんが、事件解決後に支払えないほど高額な弁護士費用を請求されても困ります。

冤罪事件を依頼するなら、費用体系が明確で事前に費用総額を確認できる弁護士を選ぶべきです。

冤罪事件を依頼した場合の弁護士費用の相場

冤罪事件の対応を依頼する場合、通常の刑事事件よりも弁護士費用が高額になりがちです。

特に無罪判決を獲得できた場合、相当額の弁護士費用がかかるということは覚悟しておいたほうがよいでしょう。

なお、無罪判決が出ると刑事補償を受けられるため、そこからいくらかの金額を支払うことは可能です。

無罪判決を獲得できたときの金額は事務所によっても大きく異なるため一概にはいえませんが、一般的な相場としては以下のとおりです。

費目 相場
相談料 1時間あたり5,000円~1万円程度
接見費用 1回あたり1万円~3万円程度
着手金 20万円~100万円程度
報酬金 20万円~200万円程度
実費 数万円程度(ケースによる)
合計 40万円~300万円程度

実費については「弁護士が遠方に出張した場合」「現場で実検をおこなった場合」「鑑定をおこなった場合」などには、ある程度高額になります。

なかには「初回相談無料」などの法律事務所もあるため、詳しくは直接事務所に確認することをおすすめします。

冤罪事件で弁護士に依頼する場合によくある質問

ここでは、冤罪事件で弁護士に依頼する場合によくある質問について解説します。

冤罪で逮捕されたら弁護士に依頼するべき?

冤罪で逮捕された際は、冤罪事件が得意な弁護士に依頼しましょう。

弁護士がいないと、取り調べで不利な供述をしてしまうこともありますし、身柄拘束が長期間続いたり実名報道されたりして日常生活に大きな影響が生じるおそれもあります。

弁護士に依頼すれば、早期釈放に向けて捜査機関にはたらきかけたり、無実の証明のために証拠を集めてくれたりなど、依頼者が大きな不利益を被らないように尽力してくれます

冤罪事件で弁護士を呼ぶタイミングはいつ?呼び方は?

冤罪であることを証明するためにも、弁護士はなるべく早く呼ぶことをおすすめします

ただし、以下のように呼べるタイミングや呼び方は弁護士の種類によって異なります。

  当番弁護士 国選弁護人 私選弁護人
呼べるタイミング 逮捕後 勾留後・起訴後 いつでも可能
呼べる人 被疑者本人・家族・友人など 被疑者本人・被告人本人 被疑者本人・家族・友人など
呼び方 ○本人が呼ぶ場合:警察官・検察官・裁判官に伝える
○家族などが呼ぶ場合:逮捕された場所にある弁護士会に連絡する
警察官・検察官・裁判官に伝える 弁護士事務所に連絡する

冤罪事件で無罪を証明できたら弁護士費用は誰が払う?損害賠償請求できる?

弁護士に依頼して無罪を証明できたとしても、弁護士費用は依頼者が支払います

ただし、被疑者補償規程・刑事補償法・国家賠償法などに基づいて賠償請求することが可能です。

それぞれの請求方法や計算方法などについては、冤罪事件が得意な弁護士に相談してみましょう。

さいごに

冤罪で逮捕された場合、何よりも弁護士の力が必要です。

無実の罪で逮捕されたら、刑事弁護に積極的に取り組んでいる弁護士を探して早急に接見に来てもらい、弁護活動を開始してもらいましょう

当サイト「ベンナビ刑事事件」では、刑事事件が得意な全国の弁護士を掲載しています。

スピード対応可能・初回相談無料などの事務所も多く掲載しているので、まずは探してみましょう。

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この記事の監修者
磯田 直也 (兵庫県弁護士会)
当事務所では、少年事件や無罪を争う事件など、非常に難易度の高い事件にも対応した実績がございます。豊富な経験を基に、タイミングごとに事態を見極めて最善の弁護活動をいたしますので、お早めにご相談ください。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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