暴行で逮捕されると、次のようなリスクが想定されます。
- 最長23日間、身柄拘束される
- 退学・解雇などのおそれがある
- 懲役・前科となる可能性がある
弁護士に依頼すると…
- 早期釈放を目指し捜査機関と交渉してくれる
- 不起訴を目指し、被害者との示談交渉をしてくれる
刑事事件では、逮捕後72時間以内の対応が重要です。
お住いの地域から暴行事件の解決実績がある弁護士を探し、まずはご相談ください。
酔った勢い、あるいはついカッとなって電車の中で他人に暴力を振るってしまったら、「暴行罪」が成立して逮捕される可能性があります。相手にけがをさせた場合、より重い「傷害罪」が成立する可能性があるでしょう。
暴行罪や傷害罪で逮捕されたとき、放っておくと罰金や懲役の刑罰が科されて前科がついてしまうおそれが高まります。不利益を避けるには、早期の段階で弁護人を選任し被害者と示談するなどの対応が必要です。
この記事では、電車の中で暴行行為を行った場合、成立する犯罪や前科をつけないための対処方法について解説します。
逮捕から72時間以内の対応が今後の運命を左右します
暴行で逮捕されると、次のようなリスクが想定されます。
弁護士に依頼すると…
刑事事件では、逮捕後72時間以内の対応が重要です。
お住いの地域から暴行事件の解決実績がある弁護士を探し、まずはご相談ください。
電車の中での他人の態度が気に食わず、カッとなって暴行に及んでしまうということは、決して他人事ではありません。酒に酔っていたり、心身状態が不安定だったりすれば、いつ加害者になってもおかしくないのです。
たとえば、胸ぐらをつかんだり、大声で怒鳴り付けたり、強く相手の身体を押してしまったりしたら、犯罪が成立するのでしょうか。
電車の中で相手の身体を軽くこづいたとき、相手はけがをしないかもしれません。しかし、相手がけがをしなくても刑法上の「暴行罪」が成立するので、注意が必要です。
暴行罪は「暴行を加え」、「人を傷害するに至らなかったとき」に成立します(刑法第208条)。判例実務上「暴行」とは、不法な有形力の行使であると解釈されているようです。
「有形力の行使」とは、殴る蹴るなどの暴力が典型ですが、着衣を引っ張る、塩を撒く、大きな音を出すなど、形ある行為を指します。具体的には、以下のような行動が「不法な有形力の行使」に該当する可能性が高いでしょう。
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上記のような行動があれば、相手がけがをしていなくても「暴行罪」は成立します。暴行罪に適用される刑罰(法定刑)は、「2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です(刑法第208条)。
暴行を振るった相手がけがをした場合、「暴行罪」では済まされないことがあります。暴行罪より重い刑罰が設定された、「傷害罪」が成立し得るのです。
傷害罪は、「人の身体を傷害した」場合に、犯罪が成立します(刑法第204条)。判例実務上「傷害」とは、相手の身体の生理的機能を害したことを指すのです。
「生理的機能を害する」状態とは、医学的に害がある状態と証明され得ることを指します。そのため、髪の毛や爪などを害しても、傷害罪が成立するとはいい難いでしょう。
たとえば、電車内の暴行によって傷害罪が成立するのは、以下のようなケースです。
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傷害罪の刑罰(法定刑)は、暴行罪よりも重い「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です(刑法第204条)。
暴行の程度が酷い場合、相手が死亡してしまうケースがあります。たとえば、相手を軽くこづいたところ、相手が想定外にひっくり返ってしまい、打ち所が悪くて死亡してしまった場合、「傷害致死罪」が成立する可能性が高くなります。
刑罰は「3年以上の有期懲役刑」であり、非常に重い罪です(刑法第205条)。
暴行が悪質で相手を死亡させ得る態様のものであれば、相手が死ななくても殺人と同等に罰せられる「殺人未遂罪」が成立する可能性があります。殺人罪の刑罰(法定刑)は「死刑又は無期若しくは五年以上の有期懲役」なので(刑法第199条)、未遂減刑されたとしても、非常に重い刑罰が適用されるでしょう。
「たかが電車内での暴行」と軽く考えていると、とてつもない不利益や重い処罰を受ける可能性があります。酔った勢いや相手の言動に気に入らないものがあったり、どうしても納得できないことを言われたりしても、暴行という不法な手段に頼るべきではありません。
電車の中で暴行をしてしまったら、どのような流れで逮捕されたり刑罰を科されたりするのでしょうか。
電車の中で他人に暴力を振るって騒ぎを起こしたら、通常はその場で周囲の人や駅員に取り押さえられるでしょう。この場合でも、「現行犯逮捕」が成立します。
現行犯逮捕は、警察官以外の一般の私人でも行えます。現に暴行をしているところを周囲の人に押さえ込まれたら、警察に突き出されるまでもなく「現行犯逮捕」が成立するのです。
もちろん、その後警察に通報されて警察署へ連行され、そのまま身柄拘束を受けることとなるでしょう。
電車の中で暴行のトラブルを起こしたとき、周囲の人が怖がって近寄らず逮捕されないケースもあります。その場からは一旦立ち去ることができても、後日逮捕される可能性があります。
被害者が警察に通報したり、駅員を通じて警察に連絡したりして「被害届」を出したら、警察は捜査を開始する場合があります。今は電車内や駅構内など、至るところに監視カメラが設置されているので、暴行の場面や逃走場面がしっかり写っていて本人が特定される可能性が高いでしょう。
捜査によって犯人が判明したら、警察は裁判所に逮捕状の発布を請求し、逮捕状を取得します。その逮捕状を持って犯人宅を訪れ、令状に基づき通常逮捕を行うのです。
このように、犯行現場ではなく後日に逮捕することを、「後日逮捕」とも言います。電車の中で暴行を振るうと、いつ警察が自宅にやってきて後日逮捕されても、おかしくない状態と言えます。
関連記事:後日逮捕とは?よくある疑問や事例、やるべきことなどを解説
暴行罪で逮捕されたたとしても、逮捕された時点で前科がつくことはありません。それでは、前科はどのタイミングでついてしまうのでしょうか。
前科とは、犯罪行為により刑事裁判を受け、有罪判決が確定したことの記録です。いったん前科がつくと、その人が死亡するまで一生消えません。
日本の法律において、被疑者・被告人はたとえ逮捕されたとしても、有罪判決を受けるまでは無罪であることが推定されます。逮捕されても刑事裁判で有罪判決を受けていない以上、「無罪」と推定されるので前科はつきません。
前科がつくタイミングは、逮捕後検察官によって起訴され、判決で有罪判決が出て確定したときです。それまでに不起訴処分により刑事手続を終わらせることができれば、逮捕されても前科をつけずに済みます。
【注意】無罪判決の確率は0.1%以下 |
このように聞くと、「逮捕されても裁判で無罪にしてもらえたら良いのではないか?」と考える方もおられるでしょう。しかし、日本の刑事裁判において、無罪判決の獲得は非常に困難です。 確率として有罪率が99.9%以上なので、無罪の可能性は「0.1%以下」です。また、実際に暴行をしているなら、正当防衛等の特別な事情に該当するような事実がないかぎり、無罪主張はできません。電車内で暴行をしたことによって逮捕されたとき、無罪判決を狙うのは相当に困難です。 |
暴行罪の場合、初犯で軽微な犯行であれば、「略式起訴」されるケースも多数です。略式起訴とは、書面上だけで行われる、簡単な刑事裁判を行うための起訴手続きです。
略式起訴された場合、罰金を払うだけで刑罰が終わります。裁判所にも行かずに即時身柄も解放されるので、無罪のように考える方が多数です。
しかし、略式で罰金刑となった場合にも、前科はつきます。略式の罰金刑であっても、有罪判決の一種だからです。
手続きが簡略になるだけで、前科は残るとお考えください。
暴行罪で逮捕されても、「不起訴処分」になれば刑事裁判にならないので、前科はつきません。不起訴処分とは、検察官が「起訴しない」と決定することです。
起訴されなければ、略式裁判にも通常裁判にもならず、判決が言い渡されること自体がありません。無罪判決を獲得するまでもなく、前科を避けられます。
暴行罪の不起訴率は60%近くにも及ぶので、きちんと対処すれば十分不起訴処分を獲得できる可能性があります。電車内の暴行で逮捕されたら、まずは不起訴処分を目指しましょう。
関連記事:前科がつくデメリット8つ|前科をつけないためにできること
不起訴処分を獲得するには、暴行の被害者と「示談」を成立させる方法が有効です。示談が成立してきちんと賠償金を支払い、被害者も許していれば、被害者の処罰感情が薄まったことを理由に不起訴にしてもらえる可能性が大きく高まるからです。
自分で被害者に連絡して、示談交渉すれば良いと思うかもしれませんが、それは困難です。電車内で他人に暴行を振るった場合、そもそも相手の連絡先を知らないケースも多いでしょう。
また、連絡先を知っていたとしても、被害者としては連絡を取りたくないというのが心情です。加害者から直接連絡が来たら、被害者が怒っていたり怖がったりして示談してくれない可能性が高くなります。
仮に連絡が取れたとしても冷静な話し合いができず、相手から足元を見られて法外な慰謝料を請求され、往生してしまうケースもあります。
さらに、現行犯等で逮捕されていて身柄拘束を受けているケースでは、自分で示談に向けた何らかのアクションを起こすこと自体不可能です。
電車内で暴行をしてしまったら、弁護人を選任して示談交渉を進めてもらう必要があります。弁護人からの連絡であれば、被害者も受け入れやすいですし、弁護士が交渉すれば適正な慰謝料の金額を定められます。
相手の連絡先が不明な場合にも、弁護人が検察官を通じて入手できるケースが多数です。
暴行罪や傷害罪で逮捕されたら、すぐに弁護士に接見に来てもらい、刑事弁護人の選任を検討しましょう。その際、できる限り「刑事事件に力を入れていて、暴行罪などの解決実績の高い弁護士」を選ぶのが、不起訴処分獲得のためのポイントとなります。
関連記事:刑事事件の弁護士選びで失敗しない4つのポイント|土日・夜間相談OK
暴行罪の示談金相場は、おおむね10万円~50万円程度です。
ただし、相手がけがをしていたら、けがの治療費や休業損害が必要ですし、けがの程度に応じて慰謝料が増額されます。後遺障害が残ったら、それに対する慰謝料も必要です。
適正な示談金額については、弁護人に確認しながら、支払える範囲で示談を成立させましょう。一括で払えない場合、分割払いの約束も相談可能です。
電車内で暴行事件を起こして逮捕されたら、早期に弁護人を選任して被害者との示談交渉を開始してもらう必要があります。この記事を参考にしつつ、刑事事件・暴行事件に関して経験がある弁護士への相談を検討してみてください。
また、弁護士を選ぶときは経験と同じぐらい、近隣に事務所を構えていることが重要です。迅速な弁護活動をしてもらうことによって、被疑者・被告人の不利益が減る可能性があります。
以下を参考に、頼れる弁護士を探してみてください。
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