強制性交等罪の示談手続き|示談金の相場と示談のメリット
強制性交等罪をはじめ性犯罪の多くは、被害者との示談が成立しているか否かが、刑罰の有無や量刑に大きく影響します。
そのため、処罰を免れたい、少しでも刑罰を軽くしたいと望まれるのであれば、早急に被害者との示談手続きに取り掛かるべきでしょう。
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強制性交等罪とはどのような犯罪か |
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強制性交等罪とは、2017年3月に施行された強姦罪の新しい名称です。詳細は以下の記事をご参照ください。 |
この記事では、強制性交等罪で示談をするメリットや手続きの流れなどをご紹介します。被害者との示談を検討している場合は、参考にしてみてください。
強姦(強制性交等罪)で逮捕・起訴されてしまった方へ
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刑事事件の加害者になった場合、起訴されたら99.9%の確率で有罪になります。実刑判決をさけるためにも、逮捕されてから最大23日間以内に弁護士に依頼することをおすすめします。
刑事弁護を請け負う弁護士であれば、不起訴を獲得するための証拠を集めや、被害者との示談交渉など、加害者となってしまった方の弁護活動に尽力してくれます。
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強制性交等罪における示談とは
示談とは、私法上の紛争を、民事裁判ではなく事件当事者間の合意で解決することをいいます。
強制性交等罪の場合には、加害者側が被害者に対して謝罪をし、治療費や慰謝料などを示談金として支払うことで、被害者に対しお許しいただくという内容で示談することが一般的です。
また、被害者から被害届の提出や刑事告訴がなされている場合には、それらの取下げについても示談書の内容に含めることが重要となります。
示談が成立し被害者から被害届や告訴が取り下げられた場合、検察官としては、当事者間で示談が成立している以上、起訴(刑事裁判にかけ刑事処罰を求めること)する必要がないと判断する可能性が高くなります。
もし、不起訴になれば、罰則もなく前科がつくこともありません。
また、被害届を出される前に示談ができれば、事件化する前(いわゆる警察沙汰にならず)に解決できる可能性もあります。強制性交等罪における示談は、罰則を回避・減軽しやすくなるのがメリットです。
非親告罪でも不起訴の可能性が高まる
強制性交等罪は、以前の強姦罪とは異なり、被害者の告訴がなくても起訴できる犯罪(非親告罪)です。そのため、「被害者とわざわざ示談をする必要はないのでは?」と疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、被害者との示談が成立しているか否かは、検察官の判断に大きく影響します。加害者の反省状況を裏付ける手段になりますし、被害者が起訴を望まないという意思は、起訴不起訴の判断において被疑者に有利な事情として扱われるでしょう。
示談をすれば絶対に不起訴になるとまでは言えませんが、示談が成立していれば、起訴されない可能性が高くなると思われます。
被害者にもメリットがある
強制性交等罪での示談は、加害者だけでなく被害者の方にもメリットがあります。
示談をし示談金の支払いを受けることができれば、被害者は損害賠償請求のために民事裁判を起こす必要がなくなるので、請求手続きにかかる費用と手間を省くことが可能です。
被害を受けた以上、被害者の方が、加害者に対して刑事処分を求めたいというお気持ちを持たれることは当然のことと思います。
しかし、示談に応じれば、加害者が刑事処罰を免れたり、刑罰が軽くなる可能性が高まるというデメリットはあるものの、示談に応じることには上記のメリットもあります。
示談内容が相当であるならば示談に応じるということも1つの選択であると思います。
強制性交等罪の示談金相場
強制性交等罪の示談金相場ですが、正確には「相場はない」というのが正しい回答となろうかと思います。
一概に、強制性交等罪といっても、事件により、その犯行内容や悪質性は異なりますし、被害者に生じた被害結果も異なるためです。
また、当該事件に照らし、適正と思われる示談金額を提案しても、被害者の方に拒否された場合には、増額しての提案をすることもあり、事情により異なるためです。
過去にあった強制性交等罪の事件での示談金額を考えると、50~200万円程度の解決となることが多いですが、これより高くなる場合もあれば、低くなる場合もあると理解いただけると幸いです。
強制性交等罪の示談は時間との勝負
強制性交等罪で逮捕されてしまった場合、逮捕されてから終局処分(起訴されるかどうかの判断)がなされるまでの期間は、最大でも23日間です。
そのため、不起訴になる可能性を高めたいのであれば、それまでに被害者との示談を成立させる必要があります。
被害者と示談したいと思っても、すぐにできるわけではなく、交渉には一定の期間を要しますし、交渉が難航することも多々あります。
そのため、罪を犯してしまった場合は、早急に示談の手続きに取り掛かりましょう。
逮捕から起訴が確定するまでの流れ

上図は、逮捕されてから起訴が確定されるまでの流れをまとめたものです。それぞれの取調べ中の対応方法や詳細については、以下の記事をご参照ください。
【詳細記事】刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応
強制性交等罪の罰則
強制性交等罪の罰則は、5年以上の有期懲役です。有期懲役とは、1ヶ月から20年以下の期限の定めがある懲役刑を意味します。
(強制性交等)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。【引用】刑法第百七十七条
強制性交等は、5年以上の有期懲役と重い罰則が定められております。
執行猶予付きの判決が得られるのは、3年以下の懲役等の場合に限られていますので(刑法25条1項)、ひとたび起訴されてしまうと、酌量減軽等が認められない限り、実刑判決を受けることとなります。
起訴された後に、被害者との示談が成立しても、検察官が起訴を取り消さない限り、有罪判決が下されることとなり、重い処罰を受ける可能性がありますから、できる限り起訴される前に早急に対処することが求められます。
強制性交等罪の示談の流れ
強制性交等罪の示談の流れは、以下の通りです。
- 被害者の連絡先の入手
- 被害者との交渉
- 示談条件の決定
- 示談書の作成
- 示談金の取交し及び示談金の支払い
- 被害届の取下げまたは告訴の取消し
なお、逮捕により加害者本人が示談に臨めない場合には、家族などの周囲の人や弁護士へ、示談の代行を依頼する必要があります。
【関連記事】刑事事件の示談の流れと交渉するタイミングを解説
被害者の連絡先がわからない場合
被害者の連絡先が分からない場合でも、警察や検察官は被害者の連絡先を把握していることが通常です。
しかし、特に強制性交等罪をはじめとする性犯罪の場合には、加害者本人が、警察や検察官に被害者の連絡先を問い合わせても、教えてもらえることはほぼありません。
被害者のほとんどが加害者に連絡先を知られたくないと考えているでしょうし、警察や検察官としても、万が一、加害者本人が被害者と接触してさらなる犯罪トラブルに発展することは避ける必要があるからです。
一方で、加害者が弁護士に示談交渉を依頼した場合には、通常、検察官が被害者とコンタクトを取り、被害者の了解の下で、当該弁護士に限って連絡先を教えてくれます。
そのため、被害者と示談したいが、連絡先が分からないというケースでは、速やかに弁護士に示談交渉を依頼する必要があります。
なお、被害者の連絡先が分かっている場合でも、下記のとおり、加害者が直接被害者と連絡を取り合うことはできる限り避けるべきですので、やはり弁護士に示談交渉を依頼することが望ましいです。
被害者が示談を拒否する場合
被害者が示談を拒否し、弁護士と連絡を取ることすら一切拒否しているという場合であれば別ですが、
被害者が示談による被害届取下げや告訴取消しまでは応じられないというときでも、被害者に生じている治療費(入院通院費用)や被服の弁償金等、実害として出ている部分の弁償の限度で応じるという意向のときは、その弁償だけでも行っておくべきです。
一部でも損害賠償を行っているという事実は、判決に有利な要素として扱われます。
示談交渉は弁護士への依頼がおすすめ
強制性交等罪は事件の性質上、特に被害者感情が強くなりやすい種類の犯罪です。そのため、加害者本人が示談を持ちかけても、被害者から全く取り合ってもらえないことが多々あります。
また、仮に示談交渉自体には応じてもらえても、事件当事者同士だけでは示談金の相場がわからず、交渉が難航することが多いです。当然のことながら、被害者の方の被害感情は強いことが多いため、「○百万円じゃないと示談しない!」と莫大な示談金を請求されてしまうケースも珍しくありません。
しかし、強制性交等罪を含め性犯罪の刑事弁護経験が豊富な弁護士に示談交渉を依頼することができれば、そのようなリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
限られた時間の中でできる限り確実にかつ妥当な範囲で示談を成立させたいのであれば、弁護士の協力が必要不可欠でしょう。
弁護士費用の相場
弁護士費用の相場は、以下の通りです。
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弁護士費用の相場 |
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相談費用 |
1時間あたり1~2万円 |
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着手金 |
30〜50万円 |
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報酬金 |
30〜50万円 |
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日当 |
弁護士の活動時間1時間あたり2~5万円 |
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実費 |
交通費、郵便代、コピー代など |
ただし、依頼をする弁護士によって金額や料金体系が異なります。依頼時には必ずどのような費用が発生するのかを確認するようにしてください。
【詳細記事】刑事事件の弁護士費用相場|良い弁護士に出会う3つの方法
弁護士の選び方
弁護士を雇う上で最も大切なのが、弁護士の得意分野を確認することです。強制性交等罪の対応は、必ず刑事事件が得意な弁護士に依頼するようにしましょう。
病院に耳鼻科や歯科などの種類があるように、弁護士にもそれぞれ得意とする法律分野が存在します。
刑事事件は限られた時間の中で最善の活動をすることが求められます。できるだけ刑事事件の経験が豊富であり、かつスピード感をもって動いてくれる弁護士に依頼することをお勧めします。
【詳細記事】刑事事件を得意とする弁護士の選び方と良い弁護士の特徴
まとめ
強制性交等罪を犯してしまった場合でも、被害者と示談ができ、被疑者に被害届の取下げや告訴の取消しをしてもらえれば、起訴を免れ不起訴となる可能性があります。
また、起訴されてしまった場合でも、示談が成立していれば、その事実は判決において有利な情報となりますので、重い処罰を免れられる可能性もあります。
しかし、逮捕されてから示談交渉ができるまでの期間には限りがありますし、示談交渉は弁護士に任せないとできない場合も多いです。
そのため、強制性交等を犯してしまった場合には、できる限り早急に弁護士にご相談することを強くお勧めします。
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