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児童ポルノは所持しているだけでも犯罪であり、これを単純所持と呼びます。しかし単純所持のみによる逮捕の可能性は、あまり高くはないでしょう。
児童ポルノ法違反には単純所持以外にもさまざまな行為が処罰対象となります。例えば、他者への提供や製造を行った事実が捜査機関に発覚した場合は、単純所持よりも逮捕される可能性は高くなります。
児童ポルノ法違反で逮捕された場合、その後、勾留の処分を受けて最長で20日間、身柄を拘束される可能性もあるでしょう。
また、“児童ポルノ”というセンセーショナルな響きから、被疑者の立場等によっては実名報道される可能性もあります。身体拘束の影響は小さくないですが、後者は致命的な影響が生じる可能性があるのです。
例えば、”児童ポルノ法違反で逮捕された”という事実が実名と供に報道されれば、会社や家族に嫌疑内容が知られてしまいます。結果として、社会的な信用を失うことになりかねません。
万が一、家族が児童ポルノ禁止法により逮捕されてしまっている場合や、捜査を受けている場合、速やかに弁護士と対応について相談することがおすすめです。捜査の受け方や進め方等について、積極的にアドバイスを受けるべきでしょう。
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児童ポルノ禁止法の呼び方について |
児童ポルノ禁止法の正式な呼称は、「児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童保護等に関する法律」です。本文中では読みやすさを考慮し、児童ポルノ禁止法と呼称します。 |
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児童ポルノ法違反となり得る行為と、これに対応した罰則を解説します。どのような行為が犯罪となり、どのような法定刑が予定されているのか、参考にしてみてください。
ここでいう『児童ポルノ』とは、写真などの姿態を視覚により、認識することができる方法で、以下のような児童の姿態を描写したものをいうとされています。
※ 「児童」とは18歳に満たない者であり、男女を問いません。
児童ポルノの定義に関しては関連記事をご覧ください。
【関連記事】
児童ポルノとは|法律や判例から見る児童ポルノに科せられる罰則
児童ポルノ禁止法には、児童ポルノの所持・保管・提供・製造・輸出入・公然と陳列といった行為が該当します。
刑罰は以下の通りです。
自己の性的好奇心を満たす目的 |
|
所持・保管 |
1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
児童ポルノの提供を目的 |
|
提供・製造・所持・運搬 輸出入・保管 |
3年以下の懲役または300万円以下の罰金 |
不特定もしくは多数の者への提供・公然と陳列 |
|
製造・所持・運搬・輸出入・保管 |
5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、あるいはその両方 |
児童ポルノの製造を目的 |
|
買春 |
1年以上10年以下の懲役 |
盗撮 |
3年以下の懲役または300万円以下の罰金 |
行為の目的と態様により、適用される罰則が異なります。以下では、どのような行為が罪に該当するのかをご説明します。
児童ポルノの単純所持は、2014年の同法改正の施行により処罰対象となりました。自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持・保管していた場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があるのです。
たとえばダウンロードしてパソコン内に保存していたり、児童から送られてきたものを保存したりしていた場合、「所持」に該当するとして処罰される可能性があります。
ただし児童ポルノの単純所持によって現行犯逮捕されてしまう可能性は、あまり高くないでしょう。児童ポルノ単純所持の要件として、「自己の性的好奇心を満たす目的」と「自己の意思に基づいて所持するに至った」の2点が挙げられるためです。
これらの要件を満たしていると判断するためには、客観的証拠と外形的証拠を立証しなければなりません。そのため児童ポルノ単純所持による逮捕・検挙は、捜査機関としても非常に慎重に行われます。
【参考】
警視庁|児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部改正について
児童ポルノの提供及びこれを目的とした、製造・所持・運搬・輸入出・保管、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。
また不特定もしくは多数の者への提供・公然と陳列、それを目的とした、製造・所持・運搬・輸出入・保管は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、あるいはその両方が科されます。
児童ポルノの「提供」とは、他人にこれを提供する行為のことです。また、不特定多数の者への提供や公然と陳列には、インターネット上に児童ポルノをアップロードして、他人がこれにアクセスしたり、ダウンロードすることを可能にする状態に置くことも含まれます。
児童ポルノの製造を目的とした、以下の行為も罰せられます。
児童ポルノの製造を目的 |
|
買春 |
1年以上10年以下の懲役 |
盗撮 |
3年以下の懲役または300万円以下の罰金 |
児童ポルノ製造を目的とした買春行為は、以下で解説する『児童買春罪』という罪よりも、罰則が重くなります。児童買春罪では、罰金刑もあるのに対して、児童ポルノ製造目的の買春には懲役刑しかありません。
さらに法定刑での刑期も、児童買春罪よりも長く設定されています。
上記以外にも、児童に対する性犯罪として以下のものがあります。
罪名 |
罰則 |
強制性交等 |
5年以上の有期懲役 |
強制わいせつ |
6ヶ月以上10年以下の懲役 |
児童買春 |
5年以下の懲役または300万円以下の罰金 |
児童淫行 |
10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金または併科 |
条例違反(淫行等) |
2年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
条例違反(自撮り画像の要求等) |
30万円以下の罰金 |
【参考】
▶児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
▶東京都青少年・治安対策本部|「自画撮り被害」防止に向けて ~東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正~
強制性交等とは、暴力や脅迫により相手の反抗を著しく困難としたうえで性交等をする行為です。平成29年の法改正以前は、強姦罪と呼ばれていました。
基本的には暴力や脅迫等が構成要件になりますが、相手が13歳未満の児童だった場合は暴行・脅迫等は構成要件から除外され、性交等が行われた時点で即時強制性交等罪に該当します。これに児童の同意・不同意は、関係ありません。罰則は5年以上の有期懲役と、重い刑罰が予定された重大な犯罪です。
【関連記事】
強制わいせつとは、暴力や脅迫により相手の反抗を著しく困難としたうえで性交等までには及ばない、性器を触る・キスする・抱きつくなどのわいせつ行為を行う行為です。
こちらも相手が13歳未満の児童だった場合、暴行・脅迫は要件となりません。同意の有無に関わらず、わいせつ行為が行われた時点で即時強制わいせつ罪に該当します。やはり、相手の同意・不同意は関係ありません。
罰則は6ヶ月以上10年以下の懲役と、強制性交等罪よりは軽減されていますが、短期懲役刑の定めがある点で一般的には重罪といえます。
【関連記事】
強制わいせつ罪で逮捕|罰則や類似の罪・早期解決の為の対処法とは
児童に金銭などの対価を供与して、性交・性交類似行為・わいせつな行為を行えば、児童買春罪に問われ、5年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、児童買春の斡旋、勧誘なども処分対象となるでしょう。
【関連記事】
児童福祉法では、児童に淫行をさせる行為を行うと、刑罰は10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金または併科となる可能性があります。
各自治体が定める青少年保護育成条例では、児童との性交、性交類似行為、その他わいせつな行為を行うことが処罰対象です。罰則や条文の詳細は、各自治体によって異なります。東京都の場合、2年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
また東京都では2018年から、裸といった写真の自撮り画像を要求する行為も、処罰対象とされてました。この場合の法定刑は、30万円以下の罰金です。
児童ポルノと判断される行為のみならず、単純所持も2014年の法改正により処罰対象となりました。では、どのような場合に児童ポルノ法違反で検挙される可能性があるのか、想定されるケースを簡単に紹介します。
2017年に、児童のわいせつ動画を販売していた関係者が検挙され、捜査機関は当該関係者から入手した購入者リストに基づいて、複数名を単純所持で検挙したようです。この事件では、著名な漫画家も処罰対象とされたようで、話題になりました。
このように、児童ポルノを販売・公開している業者・サイトが摘発されて、そこから芋づる式で購入者にまで捜査が拡大されて、検挙に至るということは十分考えられます。
2017年に全国の警察が摘発した児童ポルノは、2,413件と過去最高になりました。現在の社会状況を踏まえれば、児童ポルノの単純所持に対しては今後も厳しい対応で臨むこととなることは容易に想定できます。
【参考】
産経新聞|児童ポルノ7千人の購入者リストに教員、政治家ら 警察当局、攻めの捜査
児童と直接連絡をして買春をしている場合、子どもの行動を不審に思った児童の両親からの通報により、事件が発覚することがあります。
たとえば「アルバイトをしていない娘が、お小遣いの範囲では考えられない買い物をしている」と不審に思った場合、子どもの携帯電話を調べることが考えられるでしょう。そこで成人男性と、買春を思わせるようなやり取りをしていたことが発覚することは、十分に考えられます。
このように児童ポルノ事件は、自身が児童ポルノを入手したり児童買春をしたりしてから、しばらく期間が空いてから発覚することもあります。
児童ポルノに関わって数ヶ月が経っているからと言って、逮捕されないとは限らないのです。
ここでは実際に、児童ポルノで逮捕されたニュースや裁判事例をご紹介します。
2019年10月、SNSで知り合った児童に裸の画像を送らせたとして、京都府警の巡査部長が児童買春・ポルノ禁止法違反で逮捕されました。
このように、逮捕された人が公務員でなおかつ警察職であれば、マスコミに大々的に報道されてしまう可能性は決して低くないでしょう。
【参考】
京都府警巡査部長を逮捕=児童ポルノ容疑-広島県警|JIJI.COM
この事件では、児童ポルノ販売サイトの摘発をきっかけに、児童ポルノの購入者約870人が書類送検されました。押収された約7,200人分の購入者リストからは、教員や議員らも含まれており、事件化が可能と見られたデータは全国の警察本部に提供されたそうです。
この事件では児童ポルノの単純所持だけではなく、捜査の過程で何人かに強制わいせつ罪の疑いがかかりました。
【参考】
事件当時11歳の児童、事件当時13歳の児童に対価を供与して、買春、児童ポルノの製造を行った被告人に、懲役3年、執行猶予5年の判決が下されました。
SNSを通じで知り合った児童に対して、判断能力の未熟さに付け込んで行われた本件犯行は、軽視できないとしながらも、以下の点を考慮して上記量刑が決定されたということです。
裁判年月日 平成28年 9月12日 裁判所名 水戸地裁 裁判区分 判決 事件番号 平28(わ)194号 ・ 平28(わ)206号 ・ 平28(わ)292号 事件名 児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,強姦,強制わいせつ被告事件 |
参考:文献番号 2016WLJPCA09126005
児童Aに対するわいせつ行為、児童ポルノの製造、児童Bに対する児童ポルノの製造と提供をした被告人に、懲役2年6ヶ月の実刑判決が下されました。
量刑は、被告人が児童や保護者へ謝罪、被害弁済を行いたい旨述べるなど反省の態度を示している事情を考慮しても、児童の未熟さに付け込み、陰部に直接触れる、知人に児童ポルノを提供するなど卑劣で悪質な犯行であり、被害者に与えた苦痛や不安感、悪影響を見過ごすことはできないとして、決定されました。
裁判年月日 平成28年12月27日 裁判所名 宮崎地裁 裁判区分 判決 事件番号 平28(わ)164号 ・ 平28(わ)204号 事件名 強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件 |
参考:文献番号 2016WLJPCA12276004
平成30年版の犯罪白書によると、児童ポルノで検挙された後、検察に送致されて受理された事件数は、以下のように推移しています。
【参考】平成30年版 犯罪白書
児童ポルノ禁止法は、近年何度か法改正が行われており、違法行為の対象が増加傾向にあります。そのため検挙できる機会も増えており、検察の受理件数も増えていると考えられるでしょう。
実際に2012年には、児童ポルノをみだりに所持することや、児童に対しての盗撮行為も児童ポルノ製造として罪に問えるようになりました。2015年には、自己の性的好奇心を満たすために所持することも、検挙の対象になっています。
これまで合法だった行為が、法改正により違法になってきているため、今後も検挙に至る可能性は高くなるかもしれません。
児童ポルノで検挙された場合の刑事手続きの流れは、他の犯罪とも同様で、以下の通りです。
基本的には、警察による任意の取調べが行われ、逮捕の必要がなければ在宅(身柄拘束がなく)のまま刑事手続きが進むでしょう。しかし捜査機関において逮捕が必要と考える場合は、法令に基づいて逮捕がなされ、事件と身柄は48時間以内に検察に送致(送検)されます。
検察は事件送致を受けた後、24時間以内に勾留の要否を判断し、勾留が必要と考える場合には裁判所に勾留を請求するでしょう。裁判所が許可すれば、勾留されます。勾留期間は、最大10日間ですが、裁判所が延長を許可すれば最大10日間延長可能です。
ちなみに逮捕から勾留までの期間(最大72時間)は、基本的に弁護士以外の接見が許されません。また勾留されても、接見禁止の処分が付けば同様です。
身柄拘束がされる事件において検察官は、勾留の満期までに起訴・不起訴を判断します。犯行態様が悪質ではなく、被疑事実に争いがないような場合には、被疑者の同意を得て略式起訴され、即時罰金刑が言い渡され、罰金の納付が済めば開放されるでしょう。
ただし正式裁判で起訴された場合、被疑者は被告人という立場で身柄拘束が継続され、保釈されない限り身柄を解放されることがないのが通常です。
拘束期間 |
説明 |
逮捕から事件送致まで 48時間以内 |
勾留決定まで弁護士しか接見できない |
事件送致から勾留請求まで 24時間以内 |
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勾留期間 最大20日間 |
勾留決定後、家族も接見可能(接見禁止の処分がない場合) 勾留満期までに起訴・不起訴が判断される |
起訴(正式裁判の場合) |
起訴後も保釈されない限り身体拘束は継続する |
【関連記事】
▶刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応
▶勾留とは|勾留される要件と早期に身柄を釈放してもらうための対処法
ここでは、児童ポルノで逮捕された場合の処分の傾向やリスクを解説します。
児童ポルノ所持の疑いで捜査された場合、家宅捜索を受け、パソコンや携帯電話を押収される可能性があります。
それらから別の画像・映像などのデータが見つかり、これが児童ポルノであることが確認できれば、余罪を追及されることも考えられるでしょう
児童ポルノで逮捕された場合、逮捕そのものが日常生活でのリスクですが、実名報道されるリスクもあります。
実名報道をするかどうかは、各報道機関でも明確な規定は定められていません。しかし社会性・公共性の高い人物や、注目度の高い場合は実名報道が行われる可能性が否定できないでしょう。
例えば、医師・公務員・企業幹部など一般的に道徳性を求められる立場であれば、社会的な関心が高いために実名報道される可能性は高くなります。
【参考】
プレジデントオンライン|自分の事件が新聞に載る、載らないの分かれ目は?
児童ポルノに限らず、刑事事件で逮捕された場合、逮捕から最長で23日間身柄拘束を受ける可能性があります。
児童ポルノで勾留される割合は公表されていませんが、犯罪白書によると刑法犯における2016年の勾留請求(※)率は92.3%で、裁判所の勾留却下率は3.4%です。刑法犯で逮捕・送致された人のうち、89.1%が勾留されています。
少しでも早く身柄解放を目指すのであれば、弁護士に依頼して、被害者と示談交渉などを行ってもらうなど的確な弁護活動を受けることを積極的に検討するべきでしょう。
※勾留請求とは 検察が勾留を必要と判断した場合に、裁判所に勾留の許可を求める刑事手続のこと |
【関連記事】
勾留とは|勾留される要件と早期に身柄を釈放してもらうための対処法
たとえば複数の児童ポルノを製造していたような場合、一つの児童ポルノ法違反で逮捕・勾留された後、別の児童ポルノ法違反で逮捕・勾留されるなどが繰り返され、被疑者段階での身柄拘束期間が長期化する可能性があります。
また正式裁判で起訴されると、追起訴が繰り返されることで、刑事裁判も相当程度長期化する可能性があるでしょう。保釈されない場合には、その間の身柄拘束も長期化する可能性があります。
このような場合、身柄拘束による不利益を少しでも回避したい場合、行った行為が事実であれば素直にこれを認めましょう。捜査に積極的に協力しつつ、刑事弁護人のサポートを受けて、被害者との示談処理などを進めることを検討してみてください。
【関連記事】
刑事手続きでは、犯罪が発覚したからといって、必ず逮捕されるわけではありません。
被疑者の逮捕を要するかどうかを一次的に判断するのは、警察・検察です。そのため警察・検察において、被疑者の逮捕は不要と判断する場合、刑事事件としては立件されても逮捕まではされません。
捜査機関が逮捕を要すると判断しても、必ずしも全てのケースで逮捕が許容されるわけではありません。逮捕には逮捕要件があり、これを満たさない場合には逮捕状が発布されないなど逮捕手続きまで進みません。
刑事事件として立件されつつも、逮捕がされない場合や逮捕されても釈放されたような場合には、在宅事件(身柄拘束がない事件)として処理されます。
在宅事件 |
被疑者が身柄拘束されない状態で刑事手続きが進行する。 身柄事件のように時限的な問題がないため起訴・不起訴の判断までに相当程度時間がかかる。 |
身柄事件 |
被疑者が身柄拘束された状態で刑事手続きが進行する。 被疑者の人権に配慮した時限的問題があるため、基本的には勾留満期までに起訴・不起訴の判断がされる。 |
在宅事件は、身柄拘束を伴わないため、生活への影響は相対的に小さいと言えます。また身柄事件のように、被疑者の人権に配慮した時限的制約がありません。そのため起訴・不起訴の判断がされるまで、ある程度の時間がかかります。
当初身柄事件で処理されていても、後日在宅事件に切り替わることがありますし、逆に当初在宅事件でも後日逮捕・勾留されて身柄事件に切り替わることもあります。
【関連記事】
日本の刑事裁判で有罪となる割合は、統計上99%以上とされています。たとえ被疑者が事実を否定していても、起訴された場合に無罪となる可能性は、決して高くないのが実情です。
無論、自身に身に覚えのない犯罪を、積極的に認める必要は全くありませんし、そのようなことをするべきでもありません。しかし身に覚えがある場合に事実を否認しても、最終的には有罪となってしまう可能性は極めて高いと言えます。
したがって事実は事実として真摯に認めた上で、被疑者との示談交渉など、建設的な弁護活動を受ける方が良いでしょう。被害者としても加害者としても、受ける不利益を最小限に留めることができるかもしれません。
【関連記事】
起訴されると99.9%の確率で有罪|不起訴処分となる3つのポイント
児童ポルノで逮捕された場合、いくつかのすべきことを解説します。逮捕されてしまった方の家族はもちろん、警察から連絡があった方も参考にしてみてください。
警察から連絡があった場合、どのような趣旨で連絡してきているのか確認するべきでしょう。警察が被疑者として任意出頭を求めているのか、参考人として事情聴取を求めているのか、警察による連絡の趣旨は様々です。
警察から連絡があったというだけでパニックになるのではなく、警察に連絡の趣旨を確認し、これを踏まえて今後の対応を検討しましょう。ちなみに警察が逮捕する場合は事前に連絡などせず、逮捕令状や捜索差押令状を持って自宅に訪れるケースが多いです。
状況に応じては、早急に弁護士へ相談すべき場合があります。判断できない場合、弁護士の必要性診断を試してみてください。
児童ポルノ法違反で逮捕・勾留されているという場合は、弁護士による的確な弁護活動を受けることを積極的に検討するべきでしょう。
想定されるリスクとしては、以下のようなものが挙げられます。
上記のようなリスク・不利益を少しでも抑えたいのであれば、的確な刑事弁護を受けることは不可欠です。
たとえば児童ポルノ法違反に関しては、被害者・被害者の保護者との間で示談を成立させることで、早期の身柄解放、起訴の回避、実刑の回避などの効果が期待できる場合があります。特に身柄事件の場合には起訴・不起訴までの判断に時間制限がありますので、迅速な弁護活動が重要です。
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児童ポルノ禁止法のような被害者がいる事件の場合、被害者・被害者との保護者との間で示談が成立しているかどうかは、刑事事件処理に相当程度影響する可能性があります。
被害者との示談成立は、当事者間での事件の解決が図られたと評価され、刑事処分を判断するにあたって被疑者に有利な事情といえます。また示談には当然被害者に対する、被害弁償が含まれます。示談をすることは、被害者側にもメリットがあることといえるのです。
もっとも児童ポルノ禁止法違反の場合には、被害者は18歳未満の未成年者であり、当然被害者側(特に保護者)の処罰感情は強くなる傾向にあります。そのため、被害者の家族や、関係者が被害者側と示談を進めようとしても、被害者側の抵抗感が強く、これに応じてもらえないことがほとんどでしょう。示談交渉を進めたいのであれば、担当する弁護人に処理を依頼することをおすすめします。
示談交渉を弁護士に依頼するメリットや、弁護士に私選弁護を依頼した場合の費用の相場などについては、関連記事も参考にしてみてください。
【関連記事】
刑事事件の示談を弁護士に依頼するメリット|選び方や費用相場も解説
在宅事件とは、刑事事件としては立件されつつも、逮捕・勾留が行われない事件といいます。
在宅事件であっても、被疑者としてなすべきことは基本的には身柄事件と異なることはありません。犯行が事実であるならば、早急に弁護士に相談し、被害者との示談交渉を進めることを積極的に検討すべきです。
なお身柄拘束が行われない在宅事件は、勾留期間がありません。そのため処分がはっきりするまでに、数ヶ月以上の時間がかかる場合があります。その間に、示談交渉を進めることになるでしょう。
【関連記事】
ここでは、児童ポルノで弁護士に依頼する際に知っておきたい、弁護士の種類と費用目安、そしてメリットを簡単にご紹介します。
いざ弁護士を呼ぶといっても、相談できる弁護士はいくつか種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
児童ポルノ禁止法で逮捕・捜査された場合に相談できる弁護士の種類について、以下を参考にしてみてください。
被疑者本人や被疑者家族が、任意の弁護士に相談して選任するのが私選弁護人です。刑事弁護にかかる費用は自己負担になりますが、選任できる弁護士の中ではかなりおすすめといえます。
経歴・経験や得意分野などを見て、信頼できる弁護士に直接依頼可能です。国選弁護人や当番弁護士のように、事件や被疑者と弁護人がマッチしないリスクを可能な限り抑えられます。
とはいえ刑事弁護は弁護士の時間を相当に拘束するため、その費用は決して安いものではありません。経済状況や今後の見通しなどを弁護士に相談し、事前に見積を開示してもらい、刑事事件に選任を検討しましょう。
ちなみに、逮捕前から依頼できる弁護士は私選弁護人のみです。「児童ポルノで逮捕されそう」と不安な人は、事前に相談しておくか、相談する弁護士を探しておくことも検討しても良いかもしれません。
【関連記事】
国選弁護人は、被疑者の勾留が決定された時点で、国が選任する弁護士です。ただし私選弁護人が選任されておらず、私選弁護人の選任が困難であるといった条件を満たす必要があります。また国が所定のリストからランダムに専任しますので、私選弁護人のように被疑者や家族が任意の弁護士を選ぶことはできません。
費用は国が負担してくれますが、上記の通り国がランダムで選任するため、刑事事件・性犯罪の経験が豊富である弁護士が選任されるとは限らないでしょう。また国選弁護人に支出される報酬・費用には限度があるため、私選弁護人と比較して活動範囲・サポートに限界がある点にも留意が必要です。
【関連記事】
当番弁護士とは、逮捕された被疑者が一度だけ無料で接見を要請できる弁護士です。当番弁護士の利用は1回限りですので、逮捕直後に接見を希望して、今後の見通しについて助言を受けたり、外部との最低限度の連絡を依頼するというのが通常の利用方法です。
基本的には要請した当日、又は翌日には接見に来てもらうことが可能です。刑事事件でいきなり逮捕され、右も左もわからない、外部との連絡も全くできないという場合には、積極的な制度利用が推奨されます。
また接見を行った当番弁護士との間で私選弁護の委任契約を締結することで、私選弁護人として活動してもらうことができます。もしも弁護士が承諾する場合、国選弁護人に切替処理を行い、勾留後に国選弁護人として活動してもらうことも可能です。
【関連記事】
▶私選弁護人と当番弁護士、どっちを選べばいいの?弁護士に聞いてみた
刑事事件での弁護士費用は、罪を認めた自白事件の場合、着手金・報酬金のみであれば総額60万円前後と思われます。
ただしこれはあくまでも目安であり、弁護士費用は各弁護士事務所の料金体系や、事件の状況などに左右されます。相談時や依頼前に、必ず見積もりをしてもらいましょう。
詳細な費用の内訳や、費用を抑えるポイントなどは、以下記事を参考にしてみてください。
【関連記事】
▶刑事事件の示談を弁護士に依頼するメリット|選び方や費用相場も解説
児童ポルノ禁止法違法の嫌疑で逮捕された場合、弁護士のサポートを受けるメリットとして以下のようなメリットが挙げられます。
現行犯逮捕にしても、令状が伴う通常逮捕にしても、基本的に逮捕は突然行われます。このことについて、戸惑いや不安を感じることは、ごく自然なことかもしれません。
弁護士に依頼・相談をすることで、今後の大まかな流れや、見通し、すべきことなどを教えてもらえます。なにも知らないままでいるよりも、不安を軽減できるかもしれません。
また突然逮捕されたような場合、周囲に必要な連絡を取ることができず、私生活に大きな影響を与えてしまう可能性があります。接見に訪れた弁護士に連絡先を伝えたり、捜査機関を通じて押収されている携帯電話にある連絡先を伝えてもらたりすることで、外部との必要な連絡を行うこともできます。
刑事事件の解決実績がある弁護士なら、逮捕・起訴までの間に的確な弁護活動を行ってくれることが期待できます。弁護人による的確な弁護活動により、身柄が速やかに解放されたり、勾留期間が短縮されたり、起訴が回避されたりと、被疑者として被る不利益が軽減されることが期待できるかもしれません。
仮に起訴された場合であっても、的確な刑事弁護活動の結果、実刑が回避されるなどの不利益軽減も期待できます。
【関連記事】
刑事事件で弁護士をつけないことは可能?費用を払えない場合は?
上記の通り、児童ポルノ法違反のようなセンシティブな犯罪では、事件の当事者同士が示談交渉を進めることは困難であることがほとんどです。
被害者感情が強く、被害者とコンタクトすら取れないということも珍しいことではありません。また被疑者本人が身柄を拘束されている場合、被害者に物理的に接触できないことも留意しておいてください。
被害者との示談交渉を積極的に望むのであれば、弁護士によるサポートは必須と言えます。
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刑事事件の示談を弁護士に依頼するメリット|選び方や費用相場も解説
児童ポルノで私選弁護士に相談・依頼するといっても、弁護士は全国に約4万人います。とはいえ児童ポルノ禁止法で逮捕された場合、選ぶべき弁護士の目安がいくつかあるのです。
弁護士が多すぎて、どこに頼んだらよいかわからない、どのように頼んだらわからないという方も多いでしょう。そのような場合には、以下を参考にして弁護士への私選弁護の依頼を検討してみてください。
刑事事件における私選弁護人を選ぶにあたって、実績・経験の有無は考慮するべきポイントと言えます。弁護士の資格を得ているのであれば、誰でもある程度の基本的知識は有しています。しかし実績・経験で得られる差は、決して軽視できないものといえます。
弁護士個人を見て選ぶことも可能ですが、弁護士事務所全体が、刑事事件に注力していたり、経験・実績があったりするのも良いかもしれません。仮に経験が浅い若手弁護士であったとしても、弁護士自身の経験不足を事務所全体で補ったうえで、相応のサポートを受けられる可能性があります。
刑事事件(特に身柄事件)では逮捕から起訴・不起訴までの期間に制限がありますので、当然、刑事弁護人にも迅速な対応が求められます。
また身柄事件の場合、社会生活から隔離されている期間が長くなるほど、日常生活に生じる影響も大きくなっていくのが通常です。
刑事弁護人による迅速かつタイムリーな対応により、当該影響が生じる可能性を低減したり、影響速度を鈍化させることができるかもしれません。
刑事弁護では、被疑者・被告人と弁護人との間の信頼関係も無視できません。弁護人が被疑者・被告人の立場もある程度理解してサポートをしてくれるかどうかで、信頼関係の構築・維持のしやすさ・しにくさも変わってきます。
したがって被疑者本人であれば接見時の対応により、被疑者の家族であれば依頼時の対応により、相手弁護士の人となりを吟味して、信頼できそうかどうかを検討することも考慮するべきかもしれません。
例えば見通しや方針についての説明が具体的でわかりやすいかどうか、弁護士費用についての説明が曖昧ではなく明確であるかどうかなどは、話を聞く上で注意してみましょう。
児童ポルノ法違反は、近年の法改正に伴い単純所持であっても処分対象とされます。したがって、「持っているだけなら大丈夫だろう」「自分の個人PCに保管されているからバレることはないだろう」という安易な気持ちで児童ポルノを所持・保管していれば、いつ、何時、捜査の手が及ぶかわかりません。
児童ポルノを所持することは犯罪であることを自覚し、軽率な行動は慎むべきです。
仮に、児童ポルノ法違反で逮捕・勾留された場合、最終的に不起訴となっても日常生活に与える影響は、決して軽微なものではありません。例えば、20日程度の身柄拘束がされた場合、その間、職場に出勤することができませんので、最悪、仕事を失ってしまうことも十分にあり得ます。
もしも正式裁判で起訴された場合には、保釈されない限り身柄拘束が続きますので、日常生活への影響は更に深刻と言えます。
このような重大な影響を少しでも回避・低減することを考えるのであれば、専門知識を有する弁護人の積極的なサポートを受けるべきでしょう。
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KL2020・OD・037
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