刑事事件の流れとは?事件発生から判決確定までの流れをわかりやすく解説
刑事事件が発生した場合、基本的には捜査・逮捕・勾留・起訴・刑事裁判・判決の流れで手続きが進行します。
刑事事件は「初動対応が重要」と言われることもあり、対応を誤ると身柄拘束が長引いたり、不利な状況に追い込まれたりする可能性が高まります。
刑事事件の当事者となって今後が不安な方は、基本的な手続きの流れについて知っておき、速やかに弁護士による的確な弁護活動を受けましょう。
本記事では、刑事事件手続きの全体の流れや各手続きの流れ、刑事事件を起こした場合の対処法や、弁護士に依頼するメリットなどを解説します。
刑事事件手続きの全体の流れ【図解付き】

刑事事件の被疑者として逮捕されると、基本的に上図のような流れで手続きが進行します。
刑事手続きには時間制限が定められており、逮捕後はスピーディに各手続きが進められます。
まずは警察官や検察官による取り調べを受けたのち、検察官が起訴を決定した場合は被告人として刑事裁判にかけられ、裁判所にて有罪無罪や量刑などが言い渡されます。
有罪判決が言い渡されて判決確定となった場合、前科が付くことになります。
なお、刑事事件の被疑者が20歳未満の場合は流れが異なり、詳しくは「刑事事件の加害者が20歳未満の場合は少年事件として扱われる」で後述します。
刑事事件の流れ|犯罪の発生~捜査・逮捕まで
捜査機関が刑事事件の発生を認識した場合、まずは警察による捜査がおこなわれます。
なお、刑事事件の発生を認識する主なきっかけは以下のとおりです。
- 目撃者による110番通報
- 警察官による職務質問
- 加害者本人による自首
- 被害者による被害届・刑事告訴・刑事告発 など
警察は、被害者・目撃者への事情聴取や事件現場の検証などをおこない、犯人として疑われる人を絞り込んでいきます。
以下では、犯罪発生後の刑事手続きについて解説します。
刑事事件の逮捕は3種類ある
刑事事件の逮捕は、通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕の3種類に大きく分けられます。
それぞれ逮捕状の有無や逮捕のタイミングなどが異なり、主な特徴としては以下のとおりです。
| 通常逮捕(後日逮捕) | 現行犯逮捕 | 緊急逮捕 | |
| 特徴 | 裁判官が発付する逮捕状に基づいてされる逮捕 | 犯行中や犯行直後にされる逮捕 | 緊急性の高い重大犯罪でされる逮捕 |
| 逮捕状の発付 | 必要 | 不要 | 逮捕後に請求 |
| 一般人による逮捕 | 不可 | 可 | 不可 |
| 逮捕のタイミング | 逮捕状の発付後 | 犯行中・犯行直後 | 急速を要する場面 |
逮捕の定義や要件など、逮捕について詳しく知りたい場合は、以下の関連記事をご覧ください。
刑事事件では逮捕されずに捜査が進むこともある
たとえ被疑者が罪を犯したことが確実であっても、必ずしも逮捕されるとは限りません。
たとえば、通常逮捕をおこなうには、以下のような要件を満たしている必要があります。
- 被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること
- 「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」などの逮捕の必要性があること
警察官が裁判官に対して逮捕令状の発行を求めても、裁判官が「明らかに逮捕の必要がない」と判断した場合は逮捕令状の請求が却下されます(刑事訴訟規則第143条の3)。
なかには警察側が「逮捕する必要性はない」と判断して逮捕令状を請求しないこともあり、逮捕がおこなわれない場合は、被疑者は在宅のまま捜査が進められます。
刑事事件の流れ|逮捕後の取り調べ~検察官送致まで
捜査機関によって被疑者が逮捕された場合、警察署内の留置場や法務省所管の拘置所に身柄を留置されます。
逮捕期間中は、被疑者に対する取り調べを中心として、警察官による捜査が引き続きおこなわれます。
なお、被疑者には黙秘権が認められており、自分が知っていることや感じたことなどを話しても良いですし、終始沈黙していても構いません。
取り調べでの供述内容は刑事裁判で証拠として用いられるため、軽率な発言は控えたほうが安全です。
以下では、逮捕直後の刑事手続きについて解説します。
逮捕後48時間以内に送検か釈放かを判断される
警察官は、被疑者を逮捕してから48時間以内に、事件を検察官に送るか微罪処分とするかを判断します(刑事訴訟法213条1項)。
身柄拘束は被疑者にとって重大な不利益処分なので、逮捕には厳しい時間制限が設けられているのです。
原則として、警察官が捜査した事件は検察官送致(送検)しなければいけません(刑事訴訟法246条)。
ただし「犯罪事実が極めて軽微で、かつ地方検察庁が定める基準によって送検不要とされている事件」については、検察官送致ではなく微罪処分とすることが可能です(犯罪捜査規範198条)。
微罪処分となった場合、警察限りで事件は終結となり、被疑者の身柄が解放されて刑罰や前科が付くこともありません。
微罪処分となるケースや微罪処分を獲得するためのポイントなど、微罪処分について詳しく知りたい場合は、以下の関連記事をご覧ください。
逮捕後から最大72時間は面会できない
刑事事件の被害者として逮捕された場合、原則として逮捕後から最大72時間は接見が禁じられています。
被疑者の家族・友人・職場の上司や同僚など、逮捕直後は一切会うことができません。
なお、例外として弁護士には接見交通権が認められており、逮捕直後でも被疑者と会うことが認められています(刑事訴訟法第39条1項)。
原則として回数制限や時間制限なども一切なく、警察官による立ち合いなしでの接見が可能です。
刑事事件の流れ|勾留請求~起訴不起訴の判断まで
警察官から検察官へ事件が送られた場合、引き続き捜査がおこなわれます。
送致後は検察官による取り調べなどがおこなわれたのち、起訴不起訴が判断されます。
起訴とは「被疑者を刑事裁判にかけること」、不起訴とは「被疑者を刑事裁判にかけないこと」を指します。
以下では、検察官送致後の刑事手続きについて解説します。
送致後24時間以内に勾留請求するか判断される
検察官は、警察官から被疑者の送致を受けた場合、被疑者を留置する必要があると判断するときは、被疑者を受け取った時から24時間以内、かつ逮捕時から72時間を超えない範囲で、裁判官に勾留を請求しなければなりません(刑事訴訟法第205条第1項)。検察官は、被疑者について勾留請求するか判断し、「被疑者の身柄を拘束した状態での捜査が必要」と判断した場合には、裁判官に対して勾留請求をおこないます。
裁判官によって勾留請求が認められるかは、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることに加え、以下のいずれかの要件を満たしている場合に限られます(刑事訴訟法第60条1項)。
- 被疑者が定まった住居を有しないとき
- 被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
- 被疑者が逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき
なお、検察官が勾留請求しなかった場合や、勾留請求が認められなかった場合は、被疑者の身柄が解放された状態で捜査が続けられます。
勾留される要件や在宅事件となるケースなど、勾留や在宅事件について詳しく知りたい場合は、以下の関連記事をご覧ください。
勾留期間は原則10日間、最大20日間まで延長される
裁判官によって勾留請求が認められた場合、被疑者は引き続き留置場や拘置所にて身柄拘束の状態が続きます。
原則として、勾留期間は勾留請求の日から10日以内とされています(刑事訴訟法第208条1項)。
ただし、やむを得ない事由がある場合には、検察官の請求により、裁判官が10日を超えない範囲で勾留期間の延長が認められることもあります(刑事訴訟法第208条2項)。
したがって、刑事事件の被疑者として逮捕された場合は、逮捕から最長で23日間の身柄拘束を受ける可能性があります。
勾留期間中に検察官が起訴・不起訴を決定する
検察官は、勾留期間が満了するまでの間に、被疑者を起訴するか不起訴とするかを判断しなければなりません。
起訴された場合は、被告人として刑事裁判にかけられ、裁判官によって有罪無罪や量刑などが言い渡されます。
一方、不起訴処分となった場合は、捜査手続きは終了となり、被疑者の身柄が解放されて刑罰や前科が付くこともありません。
なお、起訴・不起訴はいくつか種類があり、以下ではそれぞれについて解説します。
1.起訴処分の種類
起訴については、正式な裁判を開いて被疑者に対する処罰を求める「正式起訴」と、簡易的な手続きで処罰を求める「略式起訴」の2つに大きく分けられます。
正式起訴と略式起訴の主な違いとしては、以下のとおりです。
| 正式起訴 | 略式起訴 | |
| 裁判形態 | 公開法廷での裁判 | 非公開の書面審理 |
| 被告人による出廷 | 必要 | 不要 |
| 被疑者による同意 | 不要 | 必要 |
| 裁判での判決 | 有罪判決または無罪判決 | 基本的に有罪判決となる |
| 刑罰の制限 | なし | 100万円以下の罰金刑・科料 |
なお、略式起訴が認められるのは、以下のような要件を満たしている場合に限られます(刑事訴訟法第461条、第461条の2)。
- 事件の管轄先が簡易裁判所である
- 被疑者が略式手続きに同意している
- 100万円以下の罰金刑または科料に相当する事件である
略式起訴となるケースやメリット・デメリットなど、略式起訴について詳しく知りたい場合は、以下の関連記事をご覧ください。
2.不起訴処分の種類
不起訴処分については、嫌疑なし・嫌疑不十分・起訴猶予・その他の4種類に大きく分けられます。
各処分の意味や具体例は以下のとおりです。
| 不起訴処分の種類 | 意味 | 該当する具体例 |
| 嫌疑なし | 犯罪を犯していないことが明白であること | ●別に真犯人が特定された ●被疑者の完全なアリバイが成立した ●被害者の勘違いや記憶違いで、被害事実そのものがなかった など |
| 嫌疑不十分 | 犯罪を犯した疑いはあるものの、裁判で有罪を立証できるほどの証拠が揃っていないこと | ●防犯カメラの映像が荒く、被疑者本人と断定できない ●被害者の供述しかなく、物的証拠が一切ない ●被疑者のアリバイを完全に崩せるほどの客観的証拠がない など |
| 起訴猶予 | 犯罪の嫌疑があって十分な証拠も揃っているものの、検察官側の判断で起訴を見送ること | ●被疑者が初犯である ●被疑者が深く反省している ●被害弁償や示談が成立している ●被疑者家族による監督体制が整っている など |
| その他 | 法律上、裁判を進行できない事情がある | ●被疑者が死亡した ●公訴時効が完成した ●親告罪で被害者が告訴状を取り下げた ●すでに同じ事件で判決が確定していた など |
不起訴処分となるケースや不起訴処分を獲得するためのポイントなど、不起訴処分について詳しく知りたい場合は、以下の関連記事をご覧ください。
刑事事件の流れ|刑事裁判(公判手続)~判決確定まで
検察官によって公判請求された場合、刑事裁判が開かれます。
基本的に勾留中に起訴された場合は身柄拘束されたまま刑事裁判へ移りますが、起訴後は保釈を請求することができ、保釈が認められた場合には、保釈保証金の納付などを条件として、勾留による身柄拘束が解かれます(刑事訴訟法第89条、第90条)。
刑事裁判では、裁判官によって有罪無罪や量刑などが言い渡され、有罪判決が確定した場合は前科が付くことになります。
以下では、起訴後の刑事手続きについて解説します。
刑事裁判の流れ
刑事裁判では、検察側と弁護側に分かれ、以下のような流れで手続きが進行します。
| 刑事裁判の流れ | 主な手続きの内容 |
| 1.冒頭手続 | ●人定質問:裁判官が被告人に問いかけて人違いでないかを確認する ●起訴状朗読:検察官が起訴状を朗読して審理対象を明確にする ●権利告知:裁判官が被告人に黙秘権などの権利を説明する ●意見陳述:被告人・弁護人が自分の意見や主張を述べる |
| 2.証拠調べ手続 | ●冒頭陳述:検察官が証明しようとする事実を読み上げる ●証拠調べ請求:裁判所に対して証拠の取り調べを求める ●証拠調べ請求に対する意見:証拠調べ請求に対して意見を述べる ●証拠決定:裁判官が証拠を取り調べるかを決定する ●証拠調べ:証拠の確認や証人尋問を通じて事実認定する |
| 3.弁論手続 | ●論告:検察官が事件に関して意見を述べて求刑する ●弁論:弁護人が事件に関して意見を述べる ●最終陳述:被告人が事件に関して意見を述べる |
| 4.判決言い渡し | 有罪無罪や量刑が言い渡される |
刑事裁判の具体的な流れや略式裁判の流れなど、刑事裁判について詳しく知りたい場合は、以下の関連記事をご覧ください。
刑事裁判で下される判決は3種類ある
刑事裁判で下される判決は、有罪判決(実刑判決)・有罪判決(執行猶予付き判決)・無罪判決の3種類に大きく分けられます。
| 判決の種類 | 意味 |
| 有罪判決(実刑判決) | 刑の執行が猶予されず、判決が確定すると刑が執行される判決 |
| 有罪判決(執行猶予付き判決) | 刑の全部または一部について、一定期間刑の執行を猶予される判決 |
| 無罪判決 | 検察官が主張した犯罪について、裁判所が有罪とすることができないと判断した場合に言い渡される判決 |
全部執行猶予付きの判決が言い渡された場合、前科は付きますが、実刑判決とは異なり、原則として直ちに刑務所などに収容されることはなく、社会生活を送りながら執行猶予期間を過ごすことになります。
執行猶予期間中に刑の執行猶予の取消しを受けることなく期間を経過した場合には、刑法第27条により、刑の言渡しはその効力を失います。
なお、刑罰の種類については以下の5つに分類されます。
| 刑罰の種類 | 意味 |
| 死刑 | 受刑者を絞首刑にして死に至らしめる刑罰 |
| 拘禁刑 | 刑事施設に拘置し、改善更生を図るために必要な処遇を行う刑罰 |
| 罰金刑 | 金銭の納付を命ずる刑罰 |
| 拘留 | 1日以上30日未満の期間内で、刑事施設に収容する刑罰 |
| 科料 | 1,000円以上1万円未満の範囲内で、金銭の納付を命ずる刑罰 |
判決に納得いかない場合は控訴や上告して争うことも可能
被告人は、刑事裁判で裁判官から言い渡された判決に対して控訴・上告して争うことが可能です。
控訴審は、第一審を担当した裁判所によって管轄が異なります。地方裁判所の判決に対する控訴は高等裁判所で審理され、簡易裁判所の判決に対する控訴は地方裁判所で審理されます。
上告審は、原則として最高裁判所で審理されます。ただし、上告には法律で定められた上告理由が必要であり、控訴審とは異なり、事実関係を一から審理し直すものではありません。
控訴・上告による不服申立てがなく、または不服申立てが認められず判決が確定すると、刑事裁判は終了します。有罪判決が確定した場合には、その後、刑の執行などの手続が行われます。
上告・控訴の要件や手続きの流れなど、上告や控訴について詳しく知りたい場合は、以下の関連記事をご覧ください。
刑事事件の加害者が20歳未満の場合は少年事件として扱われる

刑事事件の被疑者が20歳未満の場合、原則として少年法が適用され、通常の成人の刑事事件とは異なる手続きで処理されます。
少年事件では、少年の年齢や事件の内容によって以下のように手続や処分が異なります。
| 対象 | 逮捕 | 処分の決定 | 主な処分 | |
| 20歳以上(成人) | 刑法 | される | 検察官・刑事裁判 | 刑事罰 |
| 14歳以上(犯罪少年) | 刑法<少年法 | される | 家庭裁判所・少年審判 | 保護処分 |
| 14歳未満(触法少年) | 少年法 | されない | - | - |
また、2022年の改正少年法の施行によって、18歳・19歳については「特定少年」として位置付けられており、成人と同様の刑事手続きが適用される場合もあります。
少年事件の具体的な流れや成人事件との違いなど、少年事件について詳しく知りたい場合は、以下の関連記事をご覧ください。
刑事事件を起こした場合の3つの対処法
刑事事件の当事者になった際は、以下のような対応を取ることで重い処分を回避できる可能性があります。
- 警察に自首をする
- 被害者と示談交渉をおこなう
- 弁護士に弁護活動を依頼する
ここでは、刑事事件を起こした場合の対処法について解説します。
1.警察に自首をする
「犯罪を犯したものの、まだ逮捕はされていない」という場合は、自首が有効です。
刑法では、自首は任意的減刑事由のひとつとして定められています(刑法第42条)。
自ら捜査機関に対して自首をすることで、逮捕されずに在宅事件として扱われたり、不起訴処分や執行猶予付き判決となったりする可能性が高まります。
もし1人で自首するのが不安な場合は、弁護士なら一緒に同行してくれるので、サポートを依頼することをおすすめします。
2.被害者と示談交渉をおこなう
被害者のいる刑事事件の場合は、示談交渉をおこなうのも有効です。
刑事事件の示談交渉では、加害者側から被害者に対して、謝罪・被害弁償・示談金の支払いなどをおこなうことになります。
被害者との示談が成立すれば「当事者の間では事件が解決している」と判断され、早期釈放や減刑獲得などにつながる可能性が高まります。
なお、弁護士なら示談交渉の代行も依頼できるので、示談の成功率を高めたい場合も依頼することをおすすめします。
3.弁護士に弁護活動を依頼する
刑事事件を起こしたら、速やかに弁護士による弁護活動を受けましょう。
弁護士なら、自首の同行・被害者との示談交渉・捜査機関に対する働きかけなど、できるだけ重い処分を回避できるように尽力してくれます。
当サイト「ベンナビ刑事事件」では、刑事事件の加害者弁護が得意な全国の弁護士を掲載しています。
都道府県・市区町村・最寄り駅などの地域検索や、詐欺罪・暴行罪・窃盗罪・性犯罪などのトラブル別検索もでき、スムーズに条件に合った弁護士を探せます。
逮捕前の相談可・即日接見対応・電話相談可などの法律事務所も多く掲載しており、刑事事件の当事者になった際はご利用ください。
刑事事件で弁護士に依頼する5つのメリット
刑事事件では、弁護士に依頼することで以下のようなメリットが望めます。
- 自首のアドバイスや自首当日の同行を依頼できる
- 逮捕直後でも警察官の立ち会いなしで面会できる
- 身柄解放に向けて準抗告や保釈請求をしてくれる
- 被害者との示談交渉を代行してくれる
- 不起訴処分や執行猶予を獲得できる可能性が高まる
ここでは、刑事事件での弁護士のサポート内容について解説します。
1.自首のアドバイスや自首当日の同行を依頼できる
弁護士なら、自首に関するアドバイスや自首当日の同行を依頼できます。
自首は弁護士なしでも可能であり、必ずしも依頼が必要というわけではありません。
ただし、自首には成立要件が設けられており、素人が自己判断で警察署などに出向いても自首として扱ってもらえないおそれがあります。
弁護士は、自首が成立する状況かどうかを的確に判断してくれて、アドバイスをもとに動くことで失敗の回避が望めますし、自首同行を依頼すれば自首当日の不安も和らぎます。
2.逮捕直後でも警察官の立ち会いなしで面会できる
逮捕直後は、捜査上の理由などから、家族や友人などが被疑者と面会することが制限される場合があります。
一方、弁護士には接見交通権が認められており、逮捕直後であっても、原則として警察官などの立会いなく被疑者と接見することができます(刑事訴訟法第39条第1項)。
弁護士との接見では、被疑者に黙秘権などの権利を説明したり、取調べへの対応について助言したりすることができます。また、事件の状況を確認したうえで、早期の身柄解放に向けた弁護活動を行うことも可能です。
3.身柄解放に向けて準抗告や保釈請求をしてくれる
弁護士なら、逮捕後の早期釈放に向けたサポートも依頼できます。
たとえば、裁判官による勾留決定に不服がある場合には準抗告を申し立てたり、起訴後も勾留が続いている場合には保釈を請求したりすることで、身柄の解放を求めることができます。
ただし、準抗告や保釈請求などを認めてもらうためには、書類や資料を漏れなく準備作成するなどして身柄拘束の必要性がないこと等を主張しなければいけません。
弁護士は、必要書類の準備作成を代行してくれて、検察官や裁判官に対して説得力のある主張を展開してくれるため、早期釈放が実現する可能性が高まります。
4.被害者との示談交渉を代行してくれる
弁護士なら、被害者との示談交渉を代行してもらうことも可能です。
示談が成立すれば有利な事情として考慮されるものの、多くのケースで被害者は加害者に対して怒りや恐怖などを抱いています。
加害者が示談を申し入れようとしても無視や拒否されるおそれがありますし、そもそも身柄拘束されている場合は加害者本人による示談交渉は不可能です。
第三者である弁護士が間に入ることで被害者が交渉に応じやすくなり、スムーズかつ適切な金額での示談成立が期待できます。
5.不起訴処分や執行猶予を獲得できる可能性が高まる
弁護士に依頼すれば、不起訴処分や執行猶予を獲得できる可能性が高まるというメリットもあります。
起訴不起訴の決定前であれば、弁護士は取り調べに関するアドバイス・被害者との示談交渉・検察官への意見書提出など、あらゆる手段を駆使して弁護活動を進めてくれます。
起訴されて刑事裁判に移ったとしても、弁護士は検察側の主張や証拠を厳しく検証するなどして、依頼者の味方として引き続き尽力してくれます。
刑事事件では時間との勝負になるケースも多いため、なるべく迅速に弁護活動を受けることが大切です。
刑事事件に関するよくある質問3選
ここでは、刑事事件に関するよくある質問について解説します。
1.刑事事件と民事事件の違いは?
刑事事件と民事事件は、主に当事者・目的・適用される法律・手続き・結果などの点で異なります。
なお、詐欺事件や暴力事件などのようなケースでは、刑事責任と民事責任の両方が問われることもあります。
| 項目 | 刑事事件 | 民事事件 |
| 当事者 | 国家(警察・検察)対個人(被疑者・被告人) | 私人対私人 |
| 目的 | 犯罪の処罰・社会秩序の維持 | 私人間のトラブル解決 |
| 適用される法律 | 刑法・刑事訴訟法など | 民法・民事訴訟法など |
| 手続き | 捜査・逮捕・起訴・裁判など | 訴訟・調停・和解など |
| 結果 | 拘禁刑や罰金刑などの刑事罰(有罪の場合) | 権利の確認・賠償金の支払い命令など |
2.刑事事件にかかる期間はどのくらい?
刑事事件にかかる期間は、ケースによって大きく変わります。
たとえば、被疑者が容疑を認めている自白事件で、事件自体が比較的シンプルなケースでは、逮捕後から2ヵ月~3ヵ月程度で判決確定となることもあります。
一方、被疑者が容疑を認めていない否認事件で、事件自体が比較的複雑なケースでは、逮捕されてから判決が確定するまでに1年以上かかる場合もあります。
3.刑事事件で起訴されたら有罪になる?有罪率は何%?
刑事事件を起こして起訴されたとしても、無罪判決が下される可能性はあります。
ただし、日本の刑事裁判の有罪率は99%以上と言われており、起訴されると高い確率で有罪判決が下されます。
刑罰や前科を回避したい場合は、検察官が起訴・不起訴を判断する前に対応を尽くし、不起訴処分の獲得を目指しましょう。
さいごに|刑事事件の加害者になったら、まずは弁護士に相談を
刑事事件は、逮捕されてから起訴に至るまでの手続きが早く進行するのが大きな特徴です。
早い段階から的確な弁護活動を受けておくことで、早期釈放や減刑を獲得できる可能性が高まります。
捜査機関から犯罪の嫌疑をかけられている方や、自分の家族が逮捕されてしまった方などは、すぐに弁護士までご相談ください。
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